メリルリンチが損失隠しか、決算計上を先送り…米紙報道
2007年11月3日(土)22:18
【ニューヨーク=山本正実】2日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、米大手証券メリルリンチが、保有する住宅ローン担保証券(MBS)が抱える含み損の決算への計上を先送りする取引を、複数のヘッジファンドと行っていたと報じた。
サブプライムローンの焦げ付き急増に伴う損失を隠す取引と言え、米証券取引委員会(SEC)が調査する可能性がある。メリルリンチは同日発表した声明で報道内容を否定した。
報道によると、ある取引では、メリルの関連会社が住宅ローン債権を担保にした10億ドル(約1140億円)のCP(コマーシャルペーパー)を発行し、ヘッジファンドが買い取った。
シティグループのプリンスCEOが辞任か 米紙報道
2007年11月3日(土)20:44
米金融最大手シティグループのチャールズ・プリンス会長兼最高経営責任者(CEO)が辞任する見通しになったと、経済紙ウォールストリート・ジャーナルなど複数の米紙が3日報じた。米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題で新たな巨額損失の計上を迫られているとも報じられ、経営不振の責任を取る意思を固めたものとみられる。
報道によると、シティは4日に臨時取締役会を開く。プリンス氏はこの場で辞任を申し出るつもりだという。事情に詳しい者の話として伝えた。
シティは先月、7~9月期決算でサブプライムがらみの損失65億ドルを計上して、大幅減益に落ち込み、プリンス氏への批判が高まっていた。
シティやメリルのスプレッドが拡大=米社債・CDS市場
2007年11月3日(土)09:59
[ニューヨーク 2日 ロイター] 2日の米社債市場では、スプレッドがワイド化した。ドイツ銀行が米大手金融機関の第4・四半期の評価損が100億ドルを超える可能性を指摘したことで、金融セクターが弱含んだ。
マーケットアクセスによると、シティグループの10年物スプレッドは10ベーシスポイント(bp)以上、メリルリンチの10年物スプレッドは27bp拡大した。
ドイツ銀行は100億ドルの評価損の大半はメリルとシティの計上分となるとの見方を示している。
アラジン・キャピタルの調査ディレクター、スコット・ マクドナルド氏は、銀行がどれほど評価損を抱えるか不透明なことが問題で、一定のめどがつくまで神経質な相場が続くと指摘した。
米クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、投資適格級のCDS主要指標が3bp近く上昇。マークイット・イントラデーによると、70.3bp近辺で推移した。
2日付のウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は関係筋の話として、米メリルリンチがリスクの高いモーゲージ担保証券のエクスポージャーを少なくするため、ヘッジファンドとの間で、損失の算出日を遅らせることを狙った取引を行ったと伝えた。これによりメリルの信頼性は打撃を受け、ストラテジストによると、同社のCDS(5年物)は127.5bp近辺にワイド化した。前日は98bpだった。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスのまとめによると、CDS水準が暗示するメリルの格付けは、実際の格付け「A1」より6ノッチ下のジャンク級となっている。シティのCDSは実際の「Aa1」よりも8ノッチ下、ジャンク級からは1ノッチ上の「Baa3」格で取引されている。
ムーディーズのクレジットストラテジー部門代表、デビッド・マンブス氏は、格付けの大幅な差は格下げの可能性が高いことを通常示唆すると指摘した。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が弱い業績や住宅市場の低迷を理由に米住宅建設会社5社を格下げし、うち3社はジャンク級となったことも、圧迫材料となった。
DRホートンの社債(表面利率6.5%、2016年償還)は額面1ドル当たり89.625セントに下落。マーケットアクセスによると、10月29日には91.5セントだった。
米ゼネラル・モーターズ(GM)の元金融子会社、ゼネラル・モーターズ・アクセプタンス・コープ(GMAC)のCDSスプレッドは拡大。前日の発表で、住宅ローン部門レジデンシャル・キャピタルが22億6000万ドルの損失を計上したことが響き、第3・四半期の赤字幅が16億ドルと前年比9倍に拡大したことや、短期的な回復が見込まれないことが要因となった。
クレディ・スイスのアナリスト、マーク・アルサー氏はGMAC債の投資判断を「バイ」から「マーケットパフォーム」に引き下げ。投資家の信頼感向上につながるような資金調達・業務計画をレジデンシャル・キャピタルに期待していたが、年末までに実現する可能性は低いとの見方を示し、「CDSは幾分タイト化しても、年末まで大きな動きはないだろう」と述べた。
GMACのCDSプレミアムは605bpに上昇。マークイット・イントラデーによると、決算発表前の31日は497bpだった。
UBSとクレディ・スイスが損失計上、サブプライム問題で
10月1日 AFP】スイス金融大手2行は1日、米国のサブプライムローン(信用度の低い個人向け融資)の影響により、第3四半期決算に損失を計上することを明らかにした。
UBSは、第3四半期の税引き前損益が6-8億スイスフラン(約600-800億円)の損失になるとの見通しと、米国のサブプライムローン関連の債券の保有により「大規模な損失」が発生する可能性を示した。
一方で、マルセル・ローナー(Marcel Rohner)UBS最高経営責任者(CEO)は、通年では利益を回復するとの見通しを示した。
また、クレディ・スイス(Credit Suisse、CS)は、投資銀行部門および資産運用部門が市場の混乱の悪影響を受けたものの、第3四半期決算では黒字になるとの見通しを示した。
米国のサブプライムローンの破たんに続いて発生したクレジットクランチ(信用収縮)で世界中の金融システムが危機に陥り、9月中旬には英住宅金融機関ノーザン・ロック(Northern Rock)が英中央銀行のイングランド銀行(Bank of England)から緊急資金融資を受け、28日にはドイツのIKB産業銀行がサブプライム問題で多額の損失を発表した。(c)AFP
2007年11月3日(土)22:18
【ニューヨーク=山本正実】2日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、米大手証券メリルリンチが、保有する住宅ローン担保証券(MBS)が抱える含み損の決算への計上を先送りする取引を、複数のヘッジファンドと行っていたと報じた。
サブプライムローンの焦げ付き急増に伴う損失を隠す取引と言え、米証券取引委員会(SEC)が調査する可能性がある。メリルリンチは同日発表した声明で報道内容を否定した。
報道によると、ある取引では、メリルの関連会社が住宅ローン債権を担保にした10億ドル(約1140億円)のCP(コマーシャルペーパー)を発行し、ヘッジファンドが買い取った。
シティグループのプリンスCEOが辞任か 米紙報道
2007年11月3日(土)20:44
米金融最大手シティグループのチャールズ・プリンス会長兼最高経営責任者(CEO)が辞任する見通しになったと、経済紙ウォールストリート・ジャーナルなど複数の米紙が3日報じた。米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題で新たな巨額損失の計上を迫られているとも報じられ、経営不振の責任を取る意思を固めたものとみられる。
報道によると、シティは4日に臨時取締役会を開く。プリンス氏はこの場で辞任を申し出るつもりだという。事情に詳しい者の話として伝えた。
シティは先月、7~9月期決算でサブプライムがらみの損失65億ドルを計上して、大幅減益に落ち込み、プリンス氏への批判が高まっていた。
シティやメリルのスプレッドが拡大=米社債・CDS市場
2007年11月3日(土)09:59
[ニューヨーク 2日 ロイター] 2日の米社債市場では、スプレッドがワイド化した。ドイツ銀行が米大手金融機関の第4・四半期の評価損が100億ドルを超える可能性を指摘したことで、金融セクターが弱含んだ。
マーケットアクセスによると、シティグループの10年物スプレッドは10ベーシスポイント(bp)以上、メリルリンチの10年物スプレッドは27bp拡大した。
ドイツ銀行は100億ドルの評価損の大半はメリルとシティの計上分となるとの見方を示している。
アラジン・キャピタルの調査ディレクター、スコット・ マクドナルド氏は、銀行がどれほど評価損を抱えるか不透明なことが問題で、一定のめどがつくまで神経質な相場が続くと指摘した。
米クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、投資適格級のCDS主要指標が3bp近く上昇。マークイット・イントラデーによると、70.3bp近辺で推移した。
2日付のウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は関係筋の話として、米メリルリンチがリスクの高いモーゲージ担保証券のエクスポージャーを少なくするため、ヘッジファンドとの間で、損失の算出日を遅らせることを狙った取引を行ったと伝えた。これによりメリルの信頼性は打撃を受け、ストラテジストによると、同社のCDS(5年物)は127.5bp近辺にワイド化した。前日は98bpだった。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスのまとめによると、CDS水準が暗示するメリルの格付けは、実際の格付け「A1」より6ノッチ下のジャンク級となっている。シティのCDSは実際の「Aa1」よりも8ノッチ下、ジャンク級からは1ノッチ上の「Baa3」格で取引されている。
ムーディーズのクレジットストラテジー部門代表、デビッド・マンブス氏は、格付けの大幅な差は格下げの可能性が高いことを通常示唆すると指摘した。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が弱い業績や住宅市場の低迷を理由に米住宅建設会社5社を格下げし、うち3社はジャンク級となったことも、圧迫材料となった。
DRホートンの社債(表面利率6.5%、2016年償還)は額面1ドル当たり89.625セントに下落。マーケットアクセスによると、10月29日には91.5セントだった。
米ゼネラル・モーターズ(GM)の元金融子会社、ゼネラル・モーターズ・アクセプタンス・コープ(GMAC)のCDSスプレッドは拡大。前日の発表で、住宅ローン部門レジデンシャル・キャピタルが22億6000万ドルの損失を計上したことが響き、第3・四半期の赤字幅が16億ドルと前年比9倍に拡大したことや、短期的な回復が見込まれないことが要因となった。
クレディ・スイスのアナリスト、マーク・アルサー氏はGMAC債の投資判断を「バイ」から「マーケットパフォーム」に引き下げ。投資家の信頼感向上につながるような資金調達・業務計画をレジデンシャル・キャピタルに期待していたが、年末までに実現する可能性は低いとの見方を示し、「CDSは幾分タイト化しても、年末まで大きな動きはないだろう」と述べた。
GMACのCDSプレミアムは605bpに上昇。マークイット・イントラデーによると、決算発表前の31日は497bpだった。
UBSとクレディ・スイスが損失計上、サブプライム問題で
10月1日 AFP】スイス金融大手2行は1日、米国のサブプライムローン(信用度の低い個人向け融資)の影響により、第3四半期決算に損失を計上することを明らかにした。
UBSは、第3四半期の税引き前損益が6-8億スイスフラン(約600-800億円)の損失になるとの見通しと、米国のサブプライムローン関連の債券の保有により「大規模な損失」が発生する可能性を示した。
一方で、マルセル・ローナー(Marcel Rohner)UBS最高経営責任者(CEO)は、通年では利益を回復するとの見通しを示した。
また、クレディ・スイス(Credit Suisse、CS)は、投資銀行部門および資産運用部門が市場の混乱の悪影響を受けたものの、第3四半期決算では黒字になるとの見通しを示した。
米国のサブプライムローンの破たんに続いて発生したクレジットクランチ(信用収縮)で世界中の金融システムが危機に陥り、9月中旬には英住宅金融機関ノーザン・ロック(Northern Rock)が英中央銀行のイングランド銀行(Bank of England)から緊急資金融資を受け、28日にはドイツのIKB産業銀行がサブプライム問題で多額の損失を発表した。(c)AFP