少し遅れましたが、記念すべき初公演の模様をUPします。
当日は絶好の蛍日和の蒸し暑い天気。ちょうどこの日だけ雨は降りませんでした。
ミラクル晴れ男フジモはあいかわらず健在でした
午後1番からピアノなし、音響重視の通し稽古。やはり音響がずれる。無理もない。しっかりとあわせたのは2回くらいだけ。しかも予定していた人でなく急遽お願いした人。そのうえワンシーン出演もするという無茶な段取り。
できるだけ台本に秒数と舞台切り替えのココ!というタイミングなどの記入をお願いする。
また、Mつざきさん夫婦がこの日助っ人にきてくれた。背景のめくりとビデオ及びデジカメの撮影をお願いする。
あまりに室内が暑くテンションがあがらないまま時間だけがすぎていく。
子供達もデレデレ状態でいっそう不安になる。
15時45分。最終のゲネを行う。やはり集中力がない。どうなるんだ一体!!
外は蛍事業で青年会議所、商工会青年部のメンバーが準備を始める。
ちらほらとお客さんもきている。
17時 私がオケラの衣装とメイクをする。メイクをした私はもうすっかり別人であった。白塗りのベースに黒のラインを数本入れ、おでこには♪マーク。フジモ演じる「バンバン」の出来上がりだ!子供達は驚きそして大笑い!
サーベッシュもカエルの衣装着用。
このメイクを見て子供達は普段と違う本番を意識しだす。
17時15分、本番30分前。準備をするように伝える。校長先生役のHらさわさんが急にマジ顔でセリフを繰り返す。
17時30分、本番まで15分。子供達がどうしようどうしようと言い出す。緊張してきたようだ。円陣を組む。ここまでやってきて悔いはない。間違いなんてないよ。楽しんでやろう!エイエイオー!!!今思えばこの半年で初めて気持ちがひとつになった瞬間だったような気がする。
10分前、どうやら演劇前の紙芝居が早く終わったようだ。客入れする。
!!!!!すごい人数!!!!うあ!ぎっしりと人がいる。
すごい人だと楽屋(といっても裏口なのだが)で伝えると「本当!?」
みんなのぞきに行く。うわーどうしようどうしよう!余計緊張させてしまったようだ。
この期に及んであのシーンはどう演ずればいいの?と質問する子まであらわれる。
どうして練習の時にきかないの?と聞いてももうムダだった。やってみせてもムダ。完全にあがってしまってるようだ。無理もない。みんなはじめての舞台なのだ。
このドキドキの瞬間がいつもたまらない。このワクワク感が芝居の醍醐味だねとサーベッシュと語り合う。
少し早めに始めてくれと主催のJC側から言われるが、もうここは私達の世界。指示されるいわれはない。秋田先生役の青年部長に前説でもどうですか!?と言っても無理なようだ。緊張している。
5分前。舞台裏にスタンバイ。客入れでエンドレスで流していた「蛍~癒しバージョン」がちょうど終わる。
体が自然に動いていた。「前説行こう!」さーべっしゅとともに舞台へ飛び出していた。
たんっ(着地)おおおおおおおお!!!(すごいリアクション)
私のメイクと格好にびっくりしたようだ。無理もないあのメイクと全身黒タイツに手足や首に鈴系のパーカッションで動くたびにジャラジャラ。タイツの中にはアフタフバーバンの青いTシャツ(この劇団設立のエッセンスであるアフタフバーバンへの感謝の意味もあり当日着用)、ピンクのネクタイというなんとも奇妙ないでたちだからだ。
子供達の視線を痛いほど感じる。快感。
内容も考えずに飛び出したが言葉が自然に出る。
あいさつ後に「この舞台にはイェイ!とかベイベー!とかいうシーンが多いのでみなさん一緒にポーズやりましょう!せーのベイベー!!」
しかしよく思いついたな~そんなこと。この時にお客さんの緊張がほぐれた気がする。つかみはOKだ。そう思った次の瞬間に私はもう役に入っていた。
「またこの季節がきたケラな」
芝居開始。
ホタル役の子供達。すごい張りのある声で元気に演じている。
お父さん、お母さん役。練習とは別人だ!!!今回ほとんど演出アドバイスがないのに抜群の雰囲気を出している。本当に夫婦のようだった。
学校の先生役。人間の世界とホタルの世界の先生の一人二役。セリフ、動作が生き生きとしている。セリフ間違いも一切ない。おそらくここ1日ですごい練習を自宅でしたのだろう。
この先生役と犬の散歩エキストラは商工会青年部員。客席で一緒にみていた人が急に立ち上がり舞台に立つサプライズにはどよめきがおこっていました。
親子で参加してくれているお母さんは通行人の役と舞台助手的役割を。
買い物帰りの雰囲気はこれ以上ないぐらいのデキ。
ピアノも場面転換や効果音的に劇と溶け込んでいる。K-ABEさんのピアノはさすがだった。客席から心がほのぼのとしていく様子が伝わってくる。
不思議なことに進行がこれまでにないぐらいかみ合って進んで行った。
バンバン(フジモ)、サーベッシュ(おおたつよしさん)の掛け合いシーンが狙っていたとおりにお客さんの息抜きになって、笑わせてリラックスさせていた。
音響、照明、役者、ピアノ、背景全てが神がかり的にピッタリと展開されていく。
2ステージの息もつかせぬ展開が進んで行く。お客さんはもうあっちみてこっち見て状態。首が動く動く。見えづらい子供達も背伸びしてまで覗き込んでいた。
いつしか、窓の外にも人、人、人。すごい人だかりだ。
演じていてゾクゾクしてしまった。
舞台裏では台本を大きくコピーしたものを赤蛍光ペンで追っていくお父さん(さすが商工会事務局ですね。几帳面)
アツシ、タカノリ役の2人は実世界でも兄弟。息があっている。弟のやんちゃぶりというかボケ?を絶妙にフォローしつつもしっかりとリードしていた。
ホタル役も上手。なんで本番でこんなにできるのに練習ではできないのか不思議だ。幼稚園生のMいちゃんも衣装をきて参加。セリフはなかったが可愛らしくて目をひいていただろう。本当によく頑張った。
途中セリフが飛んだ子がいたが、なんとかアドリブで話しかけごまかすことに成功。
最後の歌と踊りのシーンでは、手拍子が自然発生。
カーテンコールも気持ちよく受け入れられた。
舞台中に外に出る人は皆無なくらい一生懸命に見ていただいた。
すごい舞台だった。本当にそう思う。演じる側の充実した笑顔とお客さんも満足感いっぱいの幸せな表情が何よりの証拠であった。中には涙ぐんでいた主婦の方もいらっしゃった。
この劇で訴えた笑顔、あいさつは先手必勝、環境、命の大切さなどメッセージもしっかりと伝わったようだ。わかりやすくてよかったという声をいただいた。
2ステージへの無謀なチャレンジがあったにもかかわらずわかりやすいという評価はうれしかった。
おおたさんと私以外は全員役者として初心者であったが、恐ろしいまでの舞台の完成度だった。2度と同じことはできないだろう。
半年前の子供達と確実に表情が違う。理念と方針をかえず信念を持って進んできてよかったと思っている。
あの場にいた全員にありがとうという感謝の念を改めて送りたい。ありがとうございました。
終了後には反省会をかねて食事会。ここでも表現座ルール。他人をいっぱい褒めてみようという決まり。一人ひとり意見・感想聞いてみるが、みんな心から褒めあっていた。すごく心地よい空間だった。
もう一度やりたいかとの問いには気持ちよく「はーい」と「フジモがどうしてもというのならやる」という大人びた言い方があったが、みんな芝居の魔力に魅せられたと思った。舞台を経験してまたやりたくなったようだ。
入団希望者も出てきた。うれしい!!!!!
こうしてまちづくり劇団の「表現座HOTARU」初公演が終わりました。
まちづくりは終わりませんこれからも表現の素晴らしさを伝えつつ活動していきたい。
お客さんとゾクゾクするほどの一体感でこんな感動はないっていうぐらいの舞台でした。参加者、関係者のみなさんありがとうございました。
書ききれないぐらいの思い出いっぱいの一日でした。