なんとはなしに

この頃、空をよく見上げている気がする。

見るたびに違う顔をしている。

人の心も瞬間的に、晴れたり曇ったりする。

本当に素早く。



だけど、

それでいいんだと、ようやく思えるようになった。

心に雨が降る日も、当然ある。

雷も。

いつも晴れていなくてはならない理由はない。


「黄昏時」という言葉が好きだ。



何か心の中で不穏な風が吹いているとき、

黄昏時を思い出せば、

何か、そっと許されるような気分にもなったりする。


そして、夜が来る。闇を引き連れて。

だが、闇は必ずしも、文字通りの

暗闇ではない。

少しばかりでも、

人びとが落ち着きを取り戻すことができるから。

心に薄明かりをともし、

愛する者の顔を思い浮かべたりもする。


空は変化し、

私たちも月明かりの中で表情を変える。


今夜は中潮の月だ。

25日、大潮・満月になる。


あなたが今、気持ちに余裕がないのなら

少しばかり、夜空を眺めよう。