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ファズ・フォルミダーブルブログ

ひとつの恋の終わり、女々しいと笑いたまえ

2013年07月28日 | Fuzzlog
約3年前の8月10日。

紺色の”ドイツ娘”がやってきた日の事を忘れないだろう。

実はその約一ヶ月前に納車された娘は、

あり得ないほどの不具合が頻発し(修理費は確か40万)、

修理に出して、すぐまた別の問題が発生するということを
僅か1ヶ月で3回ほど繰り返したおてんば娘だったのだ。

さすがに限界を覚えた僕は、全く同じ型式の違う車両に替えてもらった。

やっとマトモな車に乗れる。

やっと(8月10日)で、日にちを覚えていたのである。

その8月10日に来た車両は、

3年間、まったくなにも問題なかったかといえば嘘になるが、

最初に来たあれは何だったのか??というほど、”性格がいい”娘だった。



2013年6月。

事故に遭ってしまった。

そのせいで7月某日、別れを告げる日がやってきてしまった。

彼女を預けてあったディーラーで、写真を撮った。


そのときふと、

「まだ動くのだろうか?」と、

エンジンをかけたい衝動に駆られた。


キーをまわすと小気味よいエンジン音が聞こえた。

「まだ、生きているのだ。」

鼓動を再び打ち始めた心臓のように

こちらの呼びかけに、応答する。


しかし、程なくして、

エラー警告が発生する。

そして最後には、

「STOP」

と。

「もう、この気持ちは止めなくてはならないのよ。」

彼女は言うかのようだ。

「そう、望むと望まざるに関わらず。」

やはり彼女は心を決めている。


僕はすっかり言葉を亡くしてしまう。

「消えることになったら、消えなくてはならないのよ。」



なんだというのだ?

たった6万キロでかよ・・。



「まだ、何も始まっちゃいないよ。」

出かかったコトバさ。

だが、それはもう言わない約束だった。

暗黙のうちに彼女との間に交わされた約束なのだ。




まったく、なっちゃいないぜ・・。

ともかく言えることといったら、このドイツ娘には、感謝の気持ちしかない。

いろんなところに連れて行ってもらったよ。

想い出もたくさんできた。

アイスバーンでひやっとしたこともあったし、

首都高をビタっと走る足回りに感動したりもした。



そして最後には・・

僕の身代わりに、なってくれた。

今自分がこうしていられるのは、お互いにできた信頼の結果だと信じる。

本当に大事に乗って来たと自信をもっていえるし、

誰がなんと言おうとサイコーの車だった。



だから、「さよならはいわない」などというキレイごとはこの際よそう。

今までありがとう、そしてさようなら。

ホンキで愛してました。

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