
あなたがぼんやりと思い浮かべるものすべて
今朝の冷たい雨が
脳裏からきれいに消し去ってしまう
かすかに残る香りを
そこへとどめようとするけれど
うまくはいかない
それは例えば
手のひらの雫が
指の間からすり抜けるようなもの
あなたは言う
「待ってちょうだい」
私は言う
「明日は雨」
あなたは言う
「待ってちょうだい」
私は言う
「すべてはここへ」
たくさんの言葉、ひとつずつが
一羽一羽の渡り鳥へと姿を変え
山脈を目指す
あなたは待てという
言葉の渡り鳥は我先に飛び立つ
そこに滞在は許されていない
冷えきってしまった体は
みすぼらしいコートでは暖めきれない
私は何かをまた言いかける
だけど 思い直してそれをとどまる
とどまることは許されていないにもかかわらず
今朝の冷たい雨が
脳裏からきれいに消し去ってしまう
かすかに残る香りを
そこへとどめようとするけれど
うまくはいかない
それは例えば
手のひらの雫が
指の間からすり抜けるようなもの
あなたは言う
「待ってちょうだい」
私は言う
「明日は雨」
あなたは言う
「待ってちょうだい」
私は言う
「すべてはここへ」
たくさんの言葉、ひとつずつが
一羽一羽の渡り鳥へと姿を変え
山脈を目指す
あなたは待てという
言葉の渡り鳥は我先に飛び立つ
そこに滞在は許されていない
冷えきってしまった体は
みすぼらしいコートでは暖めきれない
私は何かをまた言いかける
だけど 思い直してそれをとどまる
とどまることは許されていないにもかかわらず