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ふたばの農業通信

福島県 相双農林事務所 双葉農業普及所より 双葉地方の農業情報を発信します。

アイガモ農法技術研修会が開催されました

2011-02-24 | ニュース

 2月8日(火)に農業総合センター会議室において、農業総合センター有機農業推進室主催による、アイガモ農法技術研修会が開催されました。研修会には、県内アイガモ農法導入農家及び導入志向農家や市町村担当者、JA担当者など40名ほどが出席しました。

 研修会では、「水稲有機栽培におけるアイガモの飼育法の要点について」と題して、当普及所の永山所長から講演があり、アイガモの飼育法についての基本から低コストを含めた飼養管理技術についての説明がありました。

 専門的な見地からのアイガモ飼育法の貴重な話しに、目から鱗との感想が出されるなど、たいへんに有意義な研修会となりました。


「育苗をしない稲作」の確立に向けて

2011-02-16 | ニュース

~浪江町立野地区の冬季代かきによるV溝乾田直播の事例~

  浪江町立野地区は、福島県浜通り地方に位置し、冬は雪が殆ど降らず、3月からは春の陽気で暖かく、秋もゆっくり訪れ、稲作には作期幅が比較的長くとれる気象条件の地域です。
立野地区では、冬季代かきによるV溝乾田直播栽培を平成21年度から試作的に始め、成績が良好であったことから平成22年度はV溝播種機を導入し面積を拡大しました。
 過去においても乾田直播栽培を試みましたが、出芽不良、鳥害、雑草防除の課題解決が残り、生育が不安定でした。
しかしここ2カ年冬季代かきによるV溝乾田直播栽培に取り組み始め、出芽がたいへん良く揃い、収量は安定して目標数量を確保し、鳥害はやや見られたものの生育には殆ど影響が無く、雑草の発生は問題無い程度に抑えることができました。
 育苗をしない稲作は、今後主流になることが期待される技術です。当地域で取り組まれた事例を紹介しますので、近隣地域での新たな稲作の発想の転換に活用してもらえればと思います。

◆平成22年度 冬季代かきによるV溝乾田直播栽培の流れ

<写真1> 平成22年2月: 冬季代かき湛水の様子
冬季に均平になるように湛水代かきをします。当地区は冬に積雪が無いため作業はいつでもできます。冬水田んぼ、環境保全型農業にも役立っています。

<写真2> 平成22年4月上旬: 播種作業の様子
1日に 面積3.5ha~5haの播種作業ができます。作業は、トラクターの操作と、種籾と基肥肥料を詰め込むだけで、重いものを持つことはありません。

<写真3> 平成22年5月上旬: 出芽の様子
種籾はV溝の深度5cmの深い位置に播かれるため、芽が出るのを今か今かと待っていても中々出てきません。ところが出芽が始まりだすと一斉に揃って出てきます。地温が上がらず出芽が遅れることもありますが、待っていればいずれ芽がでてきます。慌てる必要はありません。
【ポイント】出芽には地温の他に土壌水分が重要なカギとなります。

<写真4> 平成22年6月上旬: 苗揃いの様子
露地での無加温育苗が終わりました。苗の揃いは順調でした。イネ3葉期以降になれば入水します。
【ポイント】イネがここまで生長するまでの除草対策が重要なカギとなります。

<写真5> 平成22年6月中旬: 分げつ期の様子
通常の移植栽培は畦間30cmですが、V溝乾直は畦間20cmと狭いため、分げつ期のイネの姿が少し違います。
【ポイント】生育ステージが移植栽培と違うため、雑草防除と肥培管理のコツを覚えることが肝心です。

<写真6> 平成22年7月中旬: 幼穂形成始期の様子
条播により、畦間20cm間隔、1m当たり約70~75粒、播種深度5cmで4月上旬に直播きで育ったイネの姿です。
【ポイント】この段階までの生育量が確保できれば収量が期待できます。

<写真7> 平成22年9月上旬: 登熟後期の様子
倒伏には強く、ほ場は固まっているため、刈り取り作業はいつでも入ることができます。本年度は「収量がいくらとれるのか」「品質はどうか」期待が高まりました。結果は目標を超えることができました。

◆今後に向けて
ほ場も様々な条件があり、除草剤のタイミング、肥培管理、播種量が違うと微妙に生育や品質に影響を及ぼすことがわかってきました。
当地域における作業体系の流れや生育ステージはほぼデータが整理されてきたので、今後は1つ1つの成功事例や失敗事例を参考に詳細な技術を整理しながら、将来には「育苗をしない稲作」として完成された技術に確立し、誰でも取り組める栽培方法にしていきたいと考えています。


浜野ファームの連作大豆の雑草対策の取り組み

2011-01-13 | ニュース

~牛の放牧により雑草がきれいに無くなった大豆ほ場~

 浜野ファームは、福島県浜通り地方にある双葉郡双葉町の海岸沿いで大豆を栽培しています。近くには海水浴が楽しめる海浜公園があり、夏の日中は気温が上がるものの夜は浜風で涼しく、冬は日照が多くて温暖な地域です。

 浜野ファームでは、大豆の作付が連作となり畑地雑草の発生が増加してきたほ場が出てきたため、雑草対策について検討しました。
 水田ではあるものの水の便が悪いほ場があり、水稲とのブロックローテーションができないため、一年生牧草を活用し、輪作を試みました。

 平成21年5月に牧草を播種し、生育が大きくなるとともに、ほ場を何ヵ所かに区切って電気牧柵を回し、各区画に順番に牛を放牧しました。牛は、牧草を食べるとともに生えてきた雑草の柔らかい芽を食べてしまうため、その後の雑草の発生は殆どありませんでした。

 

放牧中の雑草状況
<写真1>平成21年8月:放牧中の雑草状況(過去に大豆を3年間連作したほ場)

放牧の様子
<写真2>平成21年8月:電気牧柵を回し、ローテーションしている様子

 

 放牧実施の翌年(平成22年)に大豆を播種し、除草剤は播種直後に土壌処理剤を散布しました。除草剤はこの1回のみでしたが雑草の発生は少なく、8月上旬では畦畔雑草以外は見られませんでした。秋になっても雑草の発生は少なく経過しました。

 

放牧翌年の大豆ほ場の雑草状況
<写真3>平成22年8月上旬:大豆ほ場の雑草状況(放牧実施の翌年)
2年前に雑草が多発したほ場とは思えないほど雑草の発生が少なかった

 

 毎年秋になると大型雑草を手で抜き取る作業に悩まされてきましたが、前年放牧を実施したことで大豆ほ場の雑草は見違えるくらい少なく、手取り除草をしなくても済ませることができました。

 

大豆収穫前の雑草発生状況
<写真4>平成22年12月上旬:収穫前の雑草発生状況
大型雑草の手取り作業の必要がないほど雑草が少なかった

 

雑草が少なく収穫が容易
<写真5>平成22年12月上旬:雑草が少なく収穫が容易です

 

 浜野ファームで試みた雑草対策は、初年目の平成22年は十分な成果がありました。
 今後も大豆の連作障害回避と雑草防除対策に、この方法が有効かどうか、継続していけるのかを検討していきます。


双葉地方堆肥利活用研修会を実施しました

2010-12-20 | ニュース

 12月15日(水)にJAふたば指導経済部南部営農センター研修室において、双葉地方の有機・特別栽培生産者や関係機関を集めた堆肥利活用研修会を開催しました。

 研修会では、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 資源循環・溶脱低減研究チームの加藤直人チーム長より「家畜ふん堆肥中の肥料成分を考えよう」と題して講演をいただき、その後、質疑応答・情報交換を行いました。

 生産者にとって日頃関心の高い堆肥についての研修会であることから多くの出席者があり、質疑応答では日頃使用している堆肥の品質についての質問が相次いで出されました。

 安定生産と安心・安全で良質な農産物生産のためには、適正な堆肥の利用が重要であるとの認識が深まり、土づくりや堆肥を改めて考えるきっかけとなる意義ある研修会となりました。

 
加藤チーム長による講演の様子


上海・香港に向け、大熊町の梨が出発しました

2010-12-03 | ニュース
 12月3日、JAふたば大熊町梨選果場において、「上海・香港向け梨」出発式が行われました。

 アジアの富裕層に向けた高級農産物として、JAふたばでも今年から輸出に取り組んでいます。上海・香港へ向けた輸出で、ブランドかぼちゃ「黄色いハート」に続く2品目目となります。

 今回輸出された梨は、「秋峰」という品種です。秋峰は、大玉で貯蔵性が高く、国内でも春まで美味しく食べられる品種です。寒い冬に、暖かい部屋で食べる梨も美味しいものです。ぜひ食べてみてください。

相双地方有機生産者等交流会を開催しました

2010-11-30 | ニュース
 11月18日(木)に県富岡合同庁舎第1会議室において、有機農産物の流通の開拓と販路の拡大を目的に、相双地方の有機生産者や実需者、関係機関を集めた交流会を開催しました。

 講演では、まず、県オーガニックコーディネーターの南埜氏から「有機農産物の現状と将来像」と題して、有機農産物の流通や異業種との連携による加工品開発の現状についての説明があり、次いで、あいづ有機農法生産組合の小山氏からは「有機栽培米による加工に向けた取り組み」と題した、現在、話題となっている6次産業化につながる米の加工の取組みの話しがありました。

 講演の後、講演者と有機生産者等との情報交換会が行われ、生産者からは流通が求める作物や生産規模などの質問が積極的に出されました。
 交流会終了後も生産者と講演者との語らいも続くなど有意義な交流会となりました。

農産物品評会・ふるさとまつりが行われます

2010-11-05 | ニュース
 各町村で農産物品評会・販売会などが行われています。
 5日は大熊町・双葉町で農産物の審査会がありました。今年の異常気象にも負けず、力作揃いの農産物でいっぱいです。

 今週末は、この農産物品評会・販売会も含め、各町でイベントが行われます。是非おいでください。

1.第13回広野町収穫祭
 出店などがあります。広野町産小麦を使ったうどんの販売があります!
日時:11月6日(土)9:00~15:00・7日(日)9:00~12:30
会場:広野町公民館駐車場内

2.大熊町ふるさとまつり
 ヒーローショーや歌謡ショー、梨の皮むき大会などが行われます。
日時:11月6日(土)・7日(日)9:30~16:00
会場:大熊町スポーツセンター

3.双葉町農産物品評会・町内企業展
 農産物品評会のほか、でんがくコーナーや新そば!手打ちそばコーナー、出店などがあります。
日時:11月6日(土)・7日(日)9:00~15:00
会場:双葉町体育館

農薬適正使用アドバイザー認定研修・認定試験が実施されます

2010-10-18 | ニュース
 「農薬を使用する者が遵守するべき基準」に関して研修・試験が実施されます。合格した方は、福島県より「農薬適正使用アドバイザー」の認定を受けます。
 20歳以上の農薬を使用する方が対象になります。これを機会に是非農薬について勉強してみてはいかがでしょうか?
 興味のある方は、双葉農業普及所または町村にお問い合わせください。
 日程・会場等は下記のとおりです。

1 日時および場所
(1)平成22年11月15日(月)10:00~15:50
   福島県農業総合センター(郡山市日和田町高倉字下中道116)
(2)平成22年11月25日(木)10:00~15:50
   福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター(会津若松市一箕町大字鶴賀字下柳原88-1)

2 申込期限 平成22年11月8日(月)

平成22年度第4回技術移転セミナー(アスパラガス)のお知らせ

2010-10-12 | ニュース
 農業総合センターでは、研究成果等から組み立てた技術を県内へ技術移転・普及するため、農業者、農業団体等を対象として研究担当者による技術解説と皆さんとの意見交換を内容とするセミナーを開催しています。
 今回、浜通りではアスパラガスの生産性向上を取り上げます。
 是非ご参加ください。

■日時
 平成22年10月21日(木)13:30~15:30
■場所
 南相馬市小高生涯学習センター「浮舟文化会館」第2研修室
 (南相馬市小高区本町二丁目89-1)
■内容
 ①「県オリジナル品種の特性をふまえた多収栽培」について
 ②「アスパラガスの重要病害虫とその防除対策」について
 ③「浜通りにおけるアスパラガス生産技術~浜地域研究所における試験研究から~」
 ④質疑応答・意見交換

 参加費は無料です。
 会場準備のため、必ず10月18日(月)までに申し込んでください。

[申込み先]
 農業総合センター企画経営部企画技術科(担当 円谷)
 電話024-958-1700 FAX024-958-1726
 電子メールtsumuraya_satoshi_01@pref.fukushima.jp

純度100%の福島県オリジナル品種「会津のかおり」(川内村)を収穫しています

2010-10-07 | ニュース

川内村のそばの収穫が9月下旬より始まりました。
本年度は、村内の全地区ですべて福島県オリジナル品種「会津のかおり」が作付され、純度100%の「会津のかおり」のそばが収穫されています。
10月11日(祝日)に開催される「かわうち祭り」で新そばを食べることができます。

【8月下旬】

開花盛期には、ミツバチが花から花へと楽しそうに飛んでいました。
受粉は良好です。


満開のそばの花は、白い雲の上にいるような感じがします。

【9月中旬】

福島県オリジナル品種「会津のかおり」がもうすぐ収穫できます。

【10月上旬】

一生懸命にそばを栽培しました。
愛情を込めて丹念に収穫されています。