ふみ日記

観たいものがどんどん増えてえらいことに。

「ルル~破滅の微笑み~」

2005-04-28 | 舞台・コンサート関連
「ルル ~破滅の微笑み~」
'05年4月14日(木)19:00~ @世田谷パブリック・シアター 2階B列 Aちゃんと

  構成・演出:白井晃
  ルル:秋山菜津子
  シェーン/ジャック:古谷一行
  アルヴァ:増沢望
  ゲシュヴィッツ:根岸季衣
  シゴルヒ:浅野和之
  シュバルツ/看守他:みのすけ
  エスツェルニー/看守他:岸博之
  ロドリーゴ/クング・ボディ:石橋祐
  フーゲンベルク/舞台監督他:まるの保
  ゴル/フェルディナンド他:小田豊

チラシやポスターで見かけるたびに、秋山さんの美しい背中が気になって仕方がなかったんです。
観られてラッキーでした(^^)
入口には演出の白井さんがいらっしゃいました。

舞台は黒のステージの上に白く細長いステージが客席にまで張り出してました。
前の方の席をかなり潰したようです。
舞台装置はとてもシンプル。
照明が素敵だったなぁ。
最初舞台スレスレまで下ろされていたライト(蛍光灯?)がゆっくりと上がっていくところから舞台が始まるんです。
途中でもシーンに合わせて数種類のライトが上がったり下がったり…。
退廃した時代の雰囲気もよく出ていて、すごく舞台にあってました。

そして、ステージ奥にはスクリーンがあって効果的に使われていました。
シーン(ACT)とシーンの間にコンテンポラリーダンス(IMAGE)が挿入されていて
時間の流れとか人間関係の移り変わりをあらわしていたと思います。
そのコンテンポラリーダンスに合わせてスクリーンに映像が流れたり
(この映像がモノクロでカッコイイ)
場面の説明が入ったりしていました。
この説明がなかったら、原作も何も知らない私にはちょっと厳しかったかも。
井手さんが振付けたコンテンポラリーダンスは、嫌いな種類のダンスではなかったけれども単調な感じもしました。
イデビアン・クルーのダンスを観たのははじめてなので、いつもがどんななのかはわかりませんが。

ルルって、他人から言わせると人を破滅させる悪女といわれてしまうような女性なんですけど、
本人はいたって無邪気に自分に正直に生きているんですよね。
特に前半は、ルルが破滅に導いていくというよりは、ルルに惹かれた人(男女問わず)は自滅しているんじゃ…と思ってしまいました。
それでも離れられない魅力的な女だったんでしょうね。
でも、あくまでもルル本人は無邪気なんですよね。
人を利用しているという意識はなかったんじゃないでしょうか。
ただただ自由に不自由なく暮らしたいと思っていただけで。
でもシェーンを誤って殺してしまって歯車が狂ってしまう。
ゲシュヴィッツの異常なまでの献身さで脱走することに成功しすけど
明らかに自分が助かるために人を利用するようになっていきます。
特にゲシュヴィッツが哀れでした。
そして転落するのはあっという間。
娼婦となって客をとるようになって、切り裂きジャックに殺されてしまう。
あまりに突然の幕切れにしばし呆然としてしまいました。
切り裂きジャックが切り取ったのは…子宮?
うーん。重い。重いすぎる。

秋山さんはとても美しかった。
声も可愛らしく、途中で披露された歌声もとてもキレイでした。
男女を問わず、多くの人を魅了し続けたルル、説得力ありました。
フェロモン全開!って感じではなかったんですけど
衣装はシンプルなものが多く、ドレスも素敵。
なんといっても背中が美しい。
でも、これらの衣装たち、1階席前の方で見てたら目のやり場に困る場面なかったかな(^^;

古谷さんは渋かった。声が素敵なんですよ(私って結構声フェチか?/^^;)
シェーンというルルが愛した男性と、その面影を残した切り裂きジャックの二役で。
シェーンがまた自分勝手な男で。
富と権力を持ち合わせた男の自分勝手さが良く出てました。

あと気になったのは、シゴルヒ。
ルルの父親でありながら最初の男。
誰よりもしたたかでしたよね。生き残ったのも彼だけだったし。
浅野和之さん、存在感ありありでした。

テーマが重く、理解に苦しむ(時代背景とかルルの生き方とか)ところもありましたが
演出も面白かったので観られてよかったです。
コメント
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