カチカチ山？

　暑さも一段落です。
　友人の寺さんがゴムボートを新調されたとのことで、試運転で涼みませんか？とのお誘いを受け、船釣りの竿と仕掛けを積み込んで木曽川河口から伊勢湾まで川を下ることとなりました。
　車を河川敷まで下ろせる適当な場所を見つけ、ゴムボートに電動ポンプで空気を入れます。

　私は知らなかったのですが、海事法？とやら改正で、一定の船の大きさで2馬力以下の船外機の場合は、船舶免許も船検も不要となったとのことです。
　加えて、沖の制限も無くなったとか・・・

　へぇ～　そうなの？　と言うことは 船舶免許のない私でも寺さんのように船長になれるの？　　（今度は船に熱中？やばいやばい）
　沖の制限がないということは、何処までも沖に出ても違反にならんの？　と尋ねると

　そう　免許も検査も無しで、何処まででも行けるよと　寺さん

　中国でもアメリカでも法令上は行けるとのこと
　本当か、すごいじゃないか　今度は船だと　むくむくと関心が高まります。

　寺さん・・・「けど、行けんけどね」

　数キロの速度で、燃料も数リッターでは・・・そりゃそうだ（笑）と私

　船出の前で浮かれ、気分は上々
　ゴムボートは4人乗りと言うことですが、これは4人の乗っても「沈まない」の意味で、決して4人が快適に乗れるといったレベルではありません。

　海水浴でよく見かけるビニールボートとさほど変わらない大きさのボートに熊のような体躯の2人が乗り、エンジン船外機を付けて船を水面に浮かべ、タイミングを見計らって飛び乗ります。

　船外機のスターターのロープをぐいっと引っ張ると勢い良く２サイクルエンジンがうなります。
　
　いざ！出航 伊勢湾へ！
　トムソーヤになった気分です。

　
　2馬力の船外機でも川の流れに乗って、結構なスピードが出ます。
　出航した橋もみるみる小さくなっていきます。

　快適だな～と悦にいっていたのも束の間、1時間程下った辺りから、なんだか様子が変です。
　なんだかゴムボートの縁が柔らかくなったような気がして・・・
　ボートが前後に少し折れだし、中央が沈んでいます。
　へりのゴムがふわふわで、気が付けば水も入っています。

　電動ポンプで空気をいれたあとに、足踏みのポンプで船が固くなるほど空気を追加するのですが、ポンプの具合が悪く十分な空気が入らなかったけど見切り発車したのです。
　加えて、ゴムが新品で多少伸びたのか・・・
　「遭難」の2文字が頭によぎりますが、大人物に見せたい見栄とやせ我慢で寺さんに命を預けることとしました。

　どうやらカチカチ山の「泥船」に乗り込んだのか・・・。（爆笑）

　寺さん　「空気足りんね～ 危ないで今日はここまでとして帰ろう」

　船は一転川上に向かって登ります。
　スピードも激減し、エンジンが唸っていても歩くスピード程しかでません。
　
　私「空気持つかな～」
　寺さん「うん 分からんね～」

　おい！大丈夫か！

　下の寺さんの表情が眠そうなのか、眩しいのか、それとも不安なのか・・・
　ポーカーフェイスなので分かりません（笑）

　ま、結果は無事帰ってこれたのでこんな戯言を書いているのですが

　大漁を期待していましたが、竿を出すこともできず釣りは次回ということで

　寺さんありがとね～　楽しかったよ～

　今度は知多半島の山海沖でカワハギに挑戦しましよう。


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