▲日本棋院のホームページより
【ノゾキに継ぐか、継がぬか、それが問題だの巻】
■「ノゾキに継がぬバカはなし」という碁の格言があります。
ノゾキを打たれたら、ツギが無難ではあります。
ツギを打たないと、一気に敗勢になることが多いからです。
ツギを打たないと、一気に敗勢になることが多いからです。
■明治初期最強の本因坊秀甫だったと思いますが、
相手がツグか、ツガぬか、長考していたら一喝!
「(天下の大名人の私が)ノゾキを打ったのに、それを考えるとは何事か」
と激怒した「事件」があります。
■対局する双方にノゾキは怖い手です。
ツギではなく、反発して逆襲されることが多いのです。
プロはまずはツギません。
反発して大きな戦いに入るとしたものです。
わたしも、継がない手を最初に考えます。
そうして何通りかヨンで、反発がムリなら継ぎます。
◇
■別の同好会(別荘)の帰り道のことです。
カベ突破道場高弟の一人、Sさんといっしょでしたが、
初段を目前にしている彼の弱点を指摘させていただきました。
「狙いのみえないノゾキ」
■新聞碁の棋譜並べを熱心に取り組み、この2年ほどの間に
「平均的棋力の5級」から「免許皆伝の初段」目前へと駆け上がった方です。
■棋譜並べは、級位者にとっても一番いい勉強法です。
形や筋が自然に身に付くのですから。
ただし、形だけをマネするとアダになる手があります。
その一つが「ナマノゾキ」です。
Sさんが「とりあえずノゾいておこう」と考えて打つことが時々あります。
その「手付き」がまた「とりあえず」を感じさせるもので「ツイでくれるだろう」と甘く考えているのが分かります。(どうせ打つなら堂々と! 相手は迷います)
この瞬間、「Sさん、あなたは一気に敗勢になりますよ」
と、わたしはほくそ笑み、反撃が始まるのです。
◇
■次回から、ノゾキを巡る攻防を、AI実戦譜から見ていきましょう。
狙いのある強烈な手です。
これが見えるようになると実戦がより楽しくなります。