【並べるだけで強くなる ~ 虎丸の自選自解好局集より の巻】
*コラムより(抜粋)
対局中、私(虎丸)が音をたてず に打つことが、
話題になったようです。
対局相手への気遣いで そうしている面もありますが、
元々の理由は微妙に異なります。
子供の頃、気弱で人を怒らせるのが怖かったのです。
真剣に考えている時に 碁石をジャラジャラさせたら
腹を立てる人もいるでしょう。
相手を怒らせないよう静かに打つ習慣が、
今でも続いているというのが、本当のところです。
相手が離席中に、おやつを食べるのも同じ理屈で、
万一、碁盤に食べ物をこぼしてしまったとしても
不快な気持ちにさせることはありません。
◇
気合いを入れて、バシッと盤面に石を打ち付ける。
そういう光景は、めっきり見なくなりました。
「石音高く打つ」のは三十代以上の“旧人類世代”。
日中韓の十代~二十代のプロのなかで、
そういう所作はもはや皆無と言っていいでしょう。
「脚付き碁盤」ならともかく、「折り畳み碁盤」なら
置いてある碁石がバラバラになってしまい、目も当てられません。
皆さん、力いっぱい叩きつけるのは、どうぞ、おやめくださいね。
▲親指と人差し指でつまみ、クルッと半回転させ、人差し指と中指にはさむ
そうして、エレガントに「そっと置く」のが、いまどきの作法
それ以前に、石を持ったまま考えたり、ジャラジャラさせたりは、いだだけません