【わたしたちにとっての究極の選択 の巻】
この言葉は、普通
「天災は忘れた頃にやってくる」
といわれているが
寺田寅彦はそういう風には
いってはいない。
寅彦の出身地・高知の旧居跡に
建てられた碑文には
「天災は忘れられたる頃来る」
とある。
大きな自然災害や関連災害があるたび
その対策が叫ばれるのであるが
一時しのぎの糊塗に終わるのが
常であり
抜本的な対策が講じられるのは
稀である。
惨禍が風化し
忘れた頃にやってきては
またそれが繰り返されるのが
何か肝心なことを忘れた政治による
人災なのである。
原発しかり、疫病しかり。
そして今日の混迷。
健康と経世財民の間にあるものは何か?
人の世のほんとうの危機とは何か?
究極の選択に、あなたの答えは?
寺田寅彦(明治11~昭和10年) 物理学者、随筆家、俳人。夏目漱石の最古参の弟子でもあり、科学や音楽などでは漱石が教えを請うていたとされる。
経世済民(けいせいさいみん) 中国の古典にある言葉で「よをおさめ、たみをすくう」の意。略して「経済」とも言うが、英語「Economy」の訳語としての「経済」とは異なり、より広く政治・統治・行政全般を指していた。