囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

草牢屋に充つ

2020年12月22日 | 雑観の森/芸術・スポーツ

 

文壇本因坊の著書を孫引きとして その9 の巻】

 

 

よき政治のために

巷には犯罪がなくなり

空っぽな牢屋は

ぼうぼうたる草に埋もれるーー

中国の故事である。

草に埋もれるのが

国会議事堂ではなく

牢屋であった、

というのがミソである。

 


もうひとつ、鼓腹撃壌の歌がある。

鼓腹は、満腹になり腹つづみを打つこと。

は木造の履物で、中国の上代はいて遊んだ。

政治の目は、人民の上に行き届き、世は平和にて、

人は飢えを知らず、歌を歌って過ごし、

そうしているうち、善政のありがたさを忘れた。

 


本当に そんな世の中があったものか。

善政のありがたさを忘れる」ということが。

これこそが本当の善政なのだろう。

だが今は政治そのものを忘れようとしている。

腹を立てても、衛生によくないことを

多くの民が知っているからである。

悪政もまた、庶民に政治を忘れさせる。

 


狸の腹つづみ」という碁の手筋がある。

相手の腹を叩いて心地よい音を発する気分から

そう名付けたものであろう。

我らの楽しき狸は、一体どこにいるのだろう?

草ぼうぼうで人っ子一人いないの中か、

うまい汁を吸わんとする亡者の棲む議事堂か。

 

 

 



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