囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

初段突破の秘策7

2023年01月19日 | 【カベ突破道場】 全局




白は、

三つの石で

10目近い形



まず死にません



三つが3線の低い位置ですが

安定感がありますし

小さく封鎖される心配もありません





もう、これ以上は上辺を打たず、

下辺から中央あたりに目を向けましょう

碁盤は広いのです




右下隅の星はどうでしょう?



    *



この形は、

同好会高段者Iさん(故人)に打たれたもの。

「石三つでゆったりヒラく形」で、しかも

「10目近いスペース」がのぞめます

〝一石二鳥〟とでもいいましょうか……



少ない石数で

二眼できるスペースが確保できれば

効率の良い配石といえます





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初段突破の秘策6

2023年01月14日 | 【カベ突破道場】 全局

 

辺で6目以上確保した形は

攻撃しても、ほぼ死にません

 

白もこのあたりは打たないようにし

黒も攻撃はいったん中止しましょう

 

生きている石の遠いところが

価値のある場所です

 

下辺、右辺に目を向けましょう

ここは〝手抜き〟する局面です

とりあえず右下隅はどうでしょう

 

部分にとらわれていては

全局を見失いますゆえ

手抜きで全滅しなけりゃ

多少の犠牲はやむを得ない

と見なければなりません

 

     *  *  *

 

〝なんちゃって初段突破シリーズ〟を

およそ1カ月ぶりに再開します

 

AIが新たな地平を切り拓いたように

あるいは、

江戸時代の碁が見直されたように

伏魔殿たる碁の世界には

解明されていない未知の分野が

数多く残っています

 

考えるヒントとして、

こんな見方もあるのか、

ぐらいに眺めてみてください

 

自分の碁は、自分で考えるものだ

と、わたしは思っています

もういちど、なんちゃって――

 

 

 

 

 

 

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初段突破の秘策5

2022年12月13日 | 【カベ突破道場】 全局

 

「攻めることが出来る白石」の三回目

この項の最後とします

 

     ◇

 

白の二間ビラキです

中央に出口があり

また死ぬことはなさそうです

ただし4目しかなく、とりあえず1眼確保

いちおう一息ついている、という感じ

 

5目以下の小さな地の形は

周囲に敵の石がくると

とたんに不安定になります

 

封鎖されるのが最も危険で

場合によっては、死です

 

 

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初段突破の秘策4

2022年12月12日 | 【カベ突破道場】 全局

 

「攻めることが出来る白石」の続きです

 

     ◇

 

この白ふたつは

安定していません

 

2目ありますが

眼はひとつ

 

封鎖できれば

死んでしまいます

 

殺さずに、攻めて、得をするのが

本線となります

 

     ◇

 

しかし、

黒の「10の三」の着点(右上隅星からのツメ)が

果たして最善だったかというと、疑問が残ります

これはシリーズ後半のテーマとします

 

 

 

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初段突破の秘策3

2022年12月12日 | 【カベ突破道場】 全局

 

手始めに

イロハのイからまいりましょう

 

    ◇

 

石数の不自然さはご容赦いただくとして

しかし黒の石数と白の石数を数えることは

とても大事なことです

 

あなたは指揮官、碁石は手勢です

たとえば図は、黒は5万の大軍

対する白は1万しかいません

黒は総攻撃のチャンスです

まずは、ひとつパンチを入れましょう

 

     ◇

 

白は、上辺を手抜きしています

 

黒は、

この白石一個を

攻めの対象としますか?

攻めないで、見過ごしますか?

 

このままで白には「眼」がありません

たとえ、6の五に1間飛んでいても、

「眼」はなく、生きていません

 

二つ眼をつくることができそうか

あるいは、スペースが広いか

そのどちらでもなければ

生きていませんから、不安定です

たとえ殺さなくとも、脅して打つうちに

自然と流れが良くなります

 

     ◇

 

石数の差や石の配置を度外視して

手筋のような形だけをうろ覚えで

戦いを仕掛けたとしても

上手くいくわけはありません

 

また、序盤は石が混雑しておらず

ダメヅマリが起きていないため

手筋本のような技がかからないことが多いのです

 

序盤から中盤にかけては

大きなパンチを振り回さず

ジャブの連続で有利な流れを作りましょう

 

もしこれが置碁であれば、

黒は、あらかじめ有利な条件を与えられます

五子のリードは、六十目以上と思ってください

粘り強く打てば、誰が相手でも

絶対に負けない、との強い気持ちで

五子局に挑みましょう!

 

 

 

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初段突破の秘策2

2022年12月11日 | 【カベ突破道場】 全局

 

 

ヒントの続きです

 

白1は、

右上隅の黒の星にケイマガカリしました

 

黒2は、いろいろありますが、

ケイマジマリでしっかり受けておきましょう

 

これをオススメします

碁盤の左上4分の1には黒石しかなく

大きな三角形が幾つもできます

白はこの段階で連携が不十分です

 

白3も、

右下隅の黒の星にケイマガカリしました

戦場を拡大し、足掛かりを付けます

 

黒4も、ケイマでしっかり受けておきます

 

ここまで、黒の構えに隙がなく

あらかじめ置いている5子との間で

大きな三角形が幾つも描かれ

大きな所を逃さず打っており

打ちやすい流れを保持しています

 

白もとりあえず、

右半球にふたつ石を置いて、

戦いの手掛かりを残しています

安定してはいませんがそれはそれ

可もなく不可もなくでしょう

 

     ◇

 

ここで、白5と左下隅にケイマガカリしました

あなたは、次の黒6で堅実にケイマ受けとしますか?

それとも、白3と白5の間に打ち、白の分断を図りますか?

白石ふたつの間には、7間の隙間があります

 

ここが最初の運命の分かれ道です――

 

 

★答えは、

これからの投稿により見つけてください

分からなければ碁会場で直接申し上げます

わたしの研究会にお越しください

ただし〝初段にどうしてもなりたい級位者限定〟

と、させていただきます

 

 

 

 

 

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初段突破の秘策1

2022年12月11日 | 【カベ突破道場】 全局

 

【十年やっても初段になれなかった人のために

~漂流男のナンチャッテ・ミニアドバイス】

 

 

黒番=1級

白番=五段

 

五子局です

初段になれるか、なれないか、

黒の次の一手で、

なんとなく分かるような気がします

 

正解は、

いろいろあるでしょう

わたしにも分かりません

 

あなたは、

どういった構想を描いて

次の一手を打ちますか?

 

 

★次回以降の投稿で、

わたしがオススメしたい序盤の考え方、見方を提案します

答えらしきものは、最後にあなた自身が考えてください

こうすることで、碁盤の見え方が変わってくると信じます

 

★考えるヒントを一点のみ提示します

「石を攻める」ということを

「石を取ること」と考えてはいけません

封鎖したり、自陣を膨らませたりして、

有利な状況を作りましょう

序盤から一発ノックアウトを目指すことはリスクが大きく

下位者に通用しても、上位者相手ではムリです

まずは碁盤を大きくとらえ、大局的な視点を持ちましょう

柔らかい攻めで、大きく攻めて、有利な展開を目指しましょう

その結果、相手の石が死んでしまうこともあります

 

 

 

 

 

 

 

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温厚な上手の困らせ方

2021年08月08日 | 【カベ突破道場】 全局

 

▲昨日の研究碁会で

4級と一緒に研究した一局

部分にこだわらず碁盤全体を見る訓練に最適の棋譜

Nさんは入会時、わたしが試験碁を担当して

8級と認定した方です

やりようによっては

近いうちに初段になられるでしょう

「研究会場で一局、碁会場で一局」を繰り返せば

そう遠い先のことではない、と確信します

 

 

 

上手は「うわて」とも

「じょうず」とも読みます

下手にとっては先生であり

しかし、いずれ越えるべき相手

 

手合割は、9子局から始まって

最後は3子局まで進むことができれば

いずれ互角に近づきます

 

3子局は、

「黒番」としては

ひと隅を「白番(上手)」が先着するために

新しい世界の扉を開くことになります

 

写真の棋譜は

級位者が初段に、

そして三段になるための訓練用の一局

「簡明に勝てる3子局」です

 

この棋譜のポイントは

白が「空き隅」「小目」に打ってきたとき

黒はカカらずに大場に先着するところ

どんどん足早に大勢を占め

白の石数が少ないうちに

攻めと守りを兼ねた好手を

連発していくのです

 

棋譜は「90手」ほど進んだところです

碁盤全体を見渡してください

黒の地(陣地)は約60目あり

しかも弱い石はありません

 

白は全部あわせても約30目

中盤で30目の大差です

よほどのことがない限り

黒は負けようのない碁ですね

 

この譜を何度も何度も並べてみると

有段でも上のクラスに達するといいます

(宇宙流・武宮正樹九段も太鼓判を押します)

 

碁は左脳で「考える」だけでなく

右脳を使った「感覚を磨く」のが肝要

つまり指先で考えるとでも

いってもいいかも知れません

考えないのもいけませんが

考えすぎるのもいけません

 

さあ、並べましょう

あれこれ考えるのは

もっと先のこと

級位は初段に

初段は三段になるために

四の五いわずに

黙って並べましょう!

 

 

 

 

 

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3子局/江戸の名人の場合

2021年07月05日 | 【カベ突破道場】 全局

 

お待たせいたしました

いつもの懐古趣味にて

お江戸の名局の登場です

いにしえの名人の技を

とくとご覧くださいませ

 

 

 

勝負を急がず、ゆっくりと差を詰める

 下手打ちの見本、大きな緩攻でリズムを奪う の巻】

 


193手完、白中押し勝ち

 

 

三子 屋良里之子

白  本因坊道知

 


白はアキスミではなく

星へのカカリから打ち始める

この趣向が黒の動揺を誘い

白の緩急自在の打ち回しに

黒が次第に追い詰められていく

 

▲名人は、アキスミではなく、白1と星にケイマガカリ

黒2と手抜きで反発したものの、白に両ガカリされ、腰砕けの感あり

 

▲定石を外して黒に自力で考えさせ、結局は動揺を誘発する結果に

 

▲白17とアテて形を崩し、断点をはっきりさせて白19と補強

黒のヨミ筋を外し、石のリズムを狂わせるのが、上手の態度である

黒の直線的な打ち方に比べ、白の柔軟さが目立ち

中盤には大きく形勢が傾いていく(以下、略)

 

 

 

本因坊道知(どうち、元禄3年~享保12年) 生国は江戸。本因坊道策門下、五世本因坊、名人碁所。法名は日深。道知は、実力十三段とされる元祖棋聖・道策の実子であったとの説もある。十三歳から御城碁に出仕していた道知だが、二十歳の頃には琉球国中山王の貢使随員・屋良里之子に三子置かせて快勝している。将棋も六段格で、七段上手・因理に香落ちで勝った際には、観戦していた大橋宗桂、安井仙角らから「盤上の聖」と絶賛された。

 

 

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3子局/プロ対ブロの場合

2021年07月04日 | 【カベ突破道場】 全局

 

武宮と石田の本因坊経験者同士の激突 の巻】

 


246手完、黒29目勝ち

 

 

3子 武宮正樹九段

白   石田芳夫九段

 

黒を持って石を置くのも

白を持って石を置かせるのも

プロという珍しい試み


プロ同士が置き碁でガチ対戦する

どうなるのか

高度な技の応酬があっても

当然に3子の利があっては

大差の碁となる

 

▲白3の下ツケは互先でも最多出現率

黒8はAが定石だが

宇宙流お得意の3連星に展開する

白9には黒10のヒラキヅメがぴったり

右上スミは定石

こうなれば黒の雄大なスケールが素晴らしい

 

▲白19は変化を求めたもの

黒32までキレイに分かれる

この図も黒の雄大さが目立つ(以下、略)

 

 

戦いの連続となるが

終わってみると3子局の模範局は

黒の29目勝ちとなり

結果もまた見事!

 

 

石田芳夫(いしだ・よしお、1948年~) 九段。二十四世本因坊秀芳。1971年に22歳の当時史上最年少で本因坊となる。正確な計算と形勢判断により「コンピューター」といわれる。歴代獲得ランキングでは、獲得数24は武宮と並ぶ10位。

 

 

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