ふんばろう宮城プロジェクト

東日本大震災から発足した「ふんばろう東日本支援プロジェクト」公認団体として2013年4月から活動する復興支援プロジェクト

【お知らせ】「3・11被災地交付金」詐欺に注意してください![詐欺に騙されない7つの視点]

2012-10-31 11:42:29 | お知らせ
 ここ最近、「今なら国からの復興支援交付金を優先的に受け取れる」という被災地の法人をターゲットにした非常に悪質な詐欺が出回っていますので、皆さまもくれぐれもご注意ください。

「みずほ銀行:架空の交付金申請手続きを騙った詐欺的勧誘にご注意ください」

 東日本大震災に関連した架空の交付金申請手続きを騙る、次のような詐欺的勧誘が発生しております。
 東日本大震災に関連した架空の交付金(*)申請手続きに必要であるとして、ダイレクトメール等で、みずほ銀行の普通預金(無利息型)を作成するよう求める手口
*「3・11被災地交付金」等
同様の内容のダイレクトメールや電話等があった場合には、最寄りの警察に通報・相談するなど、十分にご注意ください。
(2012年10月16日更新)


[経緯の詳細]

某団体の方から紹介されたMさん(この人も以前からボランティアをされていたとのことです)から聞いたストーリーはこんな感じです。

「信頼できる現地の法人に交付金をあげたいと思っているが、国は積極的な勧誘ができないので、自分たちが代わりに動いています。暴力団などが入ってくる可能性があるので、公には周知していません。資金の上限は特になく、交付金だから返済の義務もありません。免税もされます。書類作成もボランティアで手伝ってくれます。一切お金もとられないので信頼できます。」

ここまでは、本当だったら現地にとってはかなりよい話だなあと思いました。

しかし、「10月末が締め切りだから急いで書類を出さなければならない。担当のひとはすぐにでも紹介する」というのです。

この短期間であることを強調して焦らせるという方法は、詐欺の典型的な方法であり、僕はこの条件に当てはまっている時点で警戒しました。

ですが、本当だったら現地の企業や団体にとって大きな力になります。詳細を知る必要があります。

しかし、話せば話すほど違和感が積み重なります。

たとえば、「口外されないために取締役の人一人じゃないと窓口の人と会えない」というのです。また「情報はどこにも公開されていないから、国や銀行に問い合わせても末端の人はわからないから確認できない」といいます。

またなぜか法務局が窓口になっているというので「法務局でそこの窓口の人と会いたい」といってもはぐらかされ、「弁護士を同席させたい」といっても先方の窓口の人が嫌がると思うのでといって、歓迎しないのです。

これはおかしいということで、信頼しているSさんと一緒に情報交換しながらさらに様子を探っていきました。

そうするとSさんのところに送られてきた書類に記載されてある必要書類には、以下のようなものが含まれていました。

□ 運転免許証のカラーコピー
□ 個人通帳ただし指定銀行の無利息口座の個人決済型預金通帳の3面のカラーコピー
□ 確約書
□ 会社の登記謄本
□ 資格証明書
□ 住民票
□ 家族の住民票
□ 印鑑証明
□ 名刺8枚、白名刺25枚
□ 社名の入った封筒70枚

「通帳カラーコピーには本人以外は手を触れないこと。他人の指紋がつかないようにすること。」という通常ありえない注意書きもありました。

これをすぐに弁護士に見せたところ、これはまず間違いなく詐欺ですと。この口座は振り込め詐欺などに使われる典型的なパターンとのこと。

手続き等には一切お金がかからないから騙される心配はないと思いがちですが(Mさんはそう信じているようでした、あるいはそれなりのお金で委託されていたのかもしれません、真偽はわかりませんが)、これらがすべて揃えば本人や会社になりすまして融資を受けたり、借金したり、なんでもできる“破滅セット”です。

「この書類をだましとられると、数千万〜億単位の被害にあう可能性があります」という指摘も頂きましたが、その会社への融資という形をとればそのような被害も十分ありえます。必死に立ち上がろうとしている被災者を破滅させ、自殺に追い込むことにもなりかねない悪質な詐欺です。

Mさんはすでに何人もの人にも書類作成を進めるよう話をしたと言っていたので、それが本当なら止めないととんでもないことになるので、これは詐欺ですと力説してすぐに止めるようにと言いました(それでも半分は本当かもしれないと思っている様子でしたので、完全に洗脳されてたのかもしれません。「なぜ本当だと思ったのですか」と聞くと、「夜中まで6、7人で事業計画書を書くのを手伝ってあげていたのを見たから」といってました)。

弁護士もすぐに警察に通報したほうがよいということだったので、Mさんにも警察に通報して詳しい話をするようにと強くいって、僕もすぐに警察にきてもらって話しました。話を廻してくれた団体の人にも止めにまわるように依頼して動いてもらっています。

警察の人はこれは明らかにおかしいし、こうした書類があれば何でもできてしまうので、まず詐欺であることには間違いないと。口座と本人になりすませるあらゆる書類等々をとられるので、勝手に融資に使われて借金を背負わされたり、振り込め詐欺に使われたりするだろうと。ただし、今の時点では詐欺行為が成立していないので、これ以上は打つ手はないとのこと。

周知していくことが一番の対策になるので、ぜひ協力をお願いしたいということでした。

今月末締め切りの詐欺でしたが、こういうのは期限をどんどん延ばしていくそうなので、まだまだ出まわると思います。現在進行形の詐欺ですので、情報を拡散していく必要があります。みなさんぜひ情報の拡散にご協力ください。

また類似の話を聞いた人はすぐに止めてください。すでに書類を提出してしまった人はすぐに警察に被害届をだして口座を止めるなどの措置をとる必要があります。



詐欺にあうことで破滅してしまい、家庭が崩壊し、最悪自殺してしまう人もいます。幸せに生きるためには詐欺にあわない方法も知っておく必要があります。ということで、詐欺から身を守るための視点を書いておきたいと思います。

[詐欺に騙されない7つの視点]

1)信頼している人からの紹介だから間違いないだろう、というのは間違いです。信頼している人自体騙されている可能性もありますし、その人は詳細を知らないで話を廻してきた可能性もあります。重要な案件については自分を含めた複数の人間で確認する必要があります。

2)期限を限定して“焦らせて重要な書類を出させようとする”(契約させようとする)のは詐欺の常套手段です。それに当てはまるだけで可能性は高いです。

3)少しでも怪しいと思ったら、弁護士や会計といった関連書類に強い人にすぐに相談しましょう。しかるべき人達にきちんと相談すれば詐欺にひっかかることはありません。他人に相談させる余地を与えない、一人でこなければならないというような場合には詐欺の可能性を強く疑いましょう。

4) 「非公式の情報なので公式HPには掲載されていません」といった、本当かどうか確認できない場合も詐欺の可能性を疑いましょう。結果が出るまで確認がとれないような構成になっている時点でおかしいのです。

5) 「お金をとられさえしなければ損しないのだから大丈夫」という思い込みは危険です。あらゆる契約に必要な重要書類を一式とられたら膨大な借金の肩代わりをされて破滅します。

6)詐欺は事後的に成立します。事前には確実な裏をとらせずに、すべて提出したならば「すぐに○○します(入金されます、納品されます)」というのを信じてはいけません。すべて提出した後には先方に連絡できなくなり、詐欺グループはいなくなります。それが詐欺です。

7)「人は見たいものしか見ない」というのは本当です。特に経済的に追いつめられている人は「本当であって欲しい」と強く思うため、不都合な情報は「そんなはずはない」と無意識のうちに遮断してしまいます。そういう人の目を覚ますのは簡単ではありませんが、強く何度でも説得しましょう。

他にも有用な視点はあると思います。

みなさんの経験や知識をコメント欄に書き込んでいただけると多くの人のためになると思いますので、よろしくお願いします。

2012.10.30.西條剛央

仲間たちとの強い“つながり”は一生の宝物/石巻・鹿妻「大お茶っこのみ会vol.2」

2012-10-07 08:13:17 | 活動報告
 甚大な津波被害を受けた被災地の石巻市鹿妻地区・鹿妻三丁目町内会の皆さんが、住民同士のコミュニケーションを深めることを目的として企画されたイベント「大お茶っこのみ会」が9月30日、石巻市鹿妻南にある鹿妻南コミュニティハウス「心の家」で開催されました。
 同町内会は津波による被害が大きく仮設住宅で生活される方が多いのですが、被害のあった住宅をリフォームして住まわれている方もいらっしゃいます。住民同士の情報交換の場として定期的な会の開催を求める声があがり、それに応えるかたちで町内会長の西村しげさんたち中心となり、ボランティアなどの協力を得ながら実現したイベントです。私たち、ふんばろう東日本支援プロジェクト・宮城支部もお手伝いさせていただきました。台風17号の影響もあり雨模様が心配な天気でしたが、この日はとてもよく晴れ、汗ばむほどの一日になりました。そんな天気のお陰もあって、たくさんの地域住人の方が訪れ、再会を喜んでいたようでした。


 会場となった鹿妻南コミュニティハウス「心の家」は、在日フランス人建築家リシャール・ブリア氏が設計し、自身が副代表理事を務める財団法人フェール城桜協会が、フランスや国内外からの寄付金を募り、今年6月に建てられた集会所です。地場の木材をふんだんに使った建物は木の香りとぬくもりに包まれていて、片流れの屋根の傾斜に合わせた内部天井は広々とした吹抜け空間を作っていました。南に流れた大屋根につづくようにウッドデッキの上にはトレリスがかかっていて、木材の外壁と合わせ内と外をゆるくつなぐとても素敵な建物となっていました。


 建物の中では、住民のみなさんが楽しめる催しものが盛りだくさん。開会式の獅子舞から始まり、部屋の一角をステージに見立て、バンド演奏や和太鼓、踊りなどたくさん披露されました。また、ボランティアによるマッサージやフェイスペインティント、ポケモンワークショップなどの出店もありました。屋外ではお腹や舌を満足させるべく、飲食系を中心としたブースが軒を並べました。
 
 私たちふんばろう宮城支部は、クリームあんみつのお店を出しました。実はわれらが小関勝也支部長は、仙台でも老舗の甘味処で修行をした経験があります。その経験を活かし、住民のみなさんに本格的でおいしいあんみつを味わっていただこうと考えました。寒天を冷やし、えんどう豆や粒あん、トッピングのフルーツやアイスクリームをテーブルに並べ、支部長による盛り付けのレクチャーも受け準備万端。10時の販売開始の時刻に合わせてどんどん売れるはず!…でしたが、午前中からあんみつを食べたいと思う人は少ないのか、売れ行きは思わしくありません。ほかのお店は、たくさんの人が集まっているのに、一番端に出店したあんみつ屋はちょっと不調。ところが、救世主が現れます。宮城支部メンバーの小6のお嬢さん、ヒロちゃん、通称“カチョー(課長)”です。カチョーによる「本格的なクリームあんみついかがですか?とってもおいしいですよ〜」の大きな掛け声で少しずつお客さんが集まり、売れ始めました。食べてくださった方はみなさん「おいしい」と言ってくださり、作っているメンバーの喜びもひとしお。更に、メイン会場へ売り歩く「移動販売」の思いつきも功を奏し、最終的には約60食もお買い上げいただきました(売上金はすべて同町内会へ寄付させていただきました)。西村さんからは御礼の言葉と後日お手紙をいただきました。また、こんな笑顔いっぱいのお茶っこ飲み会のお手伝いできたら嬉しいです。


 私がこのふんばろう東日本支援プロジェクトの活動を始めたのは、震災後1年経った今年の4月でした。仙台市内の海岸沿いに建っていた私の家は、津波により流失。家にいた娘たちは近所の小学校に避難し津波から逃れ、私自身も車で家に向かっているとき警察官に西に避難するよう指示され、途中津波から命からがら逃げるという怖い体験をしました。このプロジェクトはインターネットを通じて知っていましたが、被災した私だからできる支援や汲み取れる被災者の思いもあるはずと考え、震災後1年をきっかけに参加しました。
 それ以降、さまざまな支援活動をさせてもらっていますが、訪問した仮設住宅の方の元気な姿や、ボランティアに対する労りの気持ちに勇気付けられることの方が多いです。また、集団移転の話や各地区の実情は、私にはとても興味深いことであり、ついつい話し込んでしまうこともあります。実際に力になれることはとても少ないかも知れません。ただ、活動を通じてよかったと感じるのは、仮設住宅に住む方たち、他のボランティア団体の方たち、そして一緒に活動する仲間たちとの強い“つながり”ができたことです。きっと一生の宝物となるでしょう。(古澤きみえ)