もしも、いま夜空が見えるようでしたらながめてみてください。月が2つ見えるかもしれません・・・。
ただ、ベジータが人工的に作った月ではありません。
というのも、マドリード・コンプルテンセ大研究チームは、2024年8月に見つかったばかりの小惑星「2024 PT5」の公転軌道を解析したところ、9月29日~11月25日まで(世界時)、地球の重力に一時的に捕獲される 「第2の月」 となることを予測。
ただし、残念ながらこの期間の2024 PT5は地球と月との距離の約10倍(約350~約400万km)の距離にあり。さらに直径約10mと小さいため、地上からの視等級は22等級であり、肉眼では見えないのです。
第2の月というのは、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手の50-50のような、「人類史上初めて」のことではなく、現時点では観測史上5回目のこと。
■1992年2月ころ~1992年3月ころ
1991 VG(フライバイ)/ 直径約5~12m(2018年の計算で確定)
■2006年9月ころ~2007年6月ころ
2006RH120(周回)/ 直径約1.9~3.5m(はじめて発見された第2の月)
■2016年/2017年ころ~2020年5月ころ
2020 CD3(周回)/ 直径約2~3m
■2022年6月11日~2022年7月3日
2022 NX1(フライバイ)/ 直径約9m
■2024年9月29日~2024年11月25日
2024 PT5(フライバイ)/ 直径約10m(はじめて事前に予測された第2の月)
周回:「2006 RH120」「2020 CD3」は、地球の周りを1周以上した「一時的に捕獲された周回天体」
フライバイ:「1991 VG」「2022 NX1」は、地球の周りを1周する前に離脱した「一時的に捕獲されたフライバイ天体」
実際にはこれらのほかにも地球の近くを通過する小惑星が地球の重力に捕獲されて周回軌道に乗って、一時的に第2の月となることがあるそうですが、ほとんどはあまりにも小さいために観測されておらず、たまに見つかっても、その多くは人工衛星などを誤認している場合が多いとのこと。
一説には直径約1mの小惑星は常時1個以上が一時的に地球の周りを周回していると推測されています。ただ、よほど条件が良くなければ観測できないため、大半が見逃されているという。一方でたまに発見されることがありますが、たとえば2003年に発見された「J002E3」は、1969年に「アポロ12号」を打ち上げるのに使われた「サターンVロケット」の第3段ステージS-IVB-507だったり、2020年に発見された「2020 SO」は、天然の天体として小惑星登録もされた第2の月の候補でしたが、1966年に月探査機「サーベイヤー2号」を打ち上げた「アトラス・セントール」だと確定し、小惑星登録が外されているのだそうです。
1913年に観測された流星群「シリリッド」、2016年に観測された火球「DN160822_03」は、落下前に地球の周りを周回していたと推定されています。小惑星「2023 FY3」は過去または未来に地球周回軌道に入る可能性が示されていますが、具体的な時期は不明です。
今回、 2024 PT5を見ることができなくても、2055年ころに再度第2の月になると予測されていますので、そのときをお楽しみに。
ただ、本家の月がなくなってしまう可能性もありますので・・・。
本日も、拙文最後までお読みいただきありがとうございます。
今日という日がみなさまにとって、よい一日になりますように。
また、明日、ここで、お会いしましょう。それではごめんください。