その昔、ロッテオリオンズに所属した飯島秀雄さんという選手がいました。
この選手は元100m競走日本記録保持者であり、東京オリンピック、メキシコオリンピックに出場しています。
まさに、走りのスペシャリストとして、プロ野球に入団したのです。
しかし、現役三年間で117回ピンチランナーで起用されたのですが、盗塁成功23回、盗塁失敗17回、牽制アウト5回、46得点という成績だったそうです。
脚が速いだけならば、盗塁成功率が高いはずです。
盗塁は脚が速いだけでは成功しないということです。
よく言われることが盗塁を成功させるための3Sとして、スタート(Start)、スピード(Speed)、スライディング(Sliding)の3つのSです。
特にスタートが一番大事だと言われています。
相手ピッチャーのデーターがない場合、じっくりとピッチャーを観察して、牽制かバッターへの投球を、ピッチャーの動きから判断して勇気を持ってスタートする必要があります。
ここで判断よく、思い切りのいいスタートが切れればまずは第一段階は成功です。
逆に、どんなに脚に自信があっても、上手くスタートが切れそうもない場合には、スタートしない勇気を持つことも大切です。
脚の遅さに関しては、学童時代から定評のあった太郎。
(決して”遅い”という訳ではなく、周りに速い子が多かったこともありますが)
太郎がマルチヒットを記録したその試合。
実は太郎が単独盗塁も記録しました。
事前に「脚が遅い」という情報が漏れていて、ノーマークだったという訳ではないと思います。
2アウトだったと言っても、これが大事な先制点につながったのですが、これこそ一か八かというギャンブルだったと思えてなりません。
たぶん、「アウトでも仕方がない」という考えで監督はサインを出してきたのでしょうけど。