野球小僧

ごめんそうらえ 沖縄 嘉手納基地(沖縄県嘉手納町、沖縄市、北谷町)

嘉手納基地は沖縄県嘉手納町、沖縄市、北谷町にまたがり、4000m級滑走路2本を持つ東アジア最大級の米空軍基地です。その広さはナゴヤドーム約420個分と日本最大級の規模です。沖縄本島中部の北谷町と沖縄市、読谷村に挟まれるように位置する嘉手納町は、那覇空港から沖縄本島北部のちょうど中間あたりにあります。

嘉手納基地には米空軍第18航空団のF15戦闘機や空中給油機など約110機が常駐し、2015年度の年間騒音発生回数は2万4千回。午後10時〜午前6時の飛行は「米軍の運用上必要なものに制限する」とした日米協定がありますが、2015年度のその時間帯の騒音回数は1620回に及んでいます。

この写真に写っていますが、嘉手納町の面積の約83%が嘉手納空軍基地と嘉手納弾薬庫として使用されており、嘉手納町は農業をする耕作地も少ないため、基地フェンスと基地防音壁との間に、狭いながら野菜を栽培している畑があります。これは黙認耕作地といい、基地内に何カ所かある畑で農業をすることが許されているのだそうです。

今回、これだけの大きな基地を見渡すために行ってきたのは、「道の駅かでな」です。嘉手納基地と県道をはさんだ、向かい側にある安保の丘(あんぽのおか)にあります。ここは、基地が見える場所として以前から修学旅行生や観光客をはじめ、沖縄県民の人たちも訪れる場所だったそうです。

この場所に道の駅を作るのに、国や米軍とも調整を続け、10年かかったと言われています。また、基地に面して防音壁とほぼ同じ高さである2階建て以上の建物を作ってはいけないという規制も交渉で乗り越え、4階にあたる屋上の展望場からは、広大な基地内を見渡すことができます。基地の写真はそこから撮影しました。

実際のところ、嘉手納基地は普天間飛行場よりも戦闘機などの離発着数ははるかに多いとのことです。私がここにいた間には離発着は観られませんでしたが、その様子は、小さい子どもが驚いて泣き出すほどの轟音を響かせ、ものすごい勢いで離陸し、垂直近くに上昇するという、自衛隊では見られない離陸とのことです。そして、それは、感動とも恐怖とも違う不思議な感覚にとらわれるとの話です。3階にある学習展示室では、ヘッドフォンでトラックと旅客機と戦闘機の騒音の聞き比べられます。

どうしても、基地にばかり目が行ってしまうのですが、基地の周囲を周回する道路があり、その道路に面して基地周辺には住宅が建ち並んでいます。ここへ来ますと、沖縄での暮らしと基地の問題がどのようなものか、よくわかると思います。

また、嘉手納町は中国から沖縄にサツマイモの苗を持ち込んだ野國總管さん(のぐに そうかん)の出身地として、サツマイモ発祥の地です。1604年または1605年、明への進貢船の事務職長(総管)であった野國総管さんが明からの帰途、苗を鉢植えにして北谷間切野国村(現在の沖縄県中頭郡嘉手納町)に持ち帰り、栽培に成功、痩せ地でも育つことから広まりました。実はそれ以前に沖縄の各島にサツマイモが伝わっていましたが、種子島や本土に伝来したのは本島の系統なのです。

さて、2006年に日米の外務、防衛閣僚が発表したロードマップでは、世界で最も危険とされながら進まない普天間飛行場の移設が大きな目的の1つでした。

そして海兵隊8000人のグアム移転と嘉手納より南にある5つの米軍施設の返還という負担軽減策です。これらをパッケージにすることで沖縄の負担軽減は、普天間の移設しだいという仕組みを作っています。

そして、基地問題については、沖縄県民の民意は直近2回の知事選挙にて、「普天間飛行場の辺野古移設反対」とはっきりしています。そこをベースにして政府が安全保障をやっていく上で、対話しながら何か道を示して行く必要があると考えます。ポイントは日米地位協定と沖縄の基地負担をどれだけ目に見える形で、本土に移設するなどして軽減するかの2つだと思います。

日米地位協定は沖縄が日常的に苦しんでいる、片務的なものです。これを他国との地位協定並に見直すべきでしょう。とにかく着手することでしょう。もう1つは具体的に米軍基地を本土に移して行くことです。これを政府がやると、沖縄の考え方にも変化が出る可能性があります。いまのままでは難しいです。だから、その辺がどうなるのかもポイントだと思います。

これで、いったん、沖縄の旅編は終わりです。いろいろと、思い、考えることがありました。

 

コメント一覧

Unknown
まだまだ、ネタはあるのですが、もう、キャンプも1週間ほどになってしまい、他のネタが賞味期限切れにもなりそうなので、いったん、この辺で休止ということで。

同じことを繰り返しますが、自分の目で見て感じることで、自分の問題としても考えさせられるということでした。

その意味では、因幡国・伯耆国へも行かねばと思った次第です。タイトルはすでに決まっています。「あそびに行かいなー鳥取編(仮)」です。
eco坊主
おはようございます。

12日間にわたる”ごめんそうらえ沖縄”シリーズ・・・
楽しく読ませていただき且つ勉強させられ考えさせられました。

基地問題・・非常にデリケートですね。期日前投票も始まっているようですがどうなるのか、そして政府はどう動くのか・・・

ごめんそうらえ沖縄の旅、お疲れさまでした。
次は『きなんせ鳥取20XX年』ですかね~
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