フクヤマ画廊ブログ

フクヤマ画廊から日々のお知らせがメインですが、たまには画廊主の駄文を掲載いたします。末永くお付き合いくださいませ。

モネ展

2014-02-11 20:38:17 | 美術展・美術番組
<2014年2月12日>
11:00 - 19:00 営業いたします


今日は国立西洋美術館の「モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新」を
見に行ってまいりました。

国立西洋美術館の松方コレクションと箱根のポーラ美術館の収蔵品で構成されて
いるのですが、国内の収蔵品でこれだけのモネ展が開催できるのはアジアでは
日本だけでしょう、少し誇りに思って良いと思います。

なんといってもメインは2点の睡蓮、並んで展示されていて圧巻でした。


「睡蓮」1907年 93×89cm


「睡蓮」1916年 200×201cm

もうすでに世界の至宝となっている古典絵画の仲間入りをしているわけですが、
ここで注目したいのが2点の制作年です。

1907年といえば、ピカソが「アヴィニヨンの娘」を描きキュビズムが、その2年前
の1905年はマティスらのフォービズムが誕生しています。
また1910年代といえば、カンディンスキーらが初めての抽象絵画を描いた頃です
から、絵画の革新が最もドラスティックに進行していた時代です。
その中でモネはすでに「時代遅れ」と見なす人も少なからずいた様です。

その渦中にシコシコと(変な表現でごめんなさい)睡蓮連作に取り組んでいたの
ですから、自身の芸術の探求だけしか眼中になかったのでしょう。

モネの睡蓮を見ると西脇順三郎さんの「宝石の眠り」という詩を思い出します。
あまりに作品から受ける印象が同一だからです。

永遠の
果てしない野に
夢みる
睡蓮よ
現在に
めざめるな
宝石の限りない
眠りのように


西脇さんが ”宝石の眠り”という比喩で睡蓮の美を永遠化した様に、モネは絵画
という手法で永遠化しました。


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