フクヤマ画廊ブログ

フクヤマ画廊から日々のお知らせがメインですが、たまには画廊主の駄文を掲載いたします。末永くお付き合いくださいませ。

村上華岳 「羅漢」

2024-02-08 20:45:18 | おすすめ作品
おすすめ作品をご紹介いたします。
お問い合わせは、私どものホームページをご覧ください。



村上華岳 「羅漢」
紙本・墨 1938年(昭和13年)
352x234mm
左下に印譜(華)
左下に印譜(光存堂畫室)
村上佳子箱
「村上伸」氏鑑定登録済み



羅漢とは悟りを開いた高僧のことを言います。
華岳は晩年持病の喘息が悪化し、死というものをかなり切迫に感じていたのしょうか、こちらの作品も
何とも厳しい作風で、古画の名品に負けない気品と緊張感を感じさせます。

「僕の絵はまああれはあれだけのものや。もし将来があるとしたら僕は『瀧』や『羅漢』の方に進んで
いくつもりでいる」
 (昭和11年 村上華岳の言葉)

お問い合わせは、フクヤマ画廊まで
042-703-0002

村上華岳 「松巒孟春圖」

2024-02-04 16:20:50 | おすすめ作品
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村上華岳 「松巒孟春圖」
紙本・彩色 1931年
236x349mm
右下に落款・印
共箱
「村上伸」氏鑑定登録済み



画題は、松林が続く山並み(松巒)の早春(孟春)の風景を描いた作品という意味となります。
華岳は昭和2年から花隈に隠棲、画壇との関係を絶ち制作に集中し、六甲の山も数多く制作しました。

私は村上華岳は明治以降の日本画家でやはり最高の画家ではないかと思います。
その独自性により誰も到達できなかった世界に達し、その作品世界は、たとえば「具象か抽象か?」
みたいな一般的な区分をはるかに超えています。
この絵も単なる写生ではなく、自分の心の中の宇宙を山に託して描いている様な印象を見る者に与え、
山からドキドキと鼓動が聞こえてきそうな華岳独自の風景画になっています。
自然や人間の心の中に潜む「大きな力、意志」という様な言葉では表せない何かを感じさせます。


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