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漢方相談 福薬局

福薬局は皆様の健康をサポート!

当薬局では、お客様一人一人の症状に合わせて漢方薬を処方いたしております。

アンバランスの補正②

2009年11月11日 | 漢方
  健康であると思われている人でも、どこかに異状があると、体に危険信号があらわれている。

 そういう『証』(危険信号)を無くしていくということが、寿命を長びかす一つの方法であるといえるわけです。

 それにはやはりその人の体質、個性がある。肥った人、痩せた人で違ってくる。

 長生きをしようとする場合には、そういった欠点を早く見つけて是正していく。

 病気にならぬうちに、病名がつかないうちに異状を正常に戻していく、という方法をとることが最上であるわけです。

 皆さん方についてみますと、四つぐらいの欠点の形に分けられる。もうすでに危険信号があらわれている人も見受けられるのであります。

 人間ドックのような所に1週間も2週間も入らなくても、漢方なら1時間ぐらいで、診断が出来て、病気の前ぶれである異状も発見され、それを是正する手段も見出すことが可能ですから、おすすめしたいと思います。

 漢方薬はよいけれども、服用までに煎じる時間や手間がかかるというお話がありましたが、漢方薬は煎じ薬として服用するものだけでなく、丸剤や散薬もありますし、最近煎じ薬の不便を解消した漢方薬の製剤が、漢方本来の処方で市販されるようになりました。(渡辺 武)

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 この文章は何十年か前のものですから、渡辺武先生が人間ドックが1週間も2週間もかかるとおっしゃっていますが、今は発達して1日で可能になりましたね。

 治療は漢方でも、人間ドックや検診は、やはり時々、受けておかれた方がよろしいと思います。 

 自分ごとですが、昨日は私も点検の意味で、乳がん、子宮がん検診を受けてきました。結果が楽しみです。




 

アンバランスの補正①

2009年11月09日 | 漢方
 漢方の特徴は、薬を決めていくということであります。

 診断をするということは薬を決めていくことであり、薬を決めていくということは薬方処方を決めていくことなのです。

 そうすると、それはすぐに治療ということにつながる。

 今の医学では病名をとにかく決めていく、総合的な治療医学というのはないので、腎臓が悪いということがわかれば利尿薬を使う。利尿薬は20種も30種もの種類があるわけなんですが、そのうちどれが最適かということは決められないのであります。

 漢方の場合は、その人、その症状に応じた利尿薬を使っていく。

 その一つ一つに非常に長い経験から割り出した、いわゆる一発必中という基準があります。

 そこに大きな特徴があり、またこれからの医薬もそこまで到達する必要があるのではないかと考えるわけであります。

 つまり漢方薬は、目まいとか肩凝りとか偏頭痛とかいった病症を除くという役割が決まっていて、病気に直結しているのであります。(渡辺 武)

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 だから、漢方は病名が判らなくても、決まらなくても、薬方が選べて症状がとれるのです。

 不定愁訴の訴えにも強いです!!

「望聞問切」の四診⑥

2009年11月06日 | 漢方
 五つのアンバランスを補正するという立場で可能性を見出したわけです。

 もちろん外科のほうでは、一刻も早く切らなければいけないという意見でしたが、この薬方に期待された院長はこれを採用され、処置を続けた結果、日がたつにつれて一つ一つの異状がとれてきて、同時に腫瘍自体もよくなりまして、幸い一ヶ月足らずで治りました。

 これは四年ほど前のことでしたが、これを思い出したのは、そのお嬢さんは自分は薬のために命拾いしたというので、薬学を志望し、その後神戸の薬大に入り、この春卒業したということを、つい最近当のお嬢さんとそのご両親にあって知ったわけです。

 このように証を目標にして投薬していけば、最悪の状態でもこれを防げるという可能性があるわけです。(渡辺 武:S30年3月)

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 めでたし、めでたしで良かったです!

 漢方薬は証に従って、投薬すれば素晴らしい効果があります。

 同じように腫瘍だからと、病名で薬方を選んでも、証が違っていれば、効果はイマイチということになります。

 だから、正しく証を見極めるということが大切になります。

 「望・聞・問・切」で正しく証を捉えていくことが、漢方家の役割です。

 ◎ 明日、明後日と出張になります。よろしくお願い致します。

「望聞問切」の四診⑤

2009年11月05日 | 漢方
 京都の国立病院長の知人のお嬢さんですが、骨髄腫に罹った。足のクルブシの所に腫瘍ができたので、これは近代医学では大腿部から切断しなければならない。それも一ヶ月以内に切らないと、病毒が上にあがって生命にかかわるという重症であります。

 この患者のお父さんに当たるお医者さんが私の知り合いで、当時そのお嬢さんは高校三年生で、バレーボールの選手をしており、足を切るなんて言ったら自殺でもしかねない。何とかならぬものか、と相談をうけたわけです。

 そこで身体の異常をただしてみると、腹筋が非常に緊張している。芍薬の証があります。それから牡丹の証として。右下腹部に痛みがあり、動悸も出ていて固まりがある。これは血の停滞という一つの症候である。なおヘソの上にも動悸があり、これは水分の停滞を示すもので、茯苓という漢薬の証であります。

 また体表の、ことに上半身の血行状態が過多で、身体が非常に熱っぽい。上の方ばかりに血が上って、脈証にもそれが認められるというので、これは桂枝の証である。そういうふうに五つの故障異状があり、同時に月経異常のあることがわかったのであります。

 漢方ではこのような場合、これら五つの症候を合せると一つの症候群ということになります。ここではじめて処方が決定するわけです。それには桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)という、桂枝、芍薬、牡丹、茯苓、桃仁を配合した漢方の原典である『金匱要略』にのっている薬方を使うことによって異状状態がとれてくる。

 この薬方は上のような異状のあるとき、諸種の婦人科疾患のほかに腹膜炎、盲腸炎、打撲症、痔疾、睾丸炎などに応用されています。(渡辺 武)
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 明日はそのお嬢様がどうなったかという内容です。

 漢方っていろいろな症状があっても一つの処方で対応できてしまう。凄いですね。

 新薬だと一つ一つの症状に薬が一つ一つでるので、山のようにお薬の飲んでいらっしゃる方がたくさんいますが、漢方だと逆にたくさんの症状も一つの漢方で済んでしまう。マーベラスです。

「望聞問切」の四診④

2009年11月04日 | 漢方
 漢方の治療とは、中庸を保っていくような方法をとるということで、各薬を、たとえばこれは鎮痛作用あるいは利尿作用があるというように作用で表現する以外に、これは腹筋の緊張を去る薬であるとか、あるいは体にあらわれた不調和、肩凝りや胸腹の動悸をとる薬であるとかその異状そのものを目標にしようする。(渡辺 武)
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 明日の続きはわかりやすい例のお話になります。

 漢方は中庸を保つような方法をとりますが、仏教でも中庸が大切と教えています。

 たとえば、楽器の弦を例えにとって、強く張りすぎたら切れてしまうし、弱くてもよい音がでない。中庸に張ると良い。

 私たちの生活でも生かせることですね。少しは頑張らなくてはいけないけど、頑張りすぎても体を壊してしまいます。

 中庸に生きましょう。