漢方相談 福薬局

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当薬局では、お客様一人一人の症状に合わせて漢方薬を処方いたしております。

粉食と蜂蜜②

2010年02月19日 | 家庭常備薬としての蜂蜜
 舌先だけの味覚や単なる感覚だけを形式的に模倣して、その本質を忘れているのは、パン食だけでなく、日本の欧風料理にも中華料理にも指摘される通弊で、国民の保健と疾病の追放のために、一日も早く改めねばなりません。


 日本の郷土食でも、ソバだんごをいろり端で焼いて、灰をはたいたのに日本種のミツバチから採った濃厚なハチミツをつけて食べる素朴ながら栄養上はすぐれた信州の山岳地方の健全な味覚など例外はありますが、ショートケーキに添えて美味なハチミツは、大抵安価な味気のない糖蜜で代用されています。

 家庭で作るショートケーキや菓子類だけからでも、こんな猿まねはやめて、ハチミツを使った香り高い健全な食品で、愛児や家族を喜ばしたいものです。(渡辺 武)

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 特に子供には、本物の味を覚えさせたいですね。味覚は小さい時に食べた物で左右されるので、小さい時から本物のハチミツ(水飴など混ざり物が入っていないもの)をあげたいものです。

 大人になってからでもいつも本物を食べていると、混ざり物等が入っていると判るようになりますよ。

粉食と蜂蜜①

2010年02月06日 | 家庭常備薬としての蜂蜜
 近頃は家庭生活の合理化の点からも、一般家庭でパン食が普及し子供たちも好んでパンを摂るようになったことは、喜ばしい傾向であります。

 しかしあんパン、砂糖の衣がけのパンやいかがわしいジャムやクリームパンが横行しているのを見ると寒心に耐えません。

 こんな粉食の取り方では、ビタミンアミノ酸源としての小麦の効果は甚だしく減殺されて折角の主食も意義を失ってしまいます。

 トーストにバターを添えることはあっても、一般家庭は勿論、高級を誇るホテルやレストランに行っても、ハチミツを忘れており、この日本の食生活では、正しい伝統を守った小麦常食の先輩団である、欧米や華北、ソ連などの国々とはスタートから大きなハンディキャップを負わされていたことになります。        (渡辺 武)

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 パンの原料は小麦で、パンはただの炭水化物だけではなくて、その中にはビタミンアミノ酸等の栄養源も含まれていたことを、渡辺先生の文で改めて思い出しました。

 最近は本当に得体の知れないパンが横行していますね。自分でしっかり正しくチェックして、美味しくいただきたいと思います。

蜜煎導の調整法と用い方②

2010年01月26日 | 家庭常備薬としての蜂蜜
 江戸時代の名医尾台榕堂は、類聚方広義に急性の熱病で、高熱があり、発汗多く、小便多く、その体液が痼竭し、肛門が乾燥し、大便が固く通じない者や諸病の大便不通で、しかも嘔吐して下剤が飲めない者、老人性の便秘や下腹が張って痛むときなどにも賞用している。

 また急のときはハチミツを温めそのまま灌腸薬として肛門に注入しても宜しいと誌している。

 以上はハチミツの物理的性質を巧みに応用した用法であるが、その化学的成分すなわちハチミツの栄養剤として持つ秀れた諸要素を衰弱、危篤の患者や嚥下不能の場合、経口的に食物を摂ることが病気の性質上禁忌のとき、肛門から食物を入れる所謂滋養灌腸にも、従来使用されている生理的食塩水や血液の注入に代わって有効であることは勿論であるが、これは臨床医学の分野であるから本稿では参考に付記するに止める。(渡辺 武)

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 外用としても、ハチミツは重宝していたのですね。

蜜煎導の調整法と用い方①

2010年01月25日 | 家庭常備薬としての蜂蜜
 ハチミツ1勺半を取り、銅器またはアルマイトの容器に入れ、弱い火でこれを煎じ、よくかきまぜ、焦げつかないように注意し、水分が無くなり、飴のようになったとき火から下し、少しさまして、凝固しない前に温かいうちに、急に丸め引きのばして、鉛筆位の太さで長さ約一寸五分位とし、先端は尖らせておく。

 冷えると堅くなって丸まらないし、熱過ぎると手に取れないので、その加減が一寸むずかしいが、馴れると手軽に出来るようになる。

 製って放置するとすぐ空気中の湿気を吸って溶けるから、用に臨んで調製し、肛門中に尖った方から挿し込み、手で堅く押えて、便意を催したとき抜き去ればよい。(渡辺 武)
 
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 ハチミツの水分を飛ばしただけの物なので、副作用もなくて、好いですね。

滋養浣腸に応用

2010年01月23日 | 家庭常備薬としての蜂蜜
  紀元前200年ごろ、後漢の張仲景が中国の医薬をまとめて著わしたと伝えられる「傷寒雑病論」十六巻は、宋の儒者である林億らによって、「傷寒論」十巻と「金匱要略」三巻に整理され、現在まで伝わり、漢方医学の原典として重要な文献である。

 その陽明病篇に、蜜煎導と云う近代医学で用いる坐薬の元祖とも云うべき蜂蜜応用の名処方が誌されている。

 陽明病とは、胃や消化管に病邪があって、悪熱し、便秘する病気を総称した漢方医学独特の病気の分類法である。

 近代薬では,坐薬は通常薬品を、その融点が気温より高くて、人の体温よりやや低いカカオ脂(融点30~34度)、ラウリン脂(30~37度)などに加え、均等に混合して製した挿入薬で、体温で軟化し、とけるようにしたものである。

 しかしこれらは脂肪性のために、使用後不快感があるので、グリセロゼラチン、ステアリンサ酸ナトリウムなどが賞用されている。

 蜜煎導は現在の肛門坐薬に相当するもので、傷寒論では大便が出ず、かえって小便の量が多いときや発汗が多く、下剤で下痢を起させては悪いときに、この坐薬を推賞している。

 とくに衰弱した病人や初生児、乳児などでは、一般に排便灌腸に用いられる水や、生理的食塩水以上に刺激性が少なくて、幼弱な腸粘膜を刺戟することが少なく、そのため下痢は緩慢で、全身に影響を及ぼすほど劇しく催すことが無いので、誠に重宝である。

 しかも、ハチミツさえあれば、手軽に経済的にして、安全適確に奏効する灌腸法で、使用後の不快感も無く、家庭応急策として好適であるから、その調製法、用法を紹介しよう。(渡辺 武)
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 蜜煎導は作製するのに少し手間がかかりますが、覚えておくと重宝します。特にお年寄りの便秘に良いですよ。
                             (石本眞理子)