今日も沖に出ていた ひなびた漁港から 二馬力エンジンで トコトコと 出ていたのである♪~
老人の名は ふくさん 弱い100歳を とっくに超えているだろうと思えるその容貌は 眼光鋭く 竿を持つ手は もはや神域に達しているようである♪~
が 陸に上がれば 箸を持つのも 手が震えてしまうほど しまりがない爺であった♪~
今日の 獲物は 時期的にも美味しくなる カワハギ と言うフグ目の魚なのであるが 地球温暖化の影響で 西暦2007年時点より 海面は20m以上は上がっていて 東京と言う名の田舎町では 昔の半分以上は 水中に没している時代でなのである♪~
魚の数は かなり減少していたが 人口も 関東区などでは 衰退していて 釣に出るのは 老人ばかりになってしまっていた♪~
昔と比べて カワハギと言う魚も少なくはなっているようだが サイズは 昔と比べて 格段の差がある 昔々 尺(30cm)超えたら 超大物と呼ばれていたかの魚も いまや 1m以下のものは無く 最大では5mを 越えるものもあるという話である♪~
さて この日のポイントは ふくさん お気に入りで 秘密のポイントである 赤坂沖である 昔は かなり色っぽい場所であったというが まっ 200年も昔の話であろうか 今や 水深は 場所によっては 30mを 超える好ポイントなのである♪~
だが このポイントは ビルと言う名のコンクリートの塊の根があるので 根がかりもかなりあるのである♪~
餌は 馬鹿貝 とその昔呼ばれていた貝であるが 今や 大きさは1mを ゆうに越し 重さは 小さくても1tは あるという代物を 使うのであるが 南千住海浜公園で いつ行っても採れる代物となっていた♪~
流石に この馬鹿貝 一匹がけは 出来ないので 川向こうの ご隠居と いつも分けて 使っているのであった♪~
「肝が旨い 良いのが釣れれば うー婆さんも 喜ぶじゃろうて」
老人は 一人 ぶつくさ つぶやきながら 仕掛を下ろし始めた かなり離れた場所で 煙が上がっている
「ひゃ ひゃ ひゃ また川向こうの隠居が 大きいのかけたなぁ~
ひゃ ひゃ ひゃ 船ひっぱられておるで 今度も 一週間ぐらいは 帰ってこんな ひゃひゃひゃ」
と言った瞬間 震度10ぐらいの激震が 老人の船を襲い 恐ろしいほどの速さで 小船が引っ張られていく
「うひょぅぅぅ~ こりゃ 大物が かかっちまっただ・・・・息のあるうちに あげられるかや~」
三週間後 老人は かろうじて 港に戻ってきたが 見る影も無く 鉛筆のように 痩せこけて 疲労しきっていた♪~
「婆さんや この大物だったら 二月は 食って行けるなぁぁ~」
食い気だけは 旺盛な 爺なのである♪~