私は定年後、設備管理の仕事をしました。
そこでわかったことは、設備管理にはしっかりした良い人もいますが、同僚は殆どいい加減な連中で、ベテランほど点検を手抜きする。
設備の異常を報告すると、上司によっては、報告した者に非常な負担がかかってしまうことがある。
ベテランによれば、異常を報告するからいけないのだと言われたことがある。
確かに異常があっても報告しなければ、異常が破綻した時に初めて問題になるだけで、それまでは点検簿に異常がなかったということで済まされてしまう。
別の問題として、高速増殖炉もんじゅのように、専門家しかチェックできない場合、不具合は隠してしまおうと誰でも考えるだろう。
福島原発事故時、東京電力や原子力安全保安院、政府?が正にその例だった。
私の経験した職場では、現実に下請けの設備管理責任者が元受けに心配をかけないような対応を取っていた。
若いころ入社した会社では、先輩が報告しなかった不具合が再発したが、先輩が報告を怠ったので先輩からその不具合を報告するなと強要された事がある。
今から考えればその会社は、部門を守るため、自分を守るため皆エンピツを舐めていて、結局破綻した。
心配なのは福島第一原発の設備管理が適正に行われているかどうか。巨大な設備なので、思い違いなどのヒューマンエラーも考えられる。
機械は絶対いつかは壊れます。世の中で犯罪や不正が無くならない現実を考えれば、人間が介在する原子力発電は今後も問題ばかり起こすでしょう。