建築家との住まいづくりレシピ館from/for 館長ブログ

建築家との家づくりをお考えの方、自分なりの家づくりを求める方、フロムフォー(掛川市)では建築家との橋渡しします。

プロセス紹介 A邸の場合(7)~建築家と家づくりをすること~

2010年07月01日 | プロセス紹介(A邸)
建築家と家づくりをすることのメリットは、例えばAさんのお宅の場合、変形した敷地を最大限に活かした建物を考えてくれる、ということだ。敷地の中に家をはめ込むのではなく、住む人の希望、採光、通風、その土地の気候や風土などを最大限に取り込んで創造していく、ということなのだと思う。

建築家のTさんに、逆に「フロムフォーがあいだに入ることのメリットって、何でしょうね?」と聞いてみた。
三つある、とTさんは答えてくれた。
「一つ目は、家づくりをしようとする人が、直接、建築家にアプローチしなくてもいいということ。直接話をすると断りにくくなるのではないか、という一般的な不安を解消できる。建築家とのあいだにワンクッションある、というのがいい。
二つ目は、複数の建築家の持ち味や方向性を知ることができるということ。ホームページなどで知った情報だけでなく、生の声が聞ける。例えば、写真を見ただけでは気づかなかった経緯やエピソードを知ることができる。
三つ目は、事前に、建築家の建てた家を見ることができるということ。少なくても、外から外観を見ることはできる」

生活者の立場に立ったとき、フロムフォーの役割というものが少しはあるのかな、と思うのだ。

プロセス紹介 A邸の場合(6)~「音」も重要な情報~

2010年07月01日 | プロセス紹介(A邸)
奥さんから、キッチンの流し台正面に窓をつけたいという希望があった。流し台の正面は、玄関前のポーチの位置になる。
「郵便やさんが来た」
「お隣さんが回覧板を置きにきてくれた」
といった気配を何となく知りたい、というのが理由だ。
実はこの「何となく」がポイントで、こちら側が見えすぎても落ち着かないし、気配を感じ、風も通るけれど、目線を遮ることが大事な要素となる。

建築家のTさんと話をしていく中で、次第にイメージが固まっていく。まだ仕様は決まらないものの、奥さんもほっとした表情だ。
一つ一つ丁寧に進められていくのが、建築家との家づくりの特徴かもしれない。

建築家Tさんの、「気配を感じるとき、『音』も重要な情報になる」という言葉が印象的だった。