優しき戦士

重き荷も坂も　他人には何ひとつ見えはしない（中島みゆき「重き荷をおいて」より）

昨日のブログで予告しました通り、今日は皆さんに「ごんちゃん」を紹介させていただきます！

ごんちゃんの本名は、舟元権造（ふなもと　けんぞう）
「けんぞう」だけど名前に「権」が使われているということで、「ごんちゃん」というあだ名で呼ばれています。
来月初め（３月９日）に２５歳になる大阪出身の青年です。

僕がごんちゃんのことを知ったのは、去年の９月に放送された番組。
その番組では、プロデビュー戦を控えた２人の新人競輪選手（９２期生）の姿を追っていまして、１人が９２期の在校成績１位の選手で、もう１人が在校成績４４位のごんちゃんでした。

ごんちゃんは一人っ子の僕とは対照的に兄、弟、そして３人の妹がいます。
ごんちゃんが高校生の頃にご両親は離婚。
６人の子供を全員、お母さんが引き取り、育ててくれました。

ごんちゃんが苦しい練習を重ね、競輪選手になったのは、家族のため。
今まで苦労を重ねてきたお母さんに楽をさせてあげたい！
妹達をきちんと学校に行かせてあげたい！
家族のために家を建ててあげたい！
そんな家族を思う優しい気持ちが、ごんちゃんの原動力となっているのです。

競輪界は成績（順位）と収入（賞金）が正比例し、トップクラスの選手になりますと、年収は１億円を超えるんですよ。
そして、成績が良ければ「競走得点」が上がり、上のクラスへ昇格できるのですが、悪ければ点数は下がり、降格してしまいます。
また、規定の得点を獲得できなければ、本人の意思など関係なく、引退しなければなりません。
まさに「実力」がモノを言う世界。

先ほど書いた在校１位の選手はデビュー戦を１着で飾り、３日間の成績も上々。
彼がこの時手にした賞金は、約６０万円。
一方、ごんちゃんのデビュー戦は８着で、２日目・９着、最終日・８着。
３日間で数万円の賞金しか手にすることが出来ませんでした。
とても厳しいですが、これがプロの勝負の世界。

レース後、ごんちゃんは一人暮らしをしている部屋に戻り、悔し涙を流してました。。。

その悔しさをプラスの力に変換し、辛く苦しい練習を重ねる日々。
練習はすぐに効果が表れ、成績へ簡単に結びつくものではありません。
しかし、練習しなければ強くなることも、他の選手より先にゴールすることも出来ないのです。
何ごとも楽したり、努力を怠っていたら、退化してしまいますもんね。

練習の成果もあり、最近、徐々に成績を上げてきているごんちゃんは今日、高知競輪場でＡ級３班の選手のみで行われる決勝戦を走りました。
今回は初日・３着、昨日の準決勝・１着と好調！
悲願の初優勝を目指し、レースに挑んだのですが、結果は。。。。












惜しくも４着。
初優勝は次回へ持ち越しとなりました。
次回はごんちゃん、地元＝岸和田で走りますので、地元で優勝を決めたら最高なんですけどね。＾＾

ごんちゃんのプロフィールはこちら↓
http://keirin.jp/pc/dfw/dataplaza/guest/membprofile?SNO=014256

競輪のイメージって、日本ではあまり良いものとは言えないですよね～。
でも、選手の皆さんは危険と隣り合わせの中で、自分の夢や目標を叶えるために、家族のために懸命に戦う「プロアスリート」なんです。
今年は北京五輪が開催されますが、前回の大会＝アテネ五輪の自転車競技で銀メダルを獲得したのは競輪選手でしたしね。

今月初めのブログに書いた「競輪くじ」も今春から始まりますので、新しい大きな波がやって来るかも！？