ふらんす堂の放課後

小さな出版社の日々つれづれを、スタッフ持ち回りで書いています♪

実沢山

2005年11月21日 | Weblog
11月の国立城山公園の風景は、沢山の木々がありとあらゆる実をつけていました。

木はその季節になると花が咲き、そして実がなるのだということを、この城山の木々たちは、私にあらためて教えてくれています。

今回は、その中でほんのいくつか写真にとってみました。

まずはわたしたちもよく目にするものから。



石榴です。たったひとつ残っていたものです。

「木守柿ではなくて、木守石榴ね」と誰かが言いました。




柚子。 ひとつ欲しい……
この下にはきれいな小流れがあり、すこし前には、みぞそばが沢山の花をつけていました。




夏蜜柑かしら? ウーン、夏蜜柑って夏のものじゃなかった?
でもとても美味しそう。




薄紫の花を咲かせていたやぶ蘭の実です。
ピンボケでした。
ちょっと龍の玉みたいですが、ちがいます。

この次に来る時はきっと龍の玉を見ることができるでしょう。


これは何だと思います?



「しろだもの実」なんだそうです。
赤くても「しろだも」と言います。私は、はじめて知りました。
じつは「しろだもの花」も同時に咲いていて、誰かが持っていて、見せてもらいました。
こちらは、ちゃんとオフホワイトの色をしていました。




あの「まゆみの実」です。
可愛いでしょう。こんなにチャーミングなのですから、俳句によく詠まれるはずですね。


しんじつを籠めてくれなゐ真弓の実  後藤比奈夫

こころいま旅に飢えゑをり檀の実   福田甲子雄





わたしたちが今よく目にするピラカンサもどっさりありました。
何と言っても強烈な赤です。


ほかにも沢山の木の実がありましたが、こんな風に、実沢山の城山にも冬は始まりつつあります。


山茶花の白がとりわけきれいでした。




そうして、柊の花も満開です。
大分虫に食われていて、ちょっと痛々しい感じでした。
私は、はじめて柊の花を意識しました。





柊の花一本の香かな  高野素十


そうして、いよいよ枯蟷螂。
10月には大変元気で、こちらに向かって鎌を振り立てて、威嚇していた蟷螂が、じっと動かなくなって、もはや精気をなくし、まさに枯れていこうとしています。この蟷螂は目ばかりが緑色で、かすかにまだ生きていることを知らせているようだと、誰かが言ってました。






かまきりのをはりのこゑを聞きにけり  今井杏太郎


12月の城山はきっとますます枯れをつくしていることでしょう。


(f)



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