この度のイタリア旅行ではイケメンの品定めをしてこようというふとどきな目的がありました。
結果、そんなに私ごのみのイケメンはなかなかいないというのが今回の感触でした。
ヴェネツィアあたりで際立って感じたことなのですが、イタリアは中年以上の男に華があるっていうこと。
派手なスーツをびしっと着こなし素足にぺったんこの白い靴をはき、やわらかな色の髪なびかせて、「おれって、どうよ」ってポーズをつくって、人通りのはげしいところに立っていたりする。
べつにそのすじのクロウトさんじゃありません。
つねに自分を見せるものとして存在させる。その伝統的信念はみごとなほど。
イタリアの男には「枯れ」などというものは存在しない。老いてもいつまでも男でありつづける。
っていうことで私は、ちょっと苦手。
現前(うつつ)の男より、観念(ゆめ)の男がすばらしい、ということでわたしにとってのイタリア三大美形を紹介します。
別に知りたくもないって。
まあ、そういわずにおつき合い下さいませ。
第一位。
ルキノ・ヴィスコンティ監督『ヴェニスに死す』(トーマス・マン原作)に出演した知るひとぞ知るビョン・アンドレセン。そのクールな美しさは初めてこの映画を観たときから、いまにいたるまで彼以上の美形にはまだ出あっていない。
偶然、ミラノの本屋で見つけました。
タイトルは『THE BOY』。表紙をかざっているこの本をみつけたときはなつかしさのあまり走りよってしまった。中を見れば、なんと美しい男たちの集大成。あまりにも大きくて厚い本なので、買うことはあきらめて表紙の写真撮影のみ。美しい男の集大成でありながら、表紙を飾っているということだけでも、いかに彼が美しい少年であったかわかるというもの。彼の美しさを観賞するだけでも、この映画は観る価値あり。ダーク・ボガード扮する初老の音楽家が、少年タジオの美しさに魅せられ翻弄されて命を失うというヴェネチアを舞台にした陰影の深い映画です。
第二位。
画家のラファエロ。ルネッサンス時代というのは知られているようにゲイ社会であり、ダ・ヴィンチ、ボッチチェリなど男色家の多いなかでめずらしく(?)ヘテロであったということですが、これはラファエロの有名な自画像。買ってきた絵葉書を額装にしてみたもの。
味の濃いイタリア美形のなかで、清楚な美しさがあると思いません。
もっとも、人間的にはミケランジェロの一徹さとは反対に、自分の可愛らしさを武器にローマ・カトリックの権力者たちにとり入ることがうまく、嫌なヤツだったということですが…
第三位。
このブログで何度かお話している、ジュリアーノ・ド・メヂィチ。彼の肖像はほとんど残っておらずこれはボッチチエリの有名な「春」、左端にいるジュリアーノがモデルであると言われているメリクリウス。
その美しさは「フィレンツェの花」と称賛されたということです。何度も書いてますよね、ちょっとしつこいかな?
ということで、以上は私の独断と偏見によるランクづけでした!!
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