ふらんす堂の放課後

小さな出版社の日々つれづれを、スタッフ持ち回りで書いています♪

シャンティクリア

2005年11月22日 | Weblog


今月初めに、横浜みなとみらいホールに行ってきました。

シャンティクリア(アメリカの男声ヴォーカルアンサンブルグループ)、日本公演。
私がシャンティクリアの歌を初めて聴いたのは「Colors of Love(邦題:魔法のア・カペラ)」というCDででした。このCDは今でもシャンティクリアのCDの中で一番のお気に入りです。

彼らの歌を聴いて驚くのはその完成度の高さ、洗練された声。そして、レパートリーの多さ。
ルネッサンス時代の宗教曲、アメリカ民謡、日本民謡、現代作曲家の曲等…。

今回実際聴きに行っての感想は――
聴いている人を飽きさせない演出の素晴らしさ。今回の私の席は前から2番目!でした。まさに目の当たり!。
曲によって並び方を変えたり、ある曲では1フレーズ毎に全体12人いる中の、パートの違う3人がローテーションで前に出て歌ったりしていました。歌わない残り9人は少し後ろに横並びになって聴いていました。
くるくると入れかわって歌っているのに……崩れ乱れがない! 歌の大道芸を見ている、聴いている気分でした。
次はなにがでるかな?ワクワク。目が離せませんでした。
声というより、舞台で不思議な音が鳴っているようだった「パスト・ライフ・メロディー(ウィテカー作曲)」という曲。
最後の方、ホーミーが聴こえてきたような…。はなれ技! 力量をみせつけられたような気がしました。

日本民謡やアメリカ民謡など、親しまれている曲が少なかったし、ここに聴きにきているのは皆、普段合唱に関係している人達なんだろうなと思いきや、「シャンティクリア聴くのは初めてだったんだけど、どれがお勧めなの?」と、休憩時間にロビーでCDを買い求める人がいたり。
(最近CDショップでもよく見かけますのでよかったら是非! お勧めです)

今回のこの選曲で、これだけ魅力的な舞台が作り出せるのかと、驚きました。
きっと計算し尽くされた演出のせいでしょう。
まさにプロの合唱団でした。

大満足のコンサートではありましたが、疑問を感じたところは、
メンバーの数人がお客さんにお尻を向けて歌っている時がありました。意図しての並び方だったのでしょうが、私は違和感を感じました。
「ソーラン節」のあいの手「ハイ、ハイ」のスタッカートが短く区切り過ぎているように思いました。


席が2列目だったので表情までよく見ることができました。本当に個性溢れる方達でした。職業=シャンティクリアの人達。
その洗練された声から予想した通り、原点は中世からルネッサンス時代の音楽だと、パンフレットにありました。
芸術監督のジョゼフ・ジェニングズはアメリカ南部の伝統色の強い浸礼派教徒として育った人で、そこでは信仰の中で音楽が大事な役割を持っていたということです。
どうやらここにシャンティクリアの背骨がありそうです。
私は信仰をもたないので、「信仰の中の音楽」を理解することができません。合唱の友達にいたら是非いろんな話をききたいと思っているのですが、残念なことに誰もいません。

シャンティクリアの音楽とは……聴く人の心にまっすぐに届く感じがしました。精神に直接呼びかけてくるような。

(mw)

※写真はコンサートのパンフレット表紙
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シャンティクリア公式ホームページ
http://www.chanticleer.org/