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クローバー 匍匐(ほふく) 福福

14.アドバイスしてはいけない!

*****「精神疾患シリーズ」最終回*****

私は人に「辛い!」「苦しい!」と伝えたり、悩みを相談したりした時、みなさん、私のためになると思うことを一生懸命考えて言ってくださいます。でも、ありがたいと思っているのに、なぜか、あとからモヤモヤすることがあるのはどうしてかとずっと気になっていました。

私が辛いといった時、「そうなんや…。」とか「そんなふうに思うんやね。」と相槌を打ちながら、ひたすら聞いてくださる方がいます。話を聞いてもらうことで気持ちが落ち着いてきます。人に話すことで気持ちが整理されていきます。人に聞いてもらって辛さを吐き出すというのは気持ちを軽くするのにとても効果があると思います。

悩みを相談した時、「それは心配だね。」と全部聴いてくださった後に「私に何かできることある?」と聞いていただいた時はとても嬉しく思いました。





周りの人に「辛い!」「苦しい!」と伝えたあとすぐに

「気にしすぎたらいけないよ。」
「考えすぎたらいけないよ。」
「嫌なことは忘れて、いいことだけを考えなさい。」
「誰でも辛い時はあるよ。」
「私は人に辛いとは言わないよ。」
「いつまで引きづっているの!切り替えないと!!」
「大丈夫、元気!」
「考え方、捉え方を直しなさい。」

とアドバイスしてくださいます。





どなたも、とても思いやりのあるいい方です。人生経験や知識の豊富な方々です。親身になって何とか私を楽にしてあげようと一生懸命に考えてアドバイスしてくださいます。

人から相談されたり、辛さを吐露されると自分の知識や体験から一番いいと思うことをアドバイスしようとします。アドバイスしなければいけないと思います。私自身もそうです。

それは分かるのに「どうして、こんなにモヤモヤするのだろう?」「もう話をしない方がいいの?」と思う自分がいて、「私って、ひがみっぽいのかな?」「心が狭いの?」とずっと思ってきました。

もしかしたら、双極性障害Ⅱ型の『対人過敏症』の影響もあるかもしれません。





ネットをいろいろ調べてみたら ”アドバイスはしてはいけない” と書いてあるではありませんか!それも、異口同音に!!
これには驚きました。そして、納得しました。





私はうつが酷くなると心があると思われるところが膨らんできたり、不快なものが貼り付いたりしてとても苦しく辛くなるので、吐き出さずにはいられなくなります。(ため息がたくさん出ます。)

「辛い、苦しい!」と声をかけて、どのように辛いのか、苦しいのかを聴いていただく前にすぐにアドバイスしていただくとそれ以上話せなくなってしまいます。


     めるもコミュニケーション総合研究所代表理事 松橋良紀さん

やってはいけない「励まし方」、効果的な「励まし方」



ここに書かれている『心にたまった泥水を捨ててもらうこと。泥水を吐き出さなければ、きれいな水は入らない。』は目からウロコでした。

『相手が悩み事や愚痴を他人に打ち明けるときというのは、心のバケツに泥水がたまって溢れている状態です。

心のバケツがいっぱいの状態では、きれいな水を受け入れる余裕がないということです。どんなアドバイスも励ましも、受け取れる状態ではないのです。

まずは心の中の泥水を、すべて吐き出させてあげることが大切なのです。』





『「なにがあったの?」「どうしたの?」「どうしてそう思うの?」と、話を促しながら、とにかく聴くことです。

あなたのアドバイスや励ましは、その時点では不要です。
誰かに聴いてもらうことでしか、心のバケツにたまった泥水を吐き出す方法はないのです。』

まさに私が辛いのは心に泥水が溜まって溢れそうになっている状態なのだと思います。



   
     
    心理カウンセラー・ラッキーさん

【聞き上手は好かれる!】悩み・愚痴の正しい聞き方

これはとても分かりやすいし楽しく読めます。男性必見かも…😆






ブロガー、カウンセラー、そしてコンサルタントとしての仕事もしている立花岳志さんによれば・・・

もし、相談を受けた時、やってはいけないことが「アドバイス」以外にもある。それは、「正論を説く」「指導する」「説教する」

これも驚きました。

『どんなにあなたが言っていることが正しかったとしても、相手の言葉を遮っていきなり正論をアドバイスしても本人には届かないし、話を遮られたら「この人は話を聴いてくれない」「私のことを受け入れてくれていない」と判断し、ガッカリし、心を閉ざしてしまう。』

『あなたにアドバイスを求めに来る人は、アドバイスや指導の前に、まずはあなたに理解してもらいたがっている。寄り添ってもらいたがっている。』

『安心感を与えてあげることが出来れば、相談しにきた人は安心するし、あなたに対して心を開くだろう。

『心を開いてお互いが信頼関係を構築したあとで、相談者に提案した形でアドバイスや指導をして、その人が抱えている問題が解決したら最高だ。』

『「共感なき解決」では人は救われない。』





私は早期退職をしましたが小学校の教師をしていたことがあります。
教師は「正論」「指導」「説教」をするのが仕事のようなものです。少なくても、私はそう思って来ました。

忙しい中、いろいろなトラブルや解決しなければいけないことがあり、瞬時に「正論」を子どもたちに説き、「指導する」必要がありました。よく「説教」もしました。

子どもたちのトラブルを解決するとき、時間がないので、一通り話を聞いた後、喧嘩両成敗のようなことをしていたのではないかと反省します。





しっかり、話が聞けない中、「ごめんね。」「ごめんね。」とお互いに謝らせて解決することもありました。休み時間は10分、長くても25分しかありません。その終わりの方でトラブルがあることもあります。次の授業が気になり、しっかり子ども達の話を聞けなかったのです。

もしかしたら、今でもそういう癖が染み付いているかも知れません。(私のブログも正論、指導、説教じみたところがありますね😅

日本の1学級あたりの児童数は世界と比べても多い方です。やっと35人学級が進みつつありますが、教職員の増員と20人、25人学級を早く実現してほしいと願っています。





では、どうしたら・・・?

「そうなんだね」
「大変なんだね」
「疲れてるんだね」
「もう無理って感じるんだね」
とやはり寄り添うだけでいいのだということです。

今まで書いてきたことは精神疾患ではない一般的な悩みの相談に対しての対処法です。





精神疾患のある人に対してもほぼ同じことだそうです。違うところはその人の様子をよく見る。場合によっては医療機関に相談する(無理強いはしない)。自殺をしないかを見極める。

坂本里江子先生 精神科医・医学博士

自分の周りの人が、うつかもしれない。
   医師に聞く、「そんなときはどう接したらいいの?」








話は少しそれますが、双極性障害の自殺企図の割合は、一般集団と比較し、成人で20倍以上、青年で50倍以上だということです。

自殺は自らの意思で死を選ぶものではなく、双極性障害で自殺したくなるのは、病気の症状です。

幸い、私は自殺しようと思ったことはありませんが症状の出ている時の辛さは相当なものです。





私は相談を受けた時、悩みを吐露された時、アドバイスしないでじっくり話を聴こうと思いましたが、悩んでいる人に対して、アドバイスしないということは本当に難しいことです。どうしても励ましたくなったり、自分だったらこうするといいたくなったりしてしまいます。

でも、知らなかった時と比べると努力しようとしている分、少しは寄り添って聴けるようになっているかも知れません。入院中、患者さんの話を聴く時、相手の顔をしっかり見て、全身で聴くことを心がけました。何を言おうかと思いめぐらさなくていいのですから聴くことに集中できます。





これは関係性によっては難しいと思いますが、手、肩、背中など体のどこかに触れながら聴くというのもいいかも知れません。

昔、坂道を上る時、死んだ弟に背中を押してもらったことがあります。その時、助けてもらって有り難かったのと同時にとても心が温かくなって嬉しかったことを覚えています。

入院していた時、ある患者さんのパーカーのフードがひっくり返っていました。私が「このままでは幸せは逃げてしまいますよ。」フードをひっくり返して「はい、これで幸せがたっぷり入ります。」と背中をポンポンとしました。





あとで、その方は「背中を叩いていただいたことがこんなに嬉しいとは思わなかった。」と言っておられました。

今はコロナで難しいですが、出来る時はボディタッチもコミュニケーションの一つにしようと思います。





「精神疾患」シリーズを書いている途中で、うつ状態がひどくなり、入院まですることになるとは思いもしませんでした。

光トポグラフィーの検査は病院側からの指示だったのですが、検査をするといわれてから入院してせっかく良くなって来ていたのに、私は状態が悪くなってしまいました。

なぜなら、私はブログで私の双極性障害のことを書いて来たのに、検査の結果、とてもきれいな健常者のパターンだったら、今まで書いて来たことが崩れ落ちるような気がしたからです。





悩んでいたことを伝えていた看護師さんに結果を報告すると「おめでとう!」と言われました。私の悩みが解消したことに対してです。

私は自分の光トポグラフィーの波形を見て、この辛さはやはり「脳」から来ていたのだと改めて思いました。

事情があって、早く退院しました。症状が良くなって退院したわけではないのでまだ辛い症状が出ます。

友人、知人、近所の方に助けていただいてなんとか過ごしています。真心の温もりに触れると症状が軽くなります。本当に不思議です。





とりあえず、これで「精神疾患」シリーズは終えようと思います。
文章が長い上に難しい内容で読みにくかったことでしょう。
独りよがりの部分もあったかも知れません。

「精神疾患5人に1人」の時代です。
これらの記事が外から見えにくい「精神疾患」を知るきっかけになり、身近な人が「精神疾患」になられた時に何かのお役に立てば嬉しいです。

また、同じ病気の方がここは同じ、ここは違うと教えていただけるとありがたいです。


フォロワーさんはじめ、私のまわりの皆さま、この精神疾患のブログを長きにわたって読んでくださった皆さまに心から感謝いたします。

2022.2.26


イギリス


コメント一覧

fourleavedclover
@sden66k1800 今後ともよろしくお願い致します。
sden66k1800
こんにちは
ブログ拝見してます
akimilk613
クローバーさん、こんにちは(^-^)

今日、通院日だったのですが、入院はしないことになりました。
しばらく実家で療養します。

早く就労支援施設に通所したいのですが、主治医からは4月いっぱいは様子見と言われました。

私は、焦り気味の傾向があるので、少しゆったり過ごしてみます(>_<)
kogetagaku
四つ葉さん
わざわざ加筆して下さってありがとうございます(^O^)
今度はちゃんと理解することが出来ました。

爺がよく言う困る人。
「答えを持って会議をする人。そのとおりにならないと不機嫌になる人」
が、まさに問題児であることを再認識してしまいました。

その人は私の今の上司
具合が悪くて休んでいるのに2ヶ月に1度は呼び出されたり病院に同行したりしています。

別れ際、決まって爺に同じことをします。

両肩をバンバン叩いて、
「食事をちゃんとしろよ!」
両肩をがっしりつかんで
「俺はお前が好きなんだから、困ったら連絡してこいよ!」
元自衛隊員でデカくてがっしりしたひとだから、威圧感は半端じゃありません。

はい…

とは言いますが、帰り道の辛いことこの上なしなのです(´;ω;`)

今の仕事のことは、転職が出来たら記事にしようと思い、あまりブログには載せていません。

でも、経験しないとこういうことは理解できない。
相手の立場になり、相手に寄り添う。
と毎回、思い直す出来事です。
fourleavedclover
@minami-hime みなみ姫しん、こんばんは!

確かに5分診療と言われていますよね。私の今までの主治医は全身で共感してよく聞いてくださいました。昨日も30分以上聴いてくださったと思います。でも、次回からは主治医が変わるので心配です。

カウンセラーさんは30分間対応していただけると思います。時間が長いのと深いところまで話すので相性が合わないと難しいと思います。以前のカウンセラーさんはとてもいい方でした。

私の回りは教師が多いので、自分の知っている範囲のことを当然のことのように言ってこられる方がおられました。私はモヤモヤすることが多かったのです。でも、これを読んでいただいても気付いていただけないような気がします。

今回のブログを書いてきて、人はなかなか変われるものではないんだなというのが今の私の感想です。
fourleavedclover
若爺さん、ご指摘有難うございます。

この記事のリンクがうまく貼れずに、はしょった形で書いたので分かりにくかったのだと思います。

私は書くとどうしても長くなってしまうので、どこを削ったらいいかいつも悩んでしまいます。

若爺さんの気になられている部分を付け加えてみましたが、これでいかがでしょう?
minami-hime
この通りだと思います。
そして私が掛かっている精神科医への違和感の理由がわかりました。
短い診察時間で、正論を指導するんですよ。
診察時間の短さは保険診療の関係で全国共通ですが(暇な病院以外は?)、
保険外でもカウンセリングを受けるべきなのかな―と、
受けたことがないのでありがたみが実感できませんが。
私は適応障害で、3ヶ月休職し、その後フルタイム勤務しており、
病気かどうか微妙な所だと思いますが、これ位の人も含めて、
5人に1人、やっぱり多いですね。
シリーズできっちり書いていただき、読み応えがありました。
kogetagaku
四つ葉さん

連載お疲れ様でした(^O^)
最後の記事を読みながら…
爺はブログで要らぬアドバイスをしていないかとドキドキしてしまいました。

爺はコメントを書く時に心がけていることがあります。
猫の手の先の爪の垢程度に役に立つ。
です。
お会いしたことのない方に対するコメント…
特に、爺はココロの風邪に関する記事をよく読むので、励ましてはいけない。何故?はいけないことは心得ています。
だから、猫の手の先の爪の垢程度、相手が微笑むコメントが出来ればいいなといつも思うのです。

ちゃんと出来ているのかな…

一つだけ…
立花氏の相談の話ですが、
相談を受けた時、やってはいけないことが「アドバイス」以外にもある。それは、「正論を説く」「指導する」「説教する」
という言葉が引っかかってしまいました。
「説教する」は爺の考え方にも反するので納得ですが、相談してきた人に「アドバイス」「正論を説く」「指導する」をしなかったら、相談者はどのように問題を解決するのでしょうね。
答えが分からないから相談をする。
それに共感してあげて…
で答えは自分で見付けるのかな?
見付からないから相談しているのでは?

そして思いました。

相談にも種類があることを。

仕事のオペレーション的相談は「アドバイス」「正論」「指導」が即座に必要。
逆に共感することに違和感が生まれます。

爺は、そちらの相談に頭が向いたのです。

きっと、ここに書かれている相談は、答えが複数あるファジーな相談なんだろうな…
だから、答えをひとつに絞らず、相手に同調して考えてもらう…
そんな感じであっているでしょうか?


ココロの問題の記事は個性がすごくあってどなたも興味深い内容だと思います(*^^*)
四つ葉さんは、とにかくよく調べてからまとめているようで、学術的文献に沿った内容に感じて読んでいました。

そうかと思うと、感情をぶつけるだけの人もいます。

日常生活では共感されないため、ブログで自分のココロを吐露するという人もいます。

爺は、自分が苦労をしたから、記事を読んで、
「自分は特別へんというわけじゃないんだ」
と思ってもらえたら嬉しいという気持ちで書いています。

皆さんのブログがこれからもゆっくりのんびり続くといいですね(^O^)
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