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もしかして、高知人気質?

2014年09月19日 11時38分05秒 | 昔話 など


今から20年と一寸前の夏休み、ワンボックスにバイクを積んで四国へ一人旅に出た。

出発前に友人に連絡した所、彼等のバンドが高知のバンドとジョイントライブやるから、四国にいるなら合流しようという話になったんだ。

で、高松での用事を済ませ高知の阪急ホテルにチェックインして、夕方、ライブハウスに向かい、ライブは盛況のまま打ち上げに流れた。

で、その打ち上げ会場の居酒屋で、高知人の真髄と言うか、思いやりというか、恐ろしさと言うか、まぁ、兎に角、ぞっとする体験をする事になった。


会場になった居酒屋は、手前にテーブル席、奥に60~70人座れる座敷が有り、その全てが満席。


念願の龍馬ゆかりの地・高知に居る感激を噛み締めながら、ライブの成功を祝い、高知のバンドボーカル(以降、Vとします)と対面で話をしていた。


  V:龍馬好きなら、桂浜行った?

3号:明日行く予定なんだ。 龍馬の銅像と肩組んで写真撮りに来たんだから、絶対に行くよ!


そう言った瞬間、店内から音という音が消えた。


何が起こったか判らない侭、店内を見渡すと・・・


満杯の座敷に居る打ち上げ参加の客、面識の無いテーブル席の客、店員、要するに、その店に居合わせた全ての人の視線が3号に集まっていた。


で、一呼吸置いて、割れんばかりの拍手と喝采・・・


「頑張れよ~!」
「凄~い!」


そんな言葉を苦笑いで受け流し、翌朝、その拍手と喝采の意味を知った。


上野の西郷さんの銅像位だと思っていた3号、まさか、銅像が目線の遥か上に建っている事など想像すらしていない。

オマケに、参考にしていたガイドブックの写真は土台まで写っていないから、見上げる事も無く、桂浜を探し回ったのだが・・銅像が無い。

で、

「まさか!!」

と思い、さっきから目にする細い石垣を見上げた時、全身から力が抜けていった。


銅像は、その細い石垣の遥か上に鎮座している。

しかも、かなりデカイ!


昨夜の高知の人々の喝采が蘇る。


(なんとしても、やり遂げなければ・・・・)


二日酔いが醒め、朝の光を反射する桂浜に砕ける波の様なそれまでの希望は吹っ飛び、世の中の不幸を一瞬にして背負い込んだような気分になった。


というのも、天辺の銅像まで昇る梯子が無いし、石垣に手足を掛けるような隙間も凸凹もないのだ。


(実行したら死ぬかもしれない・・・)



再び、昨夜の喝采が聴こえる。


(あいつ等、知ってて拍手したの?)
(いや、待て、あの時の彼等の目に曇りは無かったぞ?)
(ってことは、純粋に出来ると思ったんだ・・)
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   ・
(なんて奴等だ・・・無邪気過ぎるにも程が有る)
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(恐ろしや、高知人・・・)


期待に応えられなかった後ろめたさと敗北感、朝一で味わった、酸っぱい体験。




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