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FO-29管制局からのお知らせ

「ふじ3号」(FO-29)の運用情報をこのブログを活用して提供していきます。

西側を通過するパス

2008-01-28 14:51:10 | Column
太平洋上を通過するパスと大陸上空を通過するパスではコマンドのかかり具合に差があります。パスによってはアナログ系送信機をONにできないことがあります。
この現象は、FO-29に限った事ではないのです。1986年に運用を開始したFO-12、その後継機であるFO-20でも同様の現象を確認しています。最初は管制局のアンテナの不具合(方向などの調整ミス)なども疑いましたが、確認試験の結果、問題は見つかりませんでした。
アマチュアバンドの近傍に強力な与干渉波が有る可能性があるとの判断から、FO-29には強力なBPFを付加しましたが、激的な効果は確認できていません。

モールス電信の通信速度

2007-11-29 15:33:51 | Column
「baud」:モールス符号の1単位(短点の長さ)を伝送するのに必要な時間(秒)の逆数をbaud(ボー)と定義。
通信速度50baudは正の半サイクルをマーク、負の半サイクルをスペースとすると25Hzとなる。
1分間に伝送する字数(WPM:Words per minutes)とbaudの関係は次の通り。

欧文 : WPM=baud×60/8(または9)
和文 : WPM=baud×60/13.2


太陽電池発生電力の季節変化

2007-08-14 22:50:49 | Column
衛星の太陽電池発生電力は季節によっても変化します。地球は太陽の周りを1年かけて1周します。地球の描く軌道は円軌道ではなく楕円軌道で、1月に地球に近づき7月に一番離れます。FO-29の発生電力の変化としては2~3%と小さく、大量のテレメトリデータを統計処理しないと確認することはできません。



FO-29とアルベド

2007-08-14 08:04:12 | Column
FO-29の形状は26面体で、ロケットとの分離部以外には太陽電池が貼られています。太陽電池の発生電力は衛星の姿勢により変化しますが、その他にも発生電力を変える大きな原因となるのがアルベド(albedo)です。アルベドは地球にあたった太陽光が反射した光ですが、衛星の電力事に大きく寄与します。光を反射しやすい雪氷や雲が多い所の上空では、FO-29の発生電力を最大6W近く増加させます。しかし、このアルベドの恩恵に与れるのは、食(日陰)率が大き時で全日照時は1W程度になってしまいます。


FO-29の受信機

2007-08-13 12:53:25 | Column
「ふじ3号」の中継機を構成する受信機について簡単にご紹介しましょう。この衛星にはアップリンク(地上から衛星への回線)に144MHz帯、ダウンリンク(衛星から地上への回線)に430MHz帯を使用しています。このアップリンク周波数とダウンリンク周波数の組み合わせをJモードと呼んでいます。Jモードと呼ばれる由来につきましては別途機会を設けて説明させて頂きます。
「ふじ3号」にはJモードの周波数帯を使用した、アナログ系中継機とデジタル系中継機が搭載されています。アナログ系中継機は、145.80~145.90MHz帯で送信された電信(A1A)や電話(J3E)などの通信を435.90~435.80MHzにヘテロダイン変換して中継します。
衛星には1台の受信機が搭載されており、アナログ系中継機、デジタル系中継機、コマンド受信機の三役を兼務しています。受信機の最前段には隣接するハイパワーの業務局からの干渉を防止するための強力なBPFを付加してあります。BPFを通過した電波は高周波増幅部で増幅された後、29MHz帯のIF信号に変換されます。IF信号は帯域幅100KHzのXtalフィルターを通過後CWテレメトリ信号を付加して、アナログ送信機に渡します。デジタル通信は4chのアップリンク周波数に対応したXtalフィルターを通して復調機に渡します。コマンド信号も同様にコマンド周波数に対応したXtalフィルターを通して復調機に渡しています。