中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ネコが気になる丹沢:塔ノ岳(今年33回目)

2009年07月21日 06時00分53秒 | 丹沢の山旅

                    <登山口付近の百合の花>

        ネコが気になる丹沢:塔ノ岳(今年33回目)
         (上り単独山行・下り門馬さんに同行)
         2009年7月20日(月・海の日)

■やっと塔へ行けるぞ!

 何だか知らないが,ここ数日は,「暇」が慌ただしかった.所詮は暇が原因だが,最初の異変は,すでにこのブログでも取り上げたパソコンの不具合である.憚りながら,私は,こう見えても,昭和39年から,つい数年前までは,コンピュータに深い関わりのある仕事をしてきたが,シーラカンス的な知識しかない私には,ここ数年のコンピュータの発達には置いてきぼりになっている.正直なところ,追いつこうという気力もない.
 手元のコンピュータが使えなくなると,さすがに大困惑.今は,たまたまオフライン専用で使っていたコンピュータを,急遽,インターネットに接続して,急場を切り抜けている.そんなときになのに,性懲りもなく,あちこちのイベントや,山に出かけているので,そのときのデータ処理も随分と遅れがちになっている.
 挙げ句の果てに,私の家の近くで暮らしている子供達が,夏休みになった孫達を連れて,連日のように我が家を訪れている.孫は可愛いので,大変嬉しいが,そんなどたばたで,随分と塔ノ岳から遠ざかってしまった.
 前回,塔ノ岳に上ったのは,7月14日(火)である.もう,1週間もブランクになっている.
 今朝も,いつものように,早朝,4時に起床する.
 東の空を見ると,真っ赤に朝焼けである.俗に朝焼けの日は天気が悪いというが,天気予報を見ると,曇りがちながら,ときどきは日も射すというご託宣である.ならば,今日は,なんとしても「塔」へ登るぞと決心する.

          <湘南モノレール「湘南町屋駅」近くに咲く百合の花>

■登山口の百合の花
 今日は祝日.電車もバスも休日ダイヤである.小田原を経由して,渋沢発大倉行の1番バスの乗車する.韋駄天のTさん,三角髭のTさん,カメラマンのMさん,もうすぐ登頂2000回の門馬さんなど相変わらず多士済々の顔ぶれが集まっている.それに休日なので,見慣れない登山客でバスは大変な混雑である.
 6時59分にバスは大倉に到着する.韋駄天組はそそくさと歩き出す.やや遅れて,門馬さん,そしてカメラマンのMさんが歩き出す.何時も段取りが今ひとつ悪い私は,モタモタしているうちに,瞬く間に立ち後れる.最小限のストレッチを済ませて,私も,ご常連より数分遅れて,7時09分に大倉を歩き出す.
 出発時の大倉の気温は26℃.早朝にしては大分暑い.それに,どうやら今日も湿度が高そうである.ただ,道路の状態は,かなり良さそうである.
 7時18分,登山口に到着する.登山口からすぐ右手に綺麗な百合が沢山咲いている.カメラマンのMさんが百合の写真を撮っている.私も真似をして,百合の花の写真を撮る.そうこうしている内に,折角Mさんに追いついたのに,また,間があいてしまう.

               <登山口付近:思わず見とれてしまう>

■数珠繋ぎの登山者
 休日なので,沢山の登山者が数珠繋ぎになっている.私は周囲の人に惑わされずに,楽しみながら登山を続けようと自分自身に言い聞かせる.自分の前に登山者が居ると,ついつい追い越したくなる.これを,じっとこらえて,あくまでマイペースで,無理をしないで登ると自分に誓う.
 7時18分,克董窯を通過する.ここで大きな荷物を背負ったカメラマンのMさんに追いつく.
 「平らなところは,一足先に行かせてもらいます・・・花立山荘までの上り坂はゆっくり行きます」
と挨拶して,先に行かせてもらう.
 とにかく自制しながら歩こうと思っている.ところが,いつの間にか歩きながら,色々な雑念が生じてしまう.その結果,自動運転に近い状態で,無意識のうちに歩き続けている.特にトムラウシの事故のことが頭にこびりついていて,どうしてあんなことになってしまったんだろう.担当していたガイドは誰なんだろう.会ったことがあるかな・・・などと次々に連想する.さらには飛躍して,大体,何が嬉しくて,私は,今,塔ノ岳に登っているんだろうと疑問になる.どうせ山頂に到着しても,ものの30分ほどで下山してしまうではないか・・・それでも登るのはなぜか.
 もう,こうなると正解などはない.ただ言えることは,例え汗をかいたとしても,登山をしているときは,確かに楽しい.だから,私は楽しいためには,「頑張らない登山」に徹しよう.私は,まるで悟ったような気分になる.

■萱場平
 駒止茶屋手前の長い上り階段にさしかかる.私は汗をかかないように自分に見合ったペースで登り続ける.階段の途中で,1人の中年男性が近づいてくる.随分汗をかいて,息づかいも「はあ,はあ」している.随分無理をしているなと思うが,私は黙って道を譲る.
 8時14分に駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してから1時間05分経過している.今日の暑さにしては,まあまあ出来の良い速度だなと納得する.少し,甘いかな.
 このまま,同じペースで歩き続ければ,多分,2時間30分以内で,十分,山頂にたどり着けるなと予測する.
 駒止茶屋の直ぐ上にあるベンチで,先ほど私を追い抜いた男性が,仰向けにひっくり返って休憩を取っている.
 「それみたことか.ゆっくり歩けばいいのに・・結局,私の方が速いじゃないか」
と,私は声を出さずに心の中で,この男性を諭す.
 やがて,堀山の尾根道になる.涼しい微風が尾根を吹き抜けている.涼しくて実に気持ちが良い.ただ残念ながら富士山は厚い雲の中である.大倉尾根の反対側を見ると,雲が沸いていはるものの,表尾根の山々が綺麗に見えている.
 8時29分,堀山ノ家を通過する.小草平のベンチで休んでいた女性が,すくっと立ち上がって,私の直ぐ後に続く.後に付けられると少々煩わしいが,まあ,気分の持ちようである.私はマイペースを守りながら登り続ける.
 最初の出だしで,体力をセーブして歩いていたので,長い上り坂に差し掛かっても,全く疲労感はない,気分上々である.そのまま,定速で登り続ける.
 8時47分に萱場平に到着する.いつものように定点観測の写真を撮る.

                 <今日の萱場平>

■尊仏山荘のOさんとバッタリ
 萱場平を通過してから,再び長い上り坂になる.私の歩く速度は,相変わらずの定速.心の中で,
 「イチ,ニイ,サン・・・イチ,ニイ,サン・・」
と足のリズムを取りながら登り続ける.
 8時49分,下山してくる尊仏山荘のOさんとすれ違う.
 「こんにちは,Oさんが下山するんでは,今日は営業部長に会えないかな・・」
 「2階にでも居るでしょう.会ってやってくださいよ・・俺が下山すると,ふてくされてしまうんですよ・・・」

■登山者が屯している花立山荘
 花立山荘手前の階段が近づく.
 階段のとりつき場所から直ぐ下にある大きな岩の差し掛かる.すると,先ほどの女性が,大汗をかきながら,次第に私を追い上げてくる.私は女性が近づくのを待って,
 「どうぞ,お先に・・・」
と道を譲る.女性は汗びっしょりになりながら,私を追い抜いていく.
 やがて,長い階段が始まる.ふと見ると,階段の袂で,先ほど私を追い抜いた女性が「はあ,はあ」と,荒い息づかいをしながら,休憩を取っている.私は,軽く会釈をして,そのまま登り続ける.女性が,
 「・・私には,休まないと,この階段は登れません・・・この階段,長いんですか?」
と私に聞く.
 「ええ・・まあ,私はゆっくり登りますが,私の足で,この階段を登り切るのに,6~7分掛かります・・」
 こんなところで休むんだったら,わざわざ私を追い抜くこともないのに・・・と,心の中でブツブツ言いながら,先に行かせて貰う.
 9時07分に花立山荘を通過する.堀山ノ家からの所要時間は38分.まあまあの速度である.ベンチでは数名の登山客が休憩を取っている.

■塔ノ岳山頂
 花立山荘を通過してからも,疲労感はあまり感じない.そのまま,同じ速度で登り続ける.花立の露岩帯に差し掛かる.ここからの富士山の眺めは最高だが,今日は厚い雲がかかっていて何も見えない.
 前方を見ると,私より200メートルほど先を門馬さんが歩いてるのが見える.これだけ離れていたら,山頂までに追いつくことは不可能だが,距離が多少は縮まるかも知れない.でも,待てよ! 今日のテーマ「は無理をしない」で歩くことだと,再び,自分に言い聞かせる.
 9時20分に金冷シを通過する.登山道の両側から,
 「・・カナ,カナ,カナ・・」
と啼く蝉の声が聞こえてくる.
 金冷シを過ぎて,最初の長い階段を登る.階段を登り切る頃,上から三角髭のMさんが下ってくる.数分間を空けて,韋駄天Tさんのグループとすれ違う.Tさんが,
 「今日は暑いですよ.山頂の気温が21℃もありましたよ・・・」
と教えてくれる.
 毎度のことだが,韋駄天の方々は,大倉から2時間程度で山頂まで登ってしまうのだから凄い.
 9時33分,塔ノ岳山頂に到着する.今日の大倉から山頂までの所要時間は2時間24分.韋駄天グループとは,全く比較にならないが,1週間間が空いていて,しかも暑い日だったことを考慮すれば,私にしては,まあまあの成績だといえよう.
 今日は,山頂からの眺望はほとんどない.山頂付近では,数名の先客が休憩を取っている.

                     <尊仏山荘ご常連のシカ>

■尊仏山荘
 尊仏山荘に入る.先客は門馬さんだけ.今日の小屋番はWさん.300円也のお茶を所望する.山頂の気温は+21.3℃.やはり暑い.
 私がWさんに話しかける.
 「今日,ネコは居ないですね・・・」
 「さあ・・どこか2階にでも居ると思いますよ・・・」
 お茶を飲んでいると,私たちの会話も聞いていたのかのように,タイミング良く,営業部長が2階からスタスタと降りてくる.私がデジカメを構えている間に,1階の奥に入ってしまう.私は追いかけて,
 「ミー・・や~ぁ!・・お出で・・」
と呼び止める.
 営業部長は一瞬私の方へ振り返るが,そのままスタスタと部屋の中に入り込む.
 「お腹が空いているんでしょう・・・」
とWさんが気の毒そうに私に言う.
 暫くすると,営業部長が戻ってくる.私は,すかさず,数枚の写真を散る.
 私は,営業部長に会えさえすれば,ご機嫌である.
 
    <見返りネコ:ミー君>                           <拗ねているミー君>

■沢山の登山客とすれ違いながら下山
 9時45分頃,門馬さんが下山の支度を始める.
 「そろそろ降りましょう・・」
と誘われるが,まだお茶が残っているのでお断りする.
 お茶を飲み干してから,9時50分に,私も尊仏山荘を出発する.
 山荘を出たところで,2番バスで顔なじみのご常連とばったり会う.
 「あなたのツブカル山のブログ,楽しみにしているんですが,なかなか後が出ないですね・・」
私は恐縮する.同時に熱心に読んでいただいている方が居られるのが分かり,大変嬉しい.
 「スミマセン! いろいろあって手が回りませんが,明後日には続編を入れます・・」
 山頂から下山を開始する.すぐにカメラマンのMさんとすれ違う.
 登ってくる沢山の登山者とすれ違いながら下山し続ける.金冷シ手前で,先発の門馬さんに追いつく.
 「ゆっくり下山して,青空市場で茹でたトウモロコシでも食べましょうや・・・」
と門馬さんが私を誘う.もちろん,私もトウモロコシが食べたいので,異論はない.
 次々に顔見知りのご常連が登ってくる.さすがに登山回数2000回間近の門馬さんは顔が広い.すれ違う沢山の方々が,門馬さんに話しかけてくる.
 金冷シを過ぎたところで,2番バスのご常連,ローギャー氏とすれ違う.相変わらずお元気のようである.

              <花立場ですれ違う門馬さんとチャンピョン>

■堀山ノ家でコーヒー
 10時51分,堀山ノ家に到着する.門馬さんが,
 「コーヒーでも飲んでいきますか・・・?」
と私に提案する.もちろん,異論はない.
 私は初めて,堀山ノ家にお邪魔する.
 堀山ノ家のホームページを担当している頼兼さんが,門馬さんと私が並んだ写真を撮る.私をホームページに掲載しても良いかとのこと,もちろん構わないと返事をする.私が質問する.すると,
 「明日,ホームページをメンテナンスしますので,是非見てください.『堀山の家』で検索できます・・」
と自分のホームページをPRする.私が,
 「ところで,『堀山ノ家』の「ノ」はカタカナですか,ひらがなですか?」
と質問する.
 頼兼さんの答えは「ひらがな」.従って,当ブログでも,次回からは「堀山の家」と「ひらがな」で表記することにしたい.

                 <堀山ノ家のメニュー>



■バスでネコ談義
 11時07分,堀山ノ家を出発する.門馬さんは,下り坂も速い.門馬さんに付いていくのが大変である.途中,近道を通ったりしながら,12時15分,大倉に到着する.
 バス停横の青空市場を一回りする.残念ながら,今日は,トウモロコシはお休み.
 大倉発12時40分のバスに乗車する.すぐにローギャー氏も乗り込んでくる.暫くすると,尊仏山荘のOさんも同じバスになる.
 Oさんとは,大分前にすれ違った.随分時間が経っているなといぶかりながら,
 「あれ・・今頃ですか?」
と質問する.
 「今まで飲んでいたんですよ・・・ところでネコに会えましたか?・・あいつ,小屋番のWさんが尊仏山荘に登ってくると,俺が居なくなるのが分かるんですよ.そうすると拗ねちゃうんですよ」
 「へえ~・・・そんなことが分かるなんて,随分と利口なんですね」
 「そうなんですよ・・・可愛がって下さいよ」
 バスは,ネコ談義をしている内に,渋沢に近づく.
 今日は,夕方17時から,横浜の某所で,孫のピアノ発表会がある.最初は聞きに行くつもりだったが,何だか億劫になり始めた.どうしようかな?

[山行記録]

■水平歩行距離
       7.0km

■累積登攀下降高度     1201m

■登り所要時間
  大倉    発     7:09
  塔ノ岳山頂 着     9:33
 (所要時間)   2時間24分(2.40h)
 登攀速度    1201m/2.40h=500.4m/h

■下り所要時間(休憩時間込み)
  塔ノ岳 発       9:50
  大倉  着      12:15
 (所要時間)   2時間25分(2.42h)
 下降速度    1201m/2.42h=496.3m/h
                           (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/877b2a78b599c552feb2ddc57663c6b3
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4d0c31553a4f30542b685e4b1c57fa80 



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