気象予報士 村上繁郎のブログ

気象予報会社「ファインウェザー」の気象予報士です。身近な気象現象や季節の出来事などを気象予報士の目を通して綴ります。

今年の冬

2015-02-25 20:05:05 | 気候

春めいた日も多くなり、遅れ気味のウメも見頃となってきた。

気象庁による小田原アメダスの2月24日までの60日間の記録では、平均気温は平年より0.5度低く、

降水量は平年より12%多い。この冬は寒く感じる日が多かったが、カラカラに乾燥したという

実感はあまりなかった。

菜園の土が乾ききって木枯らしに飛ばされ、土ぼこりになる、ということもなかった。

天気は短い周期で変わっている。明日26日は雨。そして1日も低気圧の通過で雨になるのは

確定的。

そして、固かったフキノトウも一気に開き始めた。このフキノトウ、カメラに収めたのち、

胃袋に収まりました。

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初春の虹

2015-02-18 19:32:18 | 気候

17日は南岸低気圧通過による降水。今日18日は上空の寒気の流れ込みによる不安定降水。

関東地方では二日連続の雪や雨となったが、そのメカニズムは大きく異なった。

低気圧の北側では雨雲が隙間なく広がるが、不安定降水のときは雲の隙間が多く、雲間から

晴れ間がのぞくことも多い。

18日夕方は雨や雪を降らせる雲が、神奈川県西部から中部へとゆっくり移動し、箱根に沈み

かかる夕日が東の方向に見事な虹をかけた。コンデジのパノラマで急遽撮影したため、歪は大きく

なってしまったが、外側の副虹もはっきり現れている。

雨粒で光が屈折し虹がかかるが、雪などの氷の結晶では七色の虹はかからない。

今の季節、積乱雲による雨で虹がかかるのは珍しいかな・・。

 

 

 

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『天から送られた手紙』

2015-02-09 12:52:22 | 気候

 気象庁発表の9日11時30分の衛星雲画像。相模湾から東側に雲が広がる。

9時頃の国土交通省の雨雲レーダー。

9日は冬型の気圧配置が強まり、関東の南に局地的な前線(収束線)が発生した。

収束線の発生は予想し、9日は昼前まで曇りがちと予報していたが、この冬最強の上空の寒気のため、

収束線が活発化、9日明け方から神奈川県から東京南部に弱い雪を降らせた。

小田原では8時ごろから昼前にかけて雪。積雪は無し。

 

小田原アメダスの気温が0~1℃と低く、雪はほとんど解けることなく落ちてきた。

雪の結晶。板状の六角形もあれば典型的な針状の六角雪印もある。

 

いくつかの結晶が織り成す美しい氷のオブジェも十数秒後には解けて消える。

上空の気温によって雪の結晶はさまざまの形状になる。

1936年に世界で始めて、低温実験室で雪の結晶の製作に成功した、世界的な雪氷学者であり随筆家でもある

中谷宇吉郎博士のことば、『雪は天から送られた手紙』。

  *     *     *

庭の片隅の フキノトウ。低温傾向が続いているためだろうか、まだまだ固く閉じている。

 

 

 

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雪予報

2015-02-06 21:16:17 | 気候

6日朝の雪化粧の箱根山。仙石原(標高約700m)で15cmの積雪。大涌谷(1000m)では

20cm近くあったろうか。ほぼ予想した積雪量だった。しかし、ふもとの小田原では積雪は無し。

朝からの降水は、みぞれ・雪・みぞれ・雨、と変わり、夕方には、予想通り、低気圧の通過と共に、

雨は止んだ。

5日日中の気温(小田原アメダス)は1℃から2℃で推移。雪か雨か微妙な気温が続いた。

850hPa気圧の高度(約1500m上空)の気温は-3~-4℃と低めであったので、もう少し

降水量が多ければ雨粒や雪の気化熱で地上付近の空気が冷やされ、雪主体になったかもし

れない。

気象庁の予測もまずまずだったと思う。MSN(メソスケールモデル)の雪、雨予測の時間的変化も

おおむねよかったと思う。夜半になって通過した上空の寒気の影響による、『警戒すべき』

とされたにわか雪はなかったが、上空の寒気によるにわか雨や雷の予測は容易ではないので

注意喚起ということで良しとしたい。

8日は低気圧が日本海を進む。関東平野で雪はないだろう。

 

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再び南岸低気圧

2015-02-03 21:21:53 | 気候

4日は立春。二宮町吾妻山公園の早咲きの菜の花がすでに満開。ここだけ一足早い『春』。

しかし、5日は再び南岸低気圧が通過し、満開の菜の花は雪に覆われる、かも。

気象庁3日昼過ぎ発表の48時間先5日9時の予想天気図。前線を伴った低気圧が東海沖から

関東沖に進む。夕方ごろには低気圧の中心が八丈島付近を通過しそうだが、関東南岸から

近からず遠からず、首都圏に雪を降らせる『南岸低気圧』としては教科書的なコース。

近すぎれば、低気圧前面に南から流れ込む暖気のため関東南部では雪になりにくく、

逆に遠すぎれば、活発な雨雲(雪雲)は海上を通過する。

同時刻の、850hPaの気圧の高度(約1500m上空)の気温を予想した高層予想図(数値予報図)。

-3℃の等温線が関東南岸上空に予想されている。0℃であれば関東地方の平野部で雪が交じりだし、

-3℃では雪の可能性がかなり高くなる。

地上天気図では三陸沖の気圧の峰から冷たい北東気流が関東地方に吹き込み、低気圧が接近すれば

つめたい北風が低気圧に向かって関東平野を吹き抜けてくる。30日の南岸低気圧のときより、

首都圏で雪になる条件は揃っているようだが、雪・雨の判断は奥が深い。まだ予報は確定できない。

箱根の多いところで20cmぐらいを予想しているが、低気圧が発達すればさらに降雪量は増える。

逆もありうる。

南岸低気圧が関東南岸を通過するまで・・・あと48時間・・・。

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