気象予報士 村上繁郎のブログ

気象予報会社「ファインウェザー」の気象予報士です。身近な気象現象や季節の出来事などを気象予報士の目を通して綴ります。

秋の日の陽溜まりにゆれていた

2015-09-30 22:43:07 | 気候

秋の七草よりも秋を象徴するようになってしまったコスモス。さだまさしさんの『秋桜』効果も大きい・・かな。

気にもとめなかったコスモスの花だが、穏やかな秋の風に揺れるその姿はなかなかよい。

1日から2日にかけて低気圧が発達しながら日本海を北東へ進む。低気圧からのびる寒冷前線の通過に伴い、

全国的に雨と強い南風の荒れ気味の天気。『秋桜』見納め、か。

 

 

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局地的な雲

2015-09-29 11:38:26 | 気候

29日8時の衛星雲画像(赤外)。関東南岸に雲が広がる。日本海から高気圧が張り出しているが、

高気圧の縁になる関東南部には北東から湿った空気が流れ込み、雲を発生させたようだ。

この雲は次第に消えて、関東南部でも昼前から晴れてきた。

29日未明、気象庁発表の日本時間9時の高層天気図(数値予報図)。850hPaの気圧の

高度(約1500m上空)の湿り具合と風向風速を予測しているが、関東の南の雲の広がる

エリアで、湿りを表す等値線が湾曲し集中している。このエリアでは湿った北東気流が収束

上昇し、同じ高度の周囲より水蒸気が多いと予想しているのだが、等値線の込み入ったエリアと

雲の広がりがほぼ一致しているのには感心させられる。24時間前に発表した同じ数値予報でも

多少の位置の違いはあるが、このいわゆる収束(線)は予測されていた。

また、九州南部から本州の南には等値線が集中し、東西にのびているが、これは南の暖かく

湿った空気と、北側の冷涼な空気との境。この場所には前線が停滞し、衛星画像では雲が

広がっている。FXJPと呼ばれるこの数値予報図、予報業務にかなり有効、なくてはならない。

街中ではキンモクセイが10日ほど前から香るようになった。下はギンモクセイ。

中秋の名月と、十六夜のスーパームーンでマスコミが大騒ぎ。秋がさら深まる。

 

 

 

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不安定な大気の状態・・・虹

2015-09-21 00:02:42 | 気候

またまた、虹の画像ですが、18日夕方小田原市の上空に虹がかかった。

小田原市役所からのショット。スマホ(いわゆるガラホですが)で虹を撮影していたところ、

仕事を終わり庁舎から出てきた職員の方たちや、消防署の分署の皆さんが私の姿を見て

虹に気がつき、『おっ、虹だ』などといいながら、10名ほどがいっせいにスマホを虹に向けたの

にはちょっと笑ってしまった。

18日は、関東の南岸に延びる前線や上空の寒気の影響で、大気の状態は不安定。

伊豆から神奈川県沿岸地域には明け方から朝にかけて発達した雷雲が通過。小田原では

明け方から激しい雷雨。雷雲が通過する一時間ほどの前の午前3時ごろには、市の防災放送で

サイレンと共に津波注意報が流された。小田原市の多くの市民は18日は寝不足の人が多かった

のでは・・。

雷が収まったあとも、雨が降ったり止んだりの変わりやすい天気が続き、夕方頃は青空ものぞくが

時折雨雲が通過する、といった天候。その結果、再び小田原市の東の空にくっきりと見事な虹が

かかってしまった。『大気の状態、不安定』、虹がかかるための必要条件、かな。

 

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大水害となってしまいました

2015-09-10 19:36:43 | 気候

寒冷渦(偏西風の蛇行)に引き込まれるように台風18号が日本海に北上、

南の海上から暖湿気流が流れ込み続け、台風17号の北側からの気流と収束し(収束線・前線)

雨雲の発達に拍車をかけた。

寒冷渦の動きが遅く、同じ気圧配置が続き、関東平野に雨雲が列を成し流れ込み続けた。

これだけの条件が絡み合い発生した記録的大雨。箱根でも総雨量は300mmを超えた。

10日17時ごろ、小田原から相模湾を望む。三浦半島の方向に、関東平野に大水害をもたらした

雨雲の列が見えた。

同時刻の国土交通省の雨雲レーダー画像。 

夕方になって雨雲は弱まる傾向。小田原上空に流れてきた弱い雲が雨を降らせ、

箱根に沈み行く陽の光が、相模湾に虹をかける。外側には副虹も見えた。

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飛び入り台風

2015-09-07 19:40:50 | 気候

アメリカ育ちの台風17号がはるか東から次第に接近・・と思っていたら、小笠原の南の海上の

熱帯低気圧が7日の明け方に台風18号に昇格してしまった。

ほとんど発達することなく日本の南の海上を北上し、予想進路の中心を進んだ場合、

9日には東海地方に上陸し、10日には日本海に抜けて温帯低気圧に変わる予想。

7日昼過ぎ気象庁発表の、72時間先10日9時(日本時間)の予想天気図(数値予報図)。

台風18号から変わった低気圧が山陰沖の日本海にある。

上側は、500hPaの気圧の高度を予想した高層天気図。九州南部に『L』スタンプがあり、

上空の寒気を伴った深い気圧の谷がゆっくり西日本に進んできている。『寒冷渦』と呼んでよいと思うが

このような上空の気圧の谷の南東側では、上空の寒気と南からの暖湿気流のため、

大気の状態が不安定になり、雨雲が発達しやすくなる。今回は、台風18号の東側からの

湿った空気が特に強く流れ込む。

下側の地上天気図の日本付近をを拡大すると、

10日9時までの24時間の予想される降水量が破線で表されているが、伊豆半島付近には『135』の

数字がある。

24時間で135mmの雨量が予想されているのだが、72時間先の予報図でもあり、当然誤差はあり、

雨量は100mm以下かもしれないが、150mm以上、局地的にはさらに多くなる可能性もある。

東海から関東の山沿いを中心に、前後の雨量も加えて、200mmを超える大雨に警戒が必要。

台風は、発達することはなくても、決して侮ってはいけない。

 

 

 

 

 

 

 

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再び、青い目の台風

2015-09-02 11:13:38 | 気候

台風17号が発生した。と、いっても中心気圧は最初から955hPa。その位置は、北緯29度、

東経179度50分。日付変更線の向こうで発生し、ハリケーンとしてしっかりと成長、そして、

『強い』勢力となって、ミッドウェー諸島近海から180度線を越え、『台風』デビュー。

その名前は『KILO』。日本など極東地域の国々が持ち寄った名称ではなく、ハワイ名らしい。

台風12号もアメリカ生まれではあったが、熱帯低気圧で180度線を越え、その後台風に発達したが、

台風17号は生まれも育ちもUSA。

気象庁の10日先までの予想天気図(数値予報図)では、次第に北よりに向きを変え、11日ごろには

本州のはるか東の海上を北へ進む予想になっている。さらにその後には温帯低気圧に変わり

東へ進み、里帰り、かな。

 

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