
椅子の修理のご相談の際に「これも直せますか?」と尋ねられた、木彫りの龍の置物。
お孫さんが倒してしまった際に、龍の首が折れてしまったのだそうです。
幸い怪我はなかったそうですが、とてもびっくりされたことでしょう・・・

そんなわけで、椅子とあわせて、龍の置物もお預かりすることになりました。

まずは木工部門。
折れてしまった首の部分にダボを2本入れ、ボンドで圧着。

それだけでも強度はじゅうぶんなのだそうですが、念のため龍のお腹あたりから斜め上に向けてビスを1本入れ、さらに強度を増しました。
続いては、塗装部門。
倒した際に生じた木部の欠けや、継ぎ目の線を目立たなくしていきます。

龍の首の継ぎ目の大きめの欠け部分は、パテで埋めます。

使用したパテがこちら。お菓子のコロンみたい!
このパテは手でこねこねして使う、粘土みたいな手ざわりのもの。
中心部の白い硬化剤と周りの主剤を混ぜ、しばらく経つと硬化し始めます。
粘土のような固体なので、あまり狭すぎる隙間には充填できないため、主に大きめの欠けや凹みを埋めるために使うのだそうです。


そして、このような継ぎ目の細い線やこまかな傷跡を埋める際に使うのが、

熱で溶けるパテ。
小さく狭い隙間には、熱で液状に溶かしたパテを流し込み、充填します。

埋めたパテが完全に硬化したら、表面を彫刻刀で削り、元の細工を再現。

そして、周囲に調和するよう小筆で色を重ねていきます。

ようやく完成です!

龍の首もしっかりとつながり、傷跡も目立たなく仕上がりました。

お腹部分のビス跡もきれいに隠れています。
躍動感あふれる立派な龍の置物。
元気に舞う龍の姿が蘇り、ホッとされていれば良いなと思います。
家具クリニックでは、家具に限らず、さまざまなものの修理も承っています。
お困りのものがあれば、修理が可能かどうかお答えしますので、ぜひ一度ご相談くださいね。
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