「アナウンサーになるのが夢だったんだよね」
突然後ろから、聞き慣れない声がするので、思わず振り返ると、そこにはやはり見知らぬ笑顔があった。
条件反射的に胸元に付けられたネームプレートを見ると
「あっ、思い出した!」
中学1年生の時のクラスメート、勉強の出来る女の子が、そこにいた。
どことなく面影残るマドンナとの再会の合図が、自分でもすっかり忘れていた夢だったとは。
そう、先日行われた中学校の同窓会での一幕である。
小さい頃からラジヲが好きだった僕は、中学生の頃、ラジヲのアナウンサーになるのが夢だった。
アナウンサーになりたくて、中学校の放送委員会に入った。
国語の先生からは、練習だと言って教科書の音読をさせられた。
自分なりに発生練習もしていた。
今思えば、子供ながらに、初めての職業選択だった。
アナウンサーになって、自分でもラジヲ番組をやってみたかったのである。
自由に、楽しくおしゃべりをして、ラジヲの前の人たちを和ませる、
そんな アナウンサーに 憧れたのだった・・・
<つづく>
Golden wing / Shakatak