あんな時代もあったねと - 個人的なこと

2012-02-17 23:57:52 | 個人的なこと

昔々、某電鉄会社の入社試験会場に、緊張した趣で筆記試験を受けている青年がいました。彼に課せられた筆記試験は論文で、テーマは「駅」でした。

青年は、とっさに2つの解答案が頭に浮かびました。どっちの解答を書くか、少し迷いましたが、入社試験ということで、ここは自分の体験を織り込みながら、駅における人と人との交流を描いた内容を記述することにしました。

論文の字数や解答時間など、すっかり忘れてしまいましたが、自分なりに満足・納得して書き上げることができました。

その日以来、青年は会社からの連絡を毎日毎日待ちわびましたが、一向に音沙汰がありません。あまりにも連絡がこないため、彼はとうとう自分は不合格だったということを悟りました。青年は、とても落胆し、そして激しく後悔したのです。「なぜ、あの時、あんな論述をしたのだろうか」と。

試験会場で2つの解答案が浮かび、どちらにするか迷った青年は、「もし、別の解答を書いていれば、試験に合格していたかもしれない」と後悔したのです。
そして、彼が考えたもう一つの案とは、正攻法で論述するのではなく、論文用紙いっぱいにその電鉄会社の駅名を全て書き出すというものでした。

しかし、論文に全ての駅名を書き上げたとしても、きっと青年は試験に落ちていたことでしょう。そして、必ず後悔するのです。「なぜ、あの時、駅名を書くなど、ふざけたことをしたのだろうか」と・・・

試験に落ちたことは残念でしたが、今となっては懐かしい思い出です。

もし電鉄会社に合格していれば、きっと違う人生になっていたことでしょう。しかし、その会社に落ちたからこそ、今の自分があるとも言えます。今も昔と変わらず、毎日色々なことを後悔ばかりしていますが。

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