Far Rattan

タイトルの後に邦題があるものはJP版です。

Born in 68 

2010-03-16 | Gay Film
フランスの最近の情勢はまるでわかっていません。
・ドゴールやらミッテランなど、ニュースでしか耳にしない大統領の名前が上がっていますが・・政党名ですら私には判らないです。大統領と首相が違う政党から選ばれて居る現状。
1960年には大方のアフリカのフランス領は独立しました。アフリカの年と言われる年です。
安価な労働力の流入、高失業率、そして労働条件(賃金)の悪化。
元々他民族のフランスですから、アフリカからも人が流れ込んできます。
ソルボンヌでの学生活動は勢いを増しています。



主人公はキャサリン。豪気な姉御肌の活動家です(写真左側の赤いセーターの子)
BFにイブとヘルベ。常に警察に追われる活動家たちです。
キャサリーンはLove&Peaceを地で行くような先進的、開放的な女性で、男にすがって生きるタイプではありません。でも恋多き女性です。
イブはキャサリンの恋人ですが、体制批判をする割には、ちゃんと国語の教師をしています(写真右から二人目のグレーのシャツ)
親友の方やヘルベは硬派の活動家で、危険な種類の活動も辞さないタイプです(一番左の黒のセーターの子)
長髪の美女はキャサリンの友達のキャロライン。

学生時代、ちゃんとクラスに帰ってくるように教授連に諭されますが、3人は大学から田舎に逃げ出して、無政府のコミューンを作ります。ある日知り合った活動家のジェレミーの祖父母の農園が放置されているから、そこで暮らそうと。パリの騒音を忘れて、コミューは多難なスタートを切ります。



お隣のSergeとMaryseはとても人の良いご夫婦で、このへんてこりんな集団を応援してくれます。クリストファという一人息子が居ます。


キャサリンとイブの間には女の子のルドミラが生まれています。
コミューンは結婚という型にはまらない雑多な同居生活。
一生懸命働いている者も居れば、歌って終わるものも(笑
外貨はイブが教師をして、得ることは出来るのですが・・・二重の生活に耐え切れなくて、まして愛するキャサリンは自由恋愛主義。イブはパリに戻る事に。
そして、ヘルベは硬派・・のんびりとした生活が身に付かず、革命の為にコミューンを後にします。
人がやってきては、出て行く生活ですが、どうにか食べるのには困らないようです。
イブが出て行ってから、キャサリンは2人目の子供ボリスを産みます。
イブはコミューンには帰ってきませんでした。

ある日、突然ヘルベが帰ってきて、抗争中に人を殺してしまって警官に追われていると、一晩匿って欲しい。
翌日には警察官が取り調べにやってきて、ヘルベはコミューンを飛び出して、山をくりぬいた穴に隠れます。


それをミシェル(キャサリンの兄)が見つけ、そっと食料を運ぶようになります。
ミシェルはとてもシャイで気の弱い青年で、なかなか人に打ち解けないのです。
数日後、警官に見つかってヘルベは連衡されます。
その様子を見たミシェルはパニックに陥り、山を駆け巡って、足を滑らせ岩場で滑落。
死んでしまいます。
それでも、コミューンから離れないキャサリン。数人で頑張っています。
ここまでが1部。


2部は、ルドミラ、クリストファ、ボリスが大きくなっているところからはじまります。

クリストファ19歳。ルドミラは18歳そしてボリスがじき17歳。
みな年頃で、ルドミラとボリスはパパ・イブの居るパリで学生生活をしています。

お隣のSergeとMaryse夫妻の一人息子クリストファはボリスに恋をしています。


キャサリーンはよくコミューンに泊まりに来るクリストファのお相手はルドミラだと思っていました。

ボリス君実に美人で!明るい子で人気者です。パリでも、微笑んでくれる人全てと寝てたりして・・
でもクリストファは一途に可愛いボリス君を愛していました。
ある日。仲間内で話題になり、二人はエイズの検査の為に病院へ。
二人ともHIVpositiveでした。落ち込むクリストファ。



クリストファはボリス一本。愛しいボリスは母に似て愛嬌振りまいて暮らしてますから・・
彼からとしか考えられません。
パリでヴァケーションの間同居してから1ヶ月。
ボリスは遊び歩いてクリストファの元に返ってきませんでした。クリストファーは不誠実な恋人に別れを告げます。



そんな・・・と当惑するボリス。



ルドミラは大好きな母なのに、身勝手な母だと忌み、自分は結婚をして、ちゃんとした幸せな家庭を持ちたいと願っています。
お相手はFarivar。
ルドミラを愛する彼は叔母の居るロンドンに結婚したら移るつもりで居ます。
コミューンに参加してルドミラと知り合いました。結婚したらロンドンに住む事に・・・
いざ結婚しても結婚式にも来てくれない母。Farivarは結婚前にキャサリンと関係があった事を告白します。
やがて、子供Dariushが生まれて、幸せなはずのルドミラですが、何かが足らない。
ロンドンには行かずに、仕事を持ち、父イブの元に転がり込んでいます。夫とは別居生活です。

HIVの告白をそれぞれの両親にしたクリストファとボリス。
ボリスも父の所に転がり込んでいます。
そしてやっぱりゲイの活動家に恋を・・母譲り(笑
同じ活動中におまわりさんに捕まった彼です。



クリストファは新しい恋人フィリップと出会いますが・・・急に病気が酷くなり。あっけなく死んでしまいます。



クリストファの遺言で、ルドミラがコミューン近くの昔よく遊んだ小川に遺灰を撒きます。

警察に捕まったヘルベの刑務所に出向くキャサリン。出所したら、コミューンで一緒に暮らしましょう考えておいてね。
ある日、だるさに病院で検査してもらうキャサリン。ガンでした。手術は出来ないと医者に言われ、あともう少ししか時間が無い事を知ります。
刑務所のヘルベはもう、自分は20年前に死んだんだ。ミシェルの死も自分のせいだと、コミューンに戻るのに難色を示します。出所して彼はキャサリン達には黙って行くへをくらませます。

事が上手く行かないキャサリンは気丈にしていますが、パリの道端で、倒れこみます。
そこを助けてくれたのが、アフリカで建築プログラムに携わるアントニオ。
コミューンにキャサリンを送るアントニオはキャサリンに恋をします。こちらアントニオ



「あと何年かたって、僕が帰ってきたら、鍵をかけてしまう?」
「そんなことは無いわ」
数日たって、アントニオはパリの生活に切りをつけ、コミューンに帰ってきます。
この後ずっと一緒にいたいとプロポーズするアントニオ。
キャサリンは自分がガンで余命が短いと告白します。

子供たちを招いて、水道が通ったお祝いパーティ。
キャサリンはルドミラとボリスに、アントニオの仕事についてリマへ行く事にしたの。と嘘を言います。



ルドミラは、自分の結婚式にも来ない母が、外国に行くのは信じられないと。
でも、母は、私はいつも男達を待ってて、でも誰一人として帰ってきてくれなかった。
アントニオは違うわ・・と。

ある日ルドミラはコミューンに呼ばれます。
母の死の床に。

パリの生活は日々ゆったりと過ぎていきます。
ボリスはゲイの人権活動で知り合った彼と幸せそうです。



ある日、イブはタクシーに乗り・・・タクシードライバーをするヘルベに再会します。



若い頃の思い出を語り、ピケを張る若者の中にキャサリンを見た気がしました。



きっとキャサリンや自分たちの意志を継いでくれている若者は居るのだと・・少し嬉しそうなイブとヘルベでした。


フィクションです。
でも、本当にあったような錯覚に囚われます。
貫き通した意志に現実批判しながらも生き抜くヘルベと平易な快適な生活を選んだイブ。
愛を待ち通して、自分の意志で生きたキャサリーン。
善意の人たち。
何処にでもある、映画ほど極端ではなくとも人の世の生業。

普通のゲイフィルムに入れるのには真っ当すぎる作品でした。
UK版、リージョンフリーです。
クリストファとポリスのカップルがとても素敵でした。
田舎でじゃれあっているだけだったら、軽く終わっただろうに・・


Laetitia Casta ... Catherine
Yannick Renier ... Yves
Yann Trégouët ... Hervé
Christine Citti ... Maryse
Marc Citti ... Serge
Sabrina Seyvecou ... Ludmilla
Théo Frilet ... Boris
Edouard Collin ... Christophe
Kate Moran ... Caroline
Fejria Deliba ... Dalila
Gaëtan Gallier ... Michel
Osman Elkharraz ... Joseph
Slimane Yefsah ... Farivar
Matthias Van Khache ... Jean-Paul
Thibault Vinçon ... Vincent

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