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本と音楽とねこと

永続敗戦論

白井聡,2013,永続敗戦論──戦後日本の核心,太田出版.(6.16.2021)

 文章が硬くて読みにくいが、「永続敗戦論」は、わが国の、米国への屈辱的な追従と、近隣東アジア諸国への傲慢さをある程度説明できていると思う。
 日本国民は、東京都心部を我が物顔で飛行する米軍ヘリコプターに対し、なんの怒りも感じないのだろうか。感じないのだとすれば、白井さんの憤りも理解されることはないだろう。
 わたしは、憲法9条改正に賛成であり、自衛隊を国の軍隊として認め、重武装化したうえで、米国からの自立をめざすべきだと思うのだが、はて。

「永続敗戦」それは戦後日本のレジームの核心的本質であり、「敗戦の否認」を意味する。国内およびアジアに対しては敗北を否認することによって「神州不滅」の神話を維持しながら、自らを容認し支えてくれる米国に対しては盲従を続ける。敗戦を否認するがゆえに敗北が際限なく続く―それが「永続敗戦」という概念の指し示す構造である。今日、この構造は明らかな破綻に瀕している。1945年以来、われわれはずっと「敗戦」状態にある。「侮辱のなかに生きる」ことを拒絶せよ。

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