FACE project BLOG

~朝鮮学校と私~

アピール文

2009年12月24日 22時22分20秒 | アクション!
12月4日に引き起こされた事件について、
FACE projectとしてアピール文を発表しました



<私たちの中にある排外主義を克服するために>

私たちは、朝鮮学校と出会い交流してきた大学生のネットワークです。学部や院で学んでいるもの、いまは卒業してそれぞれの生活を送っているものなどさまざまですが、みんな学生時代に京都と滋賀の朝鮮学校を訪問させていただきました。
訪問のきっかけや思いはそれぞれ違いますが、初めて朝鮮学校の門をくぐった私たちは、学校の先生から「ありのままを何でも見て、思ったことは何でも聞いてください」とすすめられ、歓迎されたことを喜び、心を通わす機会を得ました。そうやって朝鮮学校の姿を知ることができたことは、とてもありがたく、貴重な経験になっています。

 ところが、2009年12月4日(金)、京都朝鮮第一初級学校に押しかけてきたものたちが、偏見とウソ、侮辱と差別にあふれる言葉を大音量でまきちらし、朝鮮学校の生徒・先生・親たちをおどかし、追い出そうとする暴挙をはたらきました。泣き出す子どもたちを守るため、学校の門を固く閉じた先生方の気持ちを想うとき、そして嫌な言葉を言われつづけて怒りや恐怖でいっぱいになった学校のみなさんの気持ちを想像するとき、私たちは、怒り、悔しさ、恥ずかしさ、情けなさが入り混じった複雑な気持ちになります。

 この暴挙をはたらいたものたちは、今日の日本社会の風潮のなかで出てきたものです。さらに同様の行為をはたらくものたちを増やそうとさえ意図しています。排外主義だとして批判されるそれらの暴力は、多かれ少なかれ私たちの中にあるものではないでしょうか。例えば、法体系そのものが差別的であるにも関わらず無意識に追従してしまっていたり、歴史や民族教育に対して無関心のままでいることは、排外主義につながっていきます。
 今回の事件は、それを克服できていない私たちの弱さを映し出す「鏡」でもあることを、私たちは深く反省しています。どんなに沈痛な思いを抱いたとしても、私たちは忘却や沈黙によって加害者の立場に立ちこそすれ、被害者の立場に立つことはないのです。日本社会において自分たちの置かれている状況を認識するのに、これ以上決定的なことはありません。

 植民地支配によって日本が奪ってきた朝鮮の言葉や文化を取り戻そうとはじめられた民族教育。戦後64年が過ぎても、朝鮮学校を一条校と同等に扱わないことで日本政府は加害責任を負いつづけています。
 子どもたちが、自分のルーツを知り、生きていくための知恵と力を養っていくための民族教育は、世界中のどこで学ぼうと、どの民族であろうと保障されなければなりません。日本政府の加害責任を隠しながら、子どもたちに当たり前に保障される教育権まで否定しようとする動きに対して、日本社会が正面からNO!と言える風潮をつくるために、私たちは力をあわせていきます。

 私たちの中にある排外主義を克服するために。
 朝鮮学校に通う子どもたちの笑顔が絶えない日本社会をつくるために。


2009年12月22日 FACE project
(一緒に行動してくれる人 募集! face_project2007@yahoo.co.jp)