時代に思う

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110.時代に思う

2015-07-11 16:09:00 | 随筆
≪人口減少時代の新潮流(No-10)
            :働く年金世代の急増≫

1.まず「70歳まで現役」の共有できる社会を
「高齢者の定義を70歳に」すれば、経済成長の概念が大きく変わるといえます。現在の日本の経済成長を計算する上での「潜在成長力」が変わってきます。もちろん、経済成長そのものの目標値も変わってきます。日経新聞の試算によると、2040年比で900万人の生産年齢人口が増えるとしています。人口減少時代における生産年齢人口は、15歳から70歳までになります。増加した分は、国の経済発展の新しいエネルギーとなります。
●ポイントは70歳までの働ける環境を
 年金も70歳まで支給されないとして、勤労所得で生活するとします。その場合、個人の体力に合わせた職場環境をつくらなければなりません。定年制をなくして、50歳くらいから選択可能な職能・職場選びをしてもらい、70歳まで勤めることが可能なコースを選んでもらうことです。そのためには、年功序列賃金や勤務時間の短縮なども同時に選んでもらうことです。また、国がこの制度を後押しして、その企業で就労が困難な場合は、他の企業で70歳まで働けるように出来る制度化が必要です。
●70歳・80歳も現役制度の創設を
 最近の世相を見ていますと、70歳・80歳は、鼻たれ小僧といわんばかりの80代や90代の現役陣が沢山目に留まります。自営業や営業職、経営者、専門職などに多く見かけます。全体の比率としては小さいですが、私の周りに20氏以上の方が居られます。この80歳以上の働く方を制度化したら良いと思います。無病とはいいませんが、一病息災で元気に現役である方を、殿様とか上様、ミスターとかプレジデントとかの称号を与えるなど如何でしょうか?一騎当千とまでは行きませんが、「一騎当十」の役をこなせる人たちです。
●社会保障制度の抜本的改革の突破口に
 70歳までの現役になれば、60歳代後半からの人たちの社会保険収支が好転します。払わないで収める年金の事を考えれば、年金収支が好転の方向に向かいます。少なくとも、年金財政の悪化を緩和することが可能です。今年度から政府は年金の支給を毎年1%ずつ下げて、30年後には現在の2割減を目標とするそうですが、そんなケチなことをしないで、70歳現役を実行してそれを突破口にして、税と社会保障の一体化を図ればよいと考えられます。さらに、国と地方の「プライマリーバランス」の黒字化に加速がつき、実施後5年もすれば目標が達成すると期待できます。
●国の制度としての70歳現役
 70歳現役制度を実施する場合、働く側からみると大きな3の疑問があります。①働ける職場があるか?②働ける体力があるか?③健康寿命まで働いて後は病人生活か?①の場合は、公的機関で保障制度を設ける必要があります。企業に対する雇用の助成金、個人に対する職業訓練も含めた就業保障制度が必要です。②は生涯健康プログラムに基づき、計画的な健康管理を公的機関で行うものとします。③については、生涯生活プログラムの一環として、70歳現役ご褒美制度を創設して、老後の安心生活を保障する。以上のように安心して70歳まで働けるような社会を、みんなが意識することが肝要といえます。
2.60代後半の年金受給者:5人に2人が働く
 表記は、総務省の2014年度の調査の結果です。60代後半の男性は51%働き、女性は31%です。人数にすると374万人、前年度より10%増加、10年間で5割が増えたそうです。374万人の方が年金をもらいながら働いています。
●豪州やスウェーデンなどが高齢者改革を
 スウェーデンは3年前に75歳現役を、豪州は70歳からの年金支給を打ち出しています。2006年小泉内閣の官房長官だった安倍さんは、70歳まで働く企業の実現として「再チャレンジ推進会議」で提案しています。日本もいずれは遅かれ速かれ、年金支給は70歳になると予想されますので、海外の先進福祉国家の動向に見習う時期に来ていると思います。前項で述べましたが、70歳現役の方向にむかうべきです。そのことは、社会保障制度と雇用が連動する改革へと、自ずからそうなるものと思います。
●65歳以上の高齢者非正規社員、26万人増
 上記の総務省の調査で、前年同月比で65歳以上の高齢者の非正規社員就業が26万人増えました。その内訳は男性が16万人、女性が10万人です。全国での役員を除く雇用者は5294万人で、そのうちの2012万人が非正規社員です。非正規社員は全体で初めて2000万人台になり、38%を占めます。正規社員が減って非正規社員が増えるということは、年金などの財源が減るということです。そのこと自体に今後の問題が残りますが、高齢者の就業が増えるということに大きな意義があるといえます。
●年金を支える新制度をつくれ
 前項で述べましたが、年金などの財源が悪化しないようにしなければなりません。そのためには、非正規社員も年金などの社会保障制度に加入して欲しいものです。就労者は全員、少なくとも厚生年金には加入する制度をつくるべきです。2025年には、65~74歳までの若い高齢者より、75歳以上の高齢者が1.5倍になると予想されています。
その対策として、75歳までの就労や年金制度の加入が、経済学者間で説かれています。
● 平均寿命(A)―健康寿命(B)=病気で寝込む寿命(C)
(C)の理想とは、平均寿命が伸び続け、健康寿命がそれに肉薄する状態です。
日本の場合の(C)は83歳-71歳=12年です。この12年を限りなくゼロにアプローチすることが理想です。その度合いにより医療費が決まります。社会保障政策の要となる数字です。(A)と(B)をいかにコントロールできるか、長寿国家の政治力と国民の協力が問われています。別な表現をするなら、少子・高齢化社会や人口減少時代を生き抜く、日本人の英知と勇気ある行動が要求されているともいえます。
●まだまだ伸びる:働く年金受給者
 前述のように60代後半の就業者は、374万人で男性が51%、女性が31%です。女性が長寿なのに、少ないのは何故でしょうか?社会進出が少ない分だけ長生きしていると、誰かが言っていましたのを今でも印象に残っています。本来なら、女性が80歳になっても働く数が、男性より多くなっても不思議ではありません。ワープロをやらしても、ウエイトレスをさせても、料理をつくっても、保険の外交を行っても、その道の評論家や指導員などなど、どれをとっても80代の女性のほうが絵になる、スマートに思えるのはわたしだけでないと思います。女性の就業者数は男性を凌ぐのは、そう遠くはないと考えられ、その結果年金受給者の働く人はますます増えます。(以上)



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