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夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『マリアンヌ』

2017年02月20日 14時24分11秒 | Weblog

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ』を手がけたロバート・ゼメキス監督の最新作は壮大なラブストーリーである。

イギリスの特殊作戦執行部付きのカナダ人パイロットにして、秘密諜報員のマックス。彼は、1942年モロッコで「クラブ内で紫の‘ハチドリ’のドレスを着た女と合流するように」と命令され、マリアンヌ・ボーセジュールという女性と合流。ナチスの大使暗殺作戦を遂行する。

彼らは夫婦を演じるうちにお互い惹かれあい、ロンドンで結婚。結婚式では既にマリアンヌは子どもを宿していた。

第二次大戦が始まり、戦禍の中でマリアンヌは女児を出産。アナと名づけていた。

1年後、上司に呼び出されたマックス。上司は、彼の妻マリアンヌがドイツ軍のスパイであるという疑いをかけていた。そこで、マックスに72時間の猶予を与え、マリアンヌがスパイとわかれば殺害するよう指示する。

中盤から話は大展開していくが、突拍子ではないので集中できる。

マリアンヌは、最後に母親らしい愛情を娘に見せるが、マリオン・コティヤールの母の顔がやさしい。女の一生はつらくて儚い。

何度か、”レジスタンスもの”を観たことがあり、内容的には驚くものではないけれども、マックスを演じるブラッド・ピットとマリアンヌを演じるマリオン・コティヤール主役ふたりがいい味を出していて、ぶあつい感じにはなっている。主役ふたりが出来過ぎて、ほかに目がいかないし、気がちらないので観やすい。

75年前のヨーロッパ。ナチスに翻弄された中で、レジスタンスはたくさんいて、男女の仲になって子どもを生んだ人たちはいっぱいいたはず。そんな人たちは、実際どうなっていったんでしょう?この映画みたいな感じ?

 マリアンヌ


『恋妻家宮本』

2017年02月16日 09時33分55秒 | Weblog

原作は重松清の「ファミレス」で上下巻ある。読み応えがあり、登場人物やその背景が複雑にある中で、どの部分をフューチャーするのか。であったが、やっぱり夫婦とあの生徒とのかかわりを中心にもってきたな、と思う。

熟年離婚の危機に瀕した主人公・宮本陽平を演じるのは阿部寛、妻・美代子には天海祐希。

 

ある夜、書斎の本に挟んであった妻の署名・捺印入りの離婚届けを見つけ、動転してしまう陽平であったが、料理教室の仲間や教師の仕事の中で、家族のありかたを見つめ直す。

阿部寛と天海祐希が夫婦役なんて出来過ぎで、実感わかんと思っていたが、正直、映画の始まりはそれを否定する言葉は当方にはなかった。

が、さすが。包容力?といっていいのか、二人のふところの深さを徐々に感じ、違和感がなくなる方向となる。

 

原作とは大幅に違い、映画は別の作品のようではあるが、映画は映画で悪くない。

テレビドラマ「家政婦のミタ」や「偽装の夫婦」などの人気脚本家・遊川和彦の初監督作品。

  恋妻家宮本 (2016)


『この世界の片隅に』

2017年02月14日 12時16分06秒 | Weblog

大手資本ではなく、小資本で口コミにより広がりを見せている。日常生活の中の戦争を描く。

『夕凪の街 桜の国』で知られる、こうの史代のコミックをアニメ化。

戦時中の広島県呉市が舞台。ある
一家に嫁いだ少女が、戦禍が激しくなる中、懸命に生きる姿を描く。監督は『マイタイ新子と千年の魔法』などの片淵須直。

戦闘シーンがあるわけではない。余分な物語をはずし、日常生活を淡々と描く分、心に深く入り込む。

市井の人々からの目でみた、戦争の恐ろしさ。
派手な演出や音楽なんてないが、それこそがこの作品の素晴らしい点だ。

声優を務めるタレントもそれとわかる有名人は、のん(能年玲奈)のみ。それもまた、落ちついて作品に集中して鑑賞できる理由のひとつ。


『愚行録』(試写会)

2017年02月09日 10時12分28秒 | Weblog

 直木賞候補になった貫井徳郎の小説「愚行録」の映画化。日常的の積み重ねられる妬み嫉みや歪みを絡めたミステリー

ロマン・ポランスキーらを排出したポーランド国立映画大学で学び、短編作品を中心に手掛けてきた石川慶監督の長編監督デビュー作品である。カメラマンもポーランド国立映画大学出身のポーランド人である。脚本は「マイ・バック・ページ」の向井康介が担当した。

あるとき、エリートサラリーマンの田向一家が殺害される。犯人の手掛りがないまま一年が過ぎ、改めて事件を追うべく週刊誌記者の田中は取材を始める。

関係者のインタビューから、被害者一家や証言者自身の実像が明らかとなるなか、事件の真相が思わぬ方向に進んでいく。

 

時系列で過去と現在が行ったり来たりになっているが、現在はシロのトーンで、過去は緑っぽいトーンの色彩で描かれていく。

この映像が秀逸で、過去パートの画面が粘っぽく、巻きついてくる感じのじめじめした雰囲気が怖さを増幅させる。ムズムズしたり、驚嘆したり。ねっとり感が本物。

鑑賞後も余韻があり、気持ちを引きずるが、このシーンはあそこでつながってるのかと、内容が降りてきたりした

登場人物はひと癖もふた癖もある。全員が悪人なので心してかかろう。

主人公の田中役には妻夫木聡、田中の妹・光子を演じるのは満島ひかり。何度も共演してきた二人の、鉄板の兄妹役に注目。テンションを上げる演技でない分、淡々と進む分、想像を掻き立てられる出来。妻夫木聡本人が、田中をやりたいと立候補していた。

いわゆる、幸福に育ってきた人、ほがらかに育ってきた人からの視線からは、ありえない話の積み重ねにしか捉えるとこができないかもしれないが、実際には日常生活にはいつでも誰にでも起こりうる話で絵空事ではない。ギリギリの線で生きている人は少なからずいるものだ。

『そこのみで光り輝く』や『悪人』もいわば、社会的底辺の人たちを取り上げている。そこでしか生きられない人、そこに生きてしまう人はいてしまう。もしかしたら、何かのきっかけで自分も。。。と。

 

今年初!のオススメ作品。映画が好きなら人なら、この作品は納得できるはず。配給はワーナー・ブラザーズ映画とオフィス北野。そう、オフィス北野が絡んでいるのだから、一筋縄ではいかない展開だ。

(2月18日、公開)

 

 愚行録


『相棒 劇場版Ⅳ』(試写会)

2017年02月04日 11時51分13秒 | Weblog

人気テレビドラマシリーズ「相棒」の映画版第4弾。

シリーズ史上、最も壮大で切ないクライマックス…をうたう。

 

7年前、英国で日本領事館関係者の凄惨な集団毒殺事件が起こり、その唯一の生き残りだった少女が国際犯罪組織「バーズ」によって誘拐された。しかし、当時の駐英大使と日本政府はこの事件を闇に葬っていた。

それから7年、行方不明となっていた少女の身代金要求がまた政府に突き付けられる。

首謀者とされるバーズのリーダー・レイブンの意図は何か?

レイブンとは何者なのか?

その後、身代金要求は無差別大量テロへと変貌。50万人の見物客が集まるイベントが標的となる。

その目的とは?

 

冒頭シーンは重厚感があり、つかみはOKやん!

と、映画であることに気持ちをスタンバイ。ドラマと違う雰囲気が漂う。水谷豊と反町隆史とコンビがきて、そこに、ミッチーや仲間由紀恵と豪華感。

これまでの映画版より、いけるかも?

畳み掛けるように順調に物語は進む。

事件の深層へと導く国連犯罪情報事務局・元理事のマーク・リュウを演じるのは鹿賀丈史で壮大に話は進むが、ラストに向かうまで、ちょっと冗漫。

途中でくどく感じることがあった。

つかみはOK!だっただけに、、、

右京さんは相変わらず、スーパーマン的な働きでその点では裏切らない。ファンなら、楽しみ方はあるだろう。

 

(2月11日公開)