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夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

国立国際美術館 コレクション展「彼女の肖像」 ⑤

2024年12月14日 08時05分14秒 | Weblog
第5章 個人と国家
 第二次世界大戦後、冷戦下のアジアでは、朝鮮戦争が勃発しました。アメリカ占領下の日本には多数の米軍施設が置かれ、基地を経由して兵士たちが戦場へと送られました。本章では、国家の引いた境界線が女子たちにもたらした現実と、その中で生きる人々の姿や痕跡を見ていきます。

   

 敗戦後、基地の置かれた横須賀には、米軍向けの歓楽街が準備され、そこで働く女子たちが集められました。10代を横須賀で過ごした石内都は、キャバレーやバーなどの立ち並ぶ基地の通りは、「横須賀ではなくアメリカ」であり、衣類手はいけないと聞かされ育ちます。一度横須賀を離れた石内はカメラを
持って基地の近くの街並みを撮影しに戻り、1981年に、通りにあった元キャバレーを会場に写真展を開きました。米兵向けの慰安施設の神奈川県での第一号となった呉楽荘が取り壊される前の様子も撮影しています。
(章解説より抜粋)

            
この写真はどのように見えるだろうか。離れて撮影した原作の写真を撮影すると、花々が咲いて綺麗に見える。だが、その写真をズームすると
                ↓

          
 赤い花だと思っていたのは、      こちらはピタリと揃えられた
 赤い服を着て白い花を持って      プラカード。
 手を挙げている女性たち。 
この写真のタイトルは「ピョンヤン」、アンドレス・グルスキーの作品である。昔、テレビのニュースで見た記憶あり?
 アンドレス・グルスキーは、2007年に北朝鮮の平壌で行われたアリラン祭を撮影に訪れました。この国家規模のマスゲームを実現するためには数万人の国民が動員されます。グルスキーはスティッチング(画像合成)の技術によって、目を見張るようなスぺクタルを構成する女性たち一人ひとりの顔にピントを合わせ、国家という共同体を形づくる個人の存在を浮かびあがらせています。
(章解説より抜粋)  

また、動画なので撮影を控えたが、山城知佳子は沖縄出身。
山城知佳子の多くの初期作品の多くには、自身の姿が登場します。亀甲墓の周りを黒衣で弾みながら踊る姿から一転して、金網で隔たれた土地の回りを淡々と歩く足取りは重く、金網の奥に見える墓の側には近寄ることができません。海岸線を超えて海まで続く有刺鉄線という、ひときわ場違いな「境界線」は、現在まで続く沖縄の困難を物語ります。(章解説より抜粋)
先祖代々の墓が米軍基地の中にある人たちの思いはどこに、、、

そして、撮影が付加な石川真生の作品
沖縄は1972年まで占領下におかれ、基地面積はほとんど変わらず、一部は増設されます。沖縄で生まれ育った石川真生は、米兵を撮影するため、1975年から77年にかけて基地の近くのコザや金武町の黒人向けバーで働きました。しかし、石川のカメラはやがて、同僚である女性たちに惹きつけられるようになります。米兵の男性たちと心を通わせ、働き、逞しく暮らす沖縄の女性たちの写真は、石川から彼女らに捧げられた賛歌です。(章解説より抜粋)
*ぜひ見てほしい。開催後半から作品が交換されている

国立国際美術館 コレクション展『彼女の肖像』 ④

2024年12月11日 20時02分12秒 | Weblog
第4章 労働と移動
 本章では、家庭の内外で働く女性たちや、経済の不均衡を背景に移動する女
性たちの働く姿を紹介します。 20世紀のアメリカで、工場で働く人々を写
したルイス・W・ハイ写真。働いているのはまだあどけなさを残す幼い少女たちです。当時のアメリカでは、少女や少年たちが安価な労働力として過酷な労働に従事しており、ハインの写真は公にされない悲惨な現状を告発するための重要な証拠でした。彼の膨大な記録は、やがてアメリカ児童労働法の成立の機運を高めることになります。

放置された建物や解体される建物を撮影してきた写真家の宮本隆治は、1987年に香港にある巨大なコンクリート街、九龍城砦を訪れます。イギリスと中国の管轄の真空地帯となった九龍城砦には、難民たちが流れ込み、住民の数は時代ととみに膨れ上がっていきました。スラムや違法な商売の巣窟として名を馳せた九龍城ですが、宮本の写真には、生業に従事し、子どもたちを養い、暮らしを営む女性たちの姿が写っています。1993年、政府による立ち退き要請のあとに、九龍城砦は10ヶ月で完全に取り壊され、跡地には公園が建設されました。住民が去った九龍城塞の姿はかつての面影と、そこに生活していた人々の行方を偲ばせます。
 ジャオ・チアエンによる3映像では、ベトナムやタイ、フィリピン、インドネシアといった東南アジア諸国から台湾へ働きに来た人々が、最近みた夢の話をします。1990年代、少子高齢化による介護福祉分野の労働力不足を補うために、台湾では海外移民を積極的に受け入れました。その結果出稼ぎ労働者や国際結婚が増加しますが、当時台湾にやってくる移民のほとんどが女性でした。彼女たちの見る夢には、故郷に残した家族への思い、生まれた土地から遠く離れた場所で働く不安な心情があらわれています。
(章解説より抜粋)

   ルイス・W・ハイン
「海老取りの少年たち、ミシシッピー州」などを含めて4作品が展示されている。

  

  

宮本隆司「九龍城砦」9作品が展示してあるが、ズームにすると人々の暮らしが垣間見える。

   

小沢剛「ベジタブル・ウェポン     「ベジタブル・ウェポン
      ー舞台鍋/ソウル」     ーさんまのつみれ鍋/東京」

銃が野菜なら戦争はなくなるかな。みんなで仲良く鍋を囲みながら、、、を想像

*ジャオ・チアエンの作品は個室形式。カーテンの中にモニターが設置されている。
(キャプションより抜粋
≪レム睡眠≫は、台湾政府の政策変更があった1990年代に、同地にやってきたインドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム人の短期労働者の夢を抽出したドキュメンタリー作品である。)

MONE KAMISHIRAISHI“yattokosa”TOUR 2024ー25≪kibi≫

2024年12月07日 19時17分14秒 | Weblog
上白石萌音の大阪公演初日に参戦。この日は全体のコンサートツアーの初日でも
あった。
 大阪フェスティバルホールにて

新しいアルバム≪kibi≫が中心のコンサート。何の曲を歌うのか、いつもの“シアターのコーナー”はどうなるのか、いろいろ考えてはいたけれども。
いつもにも増して≪上白石萌音による一人ミュージカル≫だった。とはいえ、観客を置いてけぼりにするわけではなく、斜め上を行くというか、あっと言わせるというか、上白石萌音という人がどういう人かがわかるコンサートだった。
初日なのでセトリは挙げたくはないが、あるトーク番組で風間俊介さんの好きな4曲のうち歌ったのは2曲。「ハッピーエンド」「懐かしい未来」は今回は歌わず。当方もめっちゃ聴きたかった。→あれと、あれは歌っています。ひとつは外国の人も知る名刺代わりの1曲😇

“シアターのコーナー”は今回は“ロンドンコーナー”へ。「千と千尋の神隠し」の舞台で役3ヶ月ロンドンに滞在していたことから、上白石本人が心を揺さぶられた曲や誰でも知る曲を選曲している。
あーーただここが、このコーナーが! とにかくブラッシュアップ!!
このコーナーを観られるだけで、このコンサートはペイしていると言ってもいいのではないだろうか。ある仕掛けがあるのだが、上白石萌音だからこその企画コーナーだった。英語がペラペラでいいなぁ→あくまで、個人の感想です😉 
舞台の上は上白石萌音の部屋に招かれた感じで、イス、ソファや卓上電灯が置いてあり、それらが何かと変化していく。人生の≪機微≫をとらえようとした楽曲が多かった。

そして、弾き語りで歌う曲もあり、これまでにはなかった構成。初日なので、手探りではあるようだが、来年へと進んでいくうちにさらにアップデートされるかもしれない。お楽しみに。
人柄が伝わり、頭の良さがわかる(隠しようがない)コンサートだった。

アンコールで、残り目のグッズ紹介をしようとしていた本人だが、ほぼSOLD OUTで宣伝するものはなし。かつて出したCDアルバム2枚がレコード化されていることと、3年前に出版した本人著のエッセイ「いろいろ」がオディブルとなり配信されていることが発表された(本人録音)。この「いろいろ」に関する曲は風間俊介がおすすめの1曲である。→わかる人にはわかる

そしてそして最後に、コンサートのスポンサーであるミノンさんとサントリー特茶さん、いつもありがとうございます😊 
  

『正体』

2024年12月05日 21時17分18秒 | Weblog
公開前から映画賞を受賞し、どういうこと??とは思ったが、もともと鑑賞
するつもりだったので通常の気持ちで映画館へ。

冒頭、住之江ターミナルが描かれ、ある事件で逃亡していた犯人が最後にいた
ところだと思い浮かんでしまった。当時、近くの職場で働いていて、大騒ぎになっていた。というのはさておき、、、
殺人事件として逮捕された鏑木(横浜流星)が脱走した。潜伏し、逃亡を続ける鏑木だったが、各地で出会った和也(森本慎太郎)、沙耶香(吉岡里帆)、舞(山田杏奈)と出会う。彼を追う刑事は又貫(山田孝之)。鏑木を逮捕した男だ。
又貫は沙耶香らを取り調べるが、鏑木はそれぞれに偽名を使い、まるで違う人物のようだった。逃げては追う、488日もの間、逃亡を繰り返す。
なぜ、彼は逃げるのか。真の目的とは。

物語は、ちかんの冤罪に巻き込まれる沙耶香の父で弁護士(田中哲司)の裁判と平行して進む。ちかんと、猟奇的殺人でレベルは違うが冤罪があると感じている沙耶香は、鏑木を信じる立場。又貫も、上司(松重豊)から犯人逮捕をせっつかれ鏑木を逮捕せざるを得ない状況となり、冤罪逮捕の思いはぬぐい切れないままでいる。
怖い。警察の縦社会は時に恐怖だ。よく、これがネタとなりドラマや映画となるのだから、本当にこの状態がなくなっているわけではないのだと思ってしまう。この映画では、松重豊が旧態依然としたままの上司として存在している。憎たらしい役どころだ。「99.9」の壁。それは、こういうことも踏まえてだとすると不愉快な話である。
そして、横浜流星は映画賞受賞のとおり、素晴らしい演技だった。吉沢亮と共演の『国宝』がますます楽しみである。

原作者は染井為人、監督は「新聞記者」など社会派を演出するのに定評がある藤井道人。出演は他に山田杏奈、前田公輝、森田甘路、西田尚美、山中崇、原日出子など。

国立国際美術館 コレクション展「彼女の肖像」 ③

2024年11月30日 22時04分05秒 | Weblog


 ブリジッド・バルドーの展示からそのまま続く
            通路から第3章は始まっている

    
木下晋「立像」      木下晋「徘徊」      荒川修作「肖像No.1」
  
野田哲也「日記:1968年8月22日」     ↑
               野田哲也「日記:1968年9月11日」    ↑
☆展示作品はゆがんでいません。当方の撮影が下手😭            ↑
                         マルレーネ・デュマス
                          「おじいさんと孫娘」 
 
         
   小西紀行「無題」            小西紀行「無題」
☆この作品を観て、“怖い”と思うか“悲しい”と思うかは、年齢、育った環境、
 国によって違うのではないだろうか。
 これらの作品はどこか不思議な感覚があると感じた。
  →    
サニー・キム「ヤッホー、少女たち」        遠目に観ると写真に見えるが
                        絵画であることがわかる。
サニー・キム自身は幼少期には韓国では暮らしていない。本人の母世代の
学生時代を元に描かれたもの。制服を着て楽しそうに、声を出しているのが
象徴的。

あと、撮影はしていないが、久保田成子の動画作品「ブロークン・ダイアリー:私のお父さん」「ブロークン・ダイアリー:韓国への旅」が展示されていて、ヘッドホンで聴くことができる。前者は、久保田本人と父親が大晦日にテレビを見ながら話しているところ。発売されたばかりのビデオカメラで撮影されている。そのテレビの内容は、中高年ならきっとわかる。。。
後者は、久保田が夫の実家がある韓国への帰国の様子を撮影したものである。

ダーン・ファン・ゴールデン、デイヴィット・ホックニーの作品もあり。


国立国際美術館 コレクション展『彼女の肖像』 ②

2024年11月30日 20時20分46秒 | Weblog
    

   まずは、アンディー・ウォーホルが描くマリリン・モンローから。大量印刷に向いた手法を発見した
人。ポップアートの旗手でもあった。
1962年にはシルクスクリーンを使って作品を量産するようになる。モンローの死後は、彼女の胸から上の肖像を切り出し、「マリリンのディスパッチ」等、以後これを色違いにして大量生産し続けた。

唇の椅子には触らないようにというマークが。触ってはいけないということは、座ってもダメということで理解したい。飛びつきたくなるのは、わかる。
昔、マリリン・モンローの特集記事を書くために(大した事ないもの)、分厚い本を読んだなあ。ケネディ兄弟との関係は実のところどうだったのか、本当に薬物の過剰摂取と飲酒が原因なのか。謎は謎だ。今年のアメリカ大統領選挙では、ロバート・ケネディJr.の写真がよく登場していて、なんか思い出してしまった😨 →まったく美術には関係がありません😓 

   

安斎重男「柏原えつとむ≪方法のモンロー≫東京をゆく」
シリーズでショーケースにあり。

   
岡本伸治郎 版画集「ベティ・ブープの国」より
→文字の部分  
アストリッド・クライン「無題(私はしゃべらない、、、)」

 ダーン・ファン・ゴールデン
            「日本のブリジッド・バルドー」

  

→第2章の雰囲気とともにブリジッド・バルドーを

他にも展示写真があるので、ゆっくり観たいところ。

国立国際美術館 コレクション展「彼女の肖像」 ①

2024年11月27日 21時16分59秒 | Weblog



  
まずは会場入り口の雰囲気から       国立国際美術館が所蔵作品か                  
                     ら、テーマに沿って展示

 第1章から 女性像の解体と逸脱

 →    
福田美蘭「Woman with a Letter」   
 女性が手紙を読んでいると、恋文というのが定番だが、この作品は手紙が
 腰あたりで持っており、欠片も床に落ちてしまっている。  
 入口のすぐにありに、目にとまる。       
        
小川信治「ラス・メニーナス」         ミヒャエル・ボレマンス
 ディエゴ・ベラスケスの           「The Tree」
≪ラス・メニーナス≫を模したものだが、     女性が一点を見つめてい
マルガリータ王女だけがいない。         るが、手に持つものは?             

 
小川信治「連続体・受胎告知1」「連続体・受胎告知2」
 有名な「受胎告知」をご存じだろうか。
 この作品は受胎を告げる相手、受胎を告知を受ける相手がそれぞれいないと 
 いうもの凄い発想の絵だと思う。

 
    
芥川(間所)紗織             カリン・サンダー
「神々の誕生」神話より          「アイシャ・エルクメン 1:10」
どう見える?としばらく           スッくと立つ女性の意志を感じる。
いろいろ考えた。色鮮やか。        正面から撮影すると、照明が入り込   
                      んだので、この角度で。

国立国際美術館 特別展「線表現の可能性」 ⑤

2024年11月23日 22時10分33秒 | Weblog
 「線表現の可能性」の最終章より

     
岡崎和郎作 「静物」            福岡道雄作「ピーチ・ハウス」
                           ↓
                     木黒色強化ポリエステル、木
                     とキャプションにあり
  
野村仁「A Spin in Curverd Air(曲がった大気中の自転)」
この写真すべてを一枚づつ綺麗に撮影したかった。が、自分が写り込んで
しまうので、全体写真とズーム撮影した一枚で。全体写真が斜めに写って
しまったが、そのままで掲載。

 → 上部のズーム。厚みを感じる  
菊畑志久馬「月光 十三」

      
奈良原一高 写真集「空気遠近法」より

  →    
谷川晃一「鳥の共和国」           いろいろな鳥たちが描かれている     
                    色使いも楽しい

            
桑山忠明「メタリックシルバー、     三島喜美代「Box CGー86」  
ピンク、イエロー」

      

      イリヤ・カバコフ「天使と出会う方法」
      近くで観たくなるが、ズームするとここまで確認できる

    

舟越桂「傾いた雲」       パナマレンコ「四つのフリップ・フロップ」     
    ↑                  (揚力発生器)          
不思議な作品だが、
キャプションが気になる??

 スーザン・ローゼンバーグ「ローズ」


☆撮影したが、掲載できていない作品もあり。機会があれば、覚えていれ
 ば掲載していきたい
 このあとはB2階の常設展へ

国立国際美術館 特別展「線表現の可能性」 ④

2024年11月22日 20時19分35秒 | Weblog
   線はやがて立体となるということを表現
                      しているセクション。

ドローイングと作品のセット展示

    → 
宮崎豊治 「Seeing」鉛筆とインクを使ったものが         立体に

   →   
植松奎二「≪置ー浮くかたち≫」
のためのドローイング                 影も入って立体に

    

植松奎二「≪花のようにー螺旋の気配≫」    
ためのドローイング                ↓

                         ↓                    
この彫刻作品はB3入口横に
あるので、必ず見つけてチェックしたい。大きな作品。
             
  →  

湯原和夫「無題」 鉛筆、ステンレス、紙を使用          立体へ

芸術ってこういう発想なのだと思うセクションだった

国立国際美術館 特別展「線表現の可能性」 ③

2024年11月21日 20時45分01秒 | Weblog

   
   シンプルな線画                              第3章には、ブライスマーデンの版画集や
 沢居陽子のLine Workがあるが、白い壁に
               照明が当たり、写真が撮りづらかったので
               全体的な雰囲気を撮影した。
        
中村一美「オレンジ・プレート」      ベルナール・フリズ
オレンジと黄色のコントラスト        「ガルブ」
が絶妙と思う             ☆今回のチケットに使われている絵
                    どのように線を重ねているのか
                    想像してみよう

   
荒川修作「言葉のような線」        ↑
                   ゲルハルト・リヒター
                   「STRIP(926-6)」
  

山田正亮「WORK c.96」   この作品は絵具の厚みが感じられる

直線がいろいろ。ついつい近くで見たくて顔を近づけてしまう😱 
作品に近づき過ぎは、作品のためにはなりませんね、はい。