ヒデェVH ギターコレクション

自称「関西一のPEAVEY-WOLFGANGコレクター(笑)」

再改訂版 PEAVEY EVH WOLFGANG アメリカ製と韓国製の見分け方! その他いろいろの話

2013-01-06 23:57:36 | Weblog
2006年12月に書いた記事の再改訂版です、多少内容に変更がありますのでご注意下さい(2008年9月改訂)(2011年12月再改訂)


今回は私のギターコレクションの紹介ではありません。

最近いろいろな人からこんな事を聞かれます......

「WOLFGANG SPECIALって、値段安いけど、あれは韓国製なんですよね?」
とか、
「サウンドハウスが販売したWOLFGANGって、パール楽器が販売したWOLFGANGより値段が安いけど、韓国製らしいですね!」
とか、
「パール楽器が販売したwolfgangが初期モノで、サウンドハウスが販売したのが後期モノ、って聞いたんですけど......」
とか、
「金ぴかロゴの初期モノだけがアメリカ製で、それ以外は韓国製らしいですね........」
とか...........

誤解だ~!

大きな誤解である!

自称「関西一のPEAVEY-WOLFGANGコレクター(笑)」としては、ほっておけない状況なのである!

ここでPEAVEY WOLFGANGに関するいくつかの疑問点をハッキリさせておきましょう!


(1)いわゆる「パール扱いvsサウンドハウス扱い」問題について!

パール楽器扱い時代のwolfgangとサウンドハウス扱い時代のwolfgangに違いはありません。特に、PEAVEY社の製造段階で仕様を変えていることはありません。

サウンドハウスの肩を持つつもりはありませんが、PEAVEY社はせいぜい規模の知れているマーケットである日本の代理店変更にあわせて仕様変更をしたりはしていないですね。つまり、日本の代理店がパール楽器からサウンドハウスに変わったからといって、それを理由にwolfgangの仕様変更したりしないと言うことです。アメリカでそんなこと言ったら大笑いされますよ。

むしろアメリカの一部wolfgangマニアの間で問題になっているのは、「製造工場がLeakesvilleかMeridianか」という問題です。

実は2003年にPEAVEY社はギターの生産拠点をLeakesvilleという町からMeridian という町に移転したのですが、その時に一部社員が引っ越しするのを嫌がって退社したそうです。その結果、その時期に生産されたwolfgangには品質のばらつきが大きい、という話です。もちろん、これは噂の段階を超えない話ですし、PEAVEY社もそのような理由で品質問題があるとは認めていません。ま、あくまでもコアなwolfgangマニアの間でささやかれている噂ととらえて下さい。私自身、そのような噂の真贋については確認できておりません。

(2)「初期モノvs後期モノ」問題について!

初期モノと後期モノに仕様の違いは多少あります(PEAVEY社のロゴの色など)が、後期モノがすべて韓国製というのは間違いです。
韓国製wolfgangは確かに存在しますが、見分け方は後ほど解説します。

初期モノと後期モノでは多少仕様変更されているのは事実ですが、日本の代理店の変更にあわせて変更したわけではないのですから誤解の無いようにしていただきたいものです。

また、仕様変更は少しずつ段階的に行われていますので、
どこまでが初期型でどこからが後期型なのか明確な線引きは難しい
のがほんとのところだと思います。

一般的に言われている「いわゆる初期型と後期型の違い」としては
1.ヘッドのPEAVEYロゴが金ピカであるかどうか(金ピカが初期型)。
2.ヘッド裏のエディのサインの下にPAT.PENDと書いてあるか、それともPATENT 388,117と書いてあるかどうか(PAT.PENDが初期型)。
3.ネックジョイントビスのワッシャーの形状が小型か、それとも大型かどうか(小型が初期型)。
4.ヘッドの黒い塗装の縁は端っこまで塗装してあるか、それとも軽く縁取りをしたようになっているか(端っこまで塗装してあるのが初期型)。
等があります。

しかし、このような仕様変更は一斉に行われたモノではないようで、「1.のPEAVEYロゴは金ピカで前期仕様だが3.のワッシャーは大型で後期仕様」というような個体もよく見かけます。私のコレクションの中ではストライプのwolfgangがそうです。繰り返しになりますが、どこからを後期仕様と呼ぶのかは明確な基準がないと思います。参考までに書いておきますが、アメリカのオークションebayにおいては2.のPAT.PENDと書いてあるモノを初期モノ扱いしている人が多いようです。



その他、極少数の極初期に生産された「極初期型」の存在についても述べておきましょう。

「いわゆる初期型」はある程度の本数がありますが、「極初期型」については本当に本数は少なそうです。
「極初期型」の特徴は「ヘッド裏にシリアルナンバーとエディのサイン以外なにも書かれていない」という事です。「PAT.PEND」とも「PATENT 388,117」とも書いてありません。非常に珍しい個体のようです、私も実物を見たことはないので何とも言えませんが、ネット上で画像は見たことはあります。


さて、しかし、実のところ、私はwolfgangが初期型であるか後期型であるかは、ほとんど気にしていません。

なぜなら、今まで、初期型も後期型もたくさん見てきましたが、初期型の中にも気に入らないモノは何本もあったし、後期型の中にも素晴らしい出来映えのモノがたくさんあったからです。今まで、私が実際に購入したり試奏したりしたwolfgangは全部で百本ぐらいになると思います。その中から、初期型とか後期型とかカスタムショップであるとか、そういうことにこだわらず、気に入ったwolfgangだけを残したのが現在の私のコレクションなのです。

時々日本のオークションにおいて、「人気の初期型で、もちろんアメリカ製です、後期型の韓国製とは造りが違いますよ!」とか、「パール楽器が代理店の頃のモノで、サウンドハウスが代理店のモノとはべつものです!」とか表現されているのを見かけることがあります。正直言って、「それは違うんだけどなぁ.....」と思ってしまいます。出品者もそう信じて出品しているのかも知れませんが、ま、こういう表現に引っかからないようにしたいものですね。


さて、それではいよいよ本日の本題であるところの、

(3)アメリカ製と韓国製の見分け方

に話を進めていきましょう!

先ず、大前提として
アーチトップのwolfgangは全てアメリカ製
であるという事を押さえておきましょう。
ボディがアーチトップならば100%アメリカ製、間違いありません。

誤解を招きやすいのはボディがフラットトップである「wolfgang special」ですね。

一口に「wolfgang special」と言っても、実は以下の4つの仕様があります。
(1)wolfgang special
(2)wolfgang FT(フレイムトップ) special
(3)wolfgang QT(キルトトップ) special
(4)カスタムショップ製wolfgang special
以上4つの仕様全てヘッドには「wolfgang special」としか書いてありません。
ここが紛らわしいところなんですね。

4つの仕様の内、実は(3)の
wolfgang QT specialだけが韓国製
なのです。


一番簡単な見分け方はシリアルナンバーです。

アメリカ製wolfgangのシリアルナンバーは91または50または51で始まる8桁の数字
になってます。

これはアーチトップであろうが、スペシャルであろうが、フレイムトップであろうが、初期型であろうが、後期型であろうが、パール楽器であろうが、サウンドハウスであろうが、関係ありません。

それに対して、
1.韓国製wolfgang、つまりwolfgang QT special(キルトトップスペシャル)のヘッド裏のシリアルは同じ8桁でも0で始まります。
2.韓国製wolfgangのヘッド裏にはシリアルナンバーとエディのサインが印刷されています。アメリカ製の場合は、シリアルナンバーは刻印、サインは焼き印となっています。
3.韓国製wolfgangのペグ(弦巻き)はGrover(グローバー)社製です。ちなみにアーチトップのペグはシャーラー社製。アメリカ製wolfgang specialのペグにはブランド名は書いてありません。(注:specialでもカスタムショップ製の場合はシャーラー社のチューナーがついている例があります)
4.韓国製wolfgangのボディトップは一見ゴージャスなキルトトップですが、実は非常に薄くスライスしたキルトメイプルを貼り付けたモノです。ボディサイドからよく見ると貼り付けてあるのがハッキリと分かります。
5.韓国製wolfgangのネックには薄く塗装がしてある(サテンフィニッシュというのでしょうか)。それに対して、アメリカ製wolfgangのネックはオイルフィニッシュです。
6.韓国製wolfgangのブリッジにあるPEAVEY社のマークはデコボコとした彫り物風になっています。アメリカ製wolfgangブリッジのマークは印刷というのでしょうか、ツルッとした感じです。また、韓国製とアメリカ製とではアームの取り付け部分の形状も異なります。

以上が見た目で分かるアメリカ製と韓国製の違いですが、もう一つ見えないところで大きな違いがあるのです。
それは、
7.アメリカ製wolfgangのネックにはカーボングラファイトの補強材が入っているのですが韓国製wolfgangのネックには入っていないという事です。

アメリカ製と韓国製の違いを画像で分かるようにまとめてみました。

米国製WG arch headback

米国製wolfgangアーチトップのヘッド裏です。米国製のシリアルは91または50または51で始まる8桁です。シリアルナンバーは刻印、エディのサインは焼き印です。アーチトップwolfgangのチューナーは全てシャーラー製です。

米国製WG FTSP headback

米国製wolfgangフレイムトップスペシャルのヘッド裏。米国製のシリアルは91または50で始まる8桁です。シリアルは刻印、エディサインは焼印です。米国製wolfgangスペシャルのチューナーはノーブランドです(注:specialでもカスタムショップ製の場合はシャーラー社のチューナーがついている例があります)。


韓国製WG QTSP headback

韓国製wolfgangキルトトップスペシャルのヘッド裏です。シリアルは0で始まる8桁です。シリアル、サイン共に印刷されたものです。また、韓国製wolfgangのチューナーはグローバー製です。


韓国製WG QTSP headback nosig1

これも、韓国製wolfgangキルトトップスペシャルのヘッド裏ですが、初期生産段階においてはエディのサインが印刷されていないモノが出荷されました。


米国製WG FTSP bridge

米国製wolfgangのブリッジです。米国製であれば、アーチトップも、スペシャルも、カスタムショップも基本的に同じブリッジが採用されております。(カスタムショップではゴールドや黒など色違いも用意されていました。)


韓国製WG QTSP bridge

韓国製wolfgangキルトトップスペシャルブリッジです。米国製のブリッジとは、PEAVEY社のロゴが彫り込みになっている、アームバーの取り付け部の形状が違う、等の違いがあります。


米国製WG FTSP bodybinding

米国製wolfgangフレイムトップスペシャルのボディ端です。木目がトップからサイドまでつながっている、つまり一枚物であることが分かります。


韓国製WG QTSP bodybinding

韓国製wolfgangキルトトップスペシャルのボディサイドです。トップの木目は薄くスライスされたキルトを貼り付けたモノですので、木目はサイドまでつながっていません。



追記(1)
韓国製wolfgangですが、生産の初期段階においてエディのサインが印刷されていないモノが出荷されました。これは生産設備の準備が間に合わなかったためだったと聞いています。生産途中から韓国製wolfgangにもエディのサインが入るようになりました。

韓国製WG QTSP no sig2

これも韓国製wolfgangキルトトップスペシャルのヘッド裏で、エディのサインが入っていない個体ですね。


追記(2)
大部分のアメリカ製wolfgangのシリアルは91で始まりますが、生産時期が後半(大体2004年以降ぐらい)のwolfgangのシリアルは50または51で始まります。91で始まるwolfgangと50または51で始まるwolfgangには特に仕様上の変更点はありません。PEAVEY社に問い合わせたところ、「シリアルナンバーを割り振るコンピューターシステムに変更があったためにシリアルナンバーの変更があったのだ」という返事でした。


個人的にはアメリカ製wolfgangをおすすめします。

私は「wolfgangはネックが命だ!」と思っているのですが、質感という点でアメリカ製と韓国製とでは格段の差があるからです。
(韓国製wolfgangオーナーの方ごめんなさい!でも嘘は書けないです!)

今回の記事が、今後皆さんがwolfgangを購入される時の参考になれば幸いです!

(注1)掲載している写真の一部に自分が所有しているモノではないwolfgangの写真が含まれます、そのため、シリアルナンバーの一部を塗りつぶしております、ご了承下さい。
(注2)私はあくまでもアマチュア・素人のwolfgangコレクターであり、今回の記事の内容が100%正しいという保証はありません。今回の記事は私が知っている範囲のことをまとめたものです。また、私はサウンドハウス社やPEAVEY社の回し者でもありませんので、その点ご理解下さい。
(注3)今回の記事の無断転載や無断引用はお断りいたします。


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