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EVERYTIME WITH MOVIE

アナキンのBLOG

あの頃から今まで 思いは夢の中

懐かしの映画館 大阪キタ界隈その1

2009年01月15日 | 映画
元旦から近くのシネコンで「怪人二十面相・伝」を観た。
面白かった、続編も期待したいところだ。
そういえば最近は映画をシネコンで観る事が多くなった。
シネコンには大体の観たい映画は揃っているし、綺麗な劇場、行き届いた
サービスと何かと便利に出来ている。
しかし、映画を観た後、何か月か過ぎれば、はて何処の劇場で観たのか記
憶にないのだ。まだボケる歳でもないし、後で調べて判る事なのだが、そ
のての映画の大半はシネコンでの鑑賞なのだ。
昔観た映画はどの劇場で、どの座席あたりか覚えているのに可笑しな事だ。

思いあたるにシネコンは画一的で個性に乏しいのが一因ではないかと、結
論に至り、個性豊かだった頃の映画館が懐かしく愛しく思えてきた。
そんな事で古い映画館について語らせていただきます。
まずは僕がその昔、足しげく通った映画館。とりわけ大阪キタ界隈の、今
は無き劇場についてです。


OS劇場

大阪の少し古い映画ファンなら、誰もが一度は足を運んだはずの大劇場。
テアトル東京と並び日本を代表するビッグスクリーンの壮大さは、映画
を観る前からすでに感動ものだった。
もう死語になってしまったシネラマ。三台の映写機で湾曲画面にスペク
タクルシーンが繰り広げられる、まさに夢のパノラマシアターだった。
僕が初めてOS劇場を経験したのは、「グランプリ」という映画で、
まだ子供だったので、記憶には乏しいが、レースのクラッシュシーンの
迫力だけは、はっきりと覚えている。
その後、映画マニアになってからはどれだけお世話になっただろうか、
「アラビアのロレンス」「ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」「未知
との遭遇」「スターウォーズ」「エイリアン」70年代80年代の大作
は大体ここで観たんじゃないだろうか。
思い出にあるのは「大地震」という映画の時。スクリーンの前に巨大な
スーパーウーファーのスピーカーが設けられ、地震の場面がくるとそれ
が唸りだし、劇場全体に震動が起こる仕掛けなのだ。その音量は凄く、
また実際に僕の座っ座席シートは小刻みに揺れていました。
OSビル。今は浪花餃子スタジアムになって昔の面影はありません。
クラッシクでゴージャス感たっぷりな映画館だった。
もう一度あの劇場であの座席で観てみたいと思うのは、僕だけではない
はずだ。


北野劇場 梅田スカラ座 梅田劇場

1980年にナビオ阪急ができる前、そこに阪急航空ビルという建物が
あり、レストランや劇場で賑わう空間は、その頃の僕にとっての大阪の
中心、いや世界の中心はここでした。
また子供の頃、父に連れられ洋食屋さんやガンコーナーという今で言う
とこのゲーセンによく出かけたものです。
梅田劇場は東宝の封切館。北野劇場は洋画のメジャー封切館。スカラ座
はちょっと落着いた大人の劇場だった。若い僕だったけどスカラ座が一
番のお気に入りで、エレベータで上がりスカラ座の静かなフロアに入る
と幸せな気分になった。
思い出は梅田地下劇場。ここは封切館なのだが少し名画座タイプで、高
校の頃、友人等とブルース・リーの二本立で盛り上がった。
それともう一館、北野シネマがあった。ATG専門の映画館で僕も何度
か足を運んだ。若い人にはアートシアターギルドなんて言っても何のこ
っちゃでしょうが、結構いい作品に出会えたものです。
それと映画館じゃないけど、トップホットシアターという寄席劇場もあ
ってとてもエンターテイメントなエリアでした。
ナビオ阪急に建て替えられた後、北野劇場は大阪の、いや日本を代表す
る映画館としてその名を誇っていました。(父の話によると大昔の北野
は映画とは別に実演と題して、銀幕のトップスターが舞台でその勇姿を
見せては大阪人を喜ばせたらしい。父は辰巳柳太郎や島田正吾を観たら
しい)
そんなわけでシネコンになって、北野やスカラ座の名前が消えた事が、
僕には一番悲しかった。

若い時の映画記録帳(38年前の汚い字で綴られた鑑賞データ)を久しぶ
りに開き、OSや北野・スカラ座での鑑賞記録を調べると、北野劇場で
父と兄の三人でジョン・ウェイン主演「リオ・ロボ」)を観ていた。
今になって思う事はハワード・ホークスの映画を封切で観ていたんだと、
感慨にふけり、自分に感動した。



『レッドクリフ』はどう?

2008年11月09日 | 映画
仕事のほうも一息ついて、ブログのほうも置きっぱなしで、気がつけば2か月。
それでも映画のほうはマメに出かけては楽しんでいました。

「おくりびと」
日本人の死生観がよく表現できていました。ことに「死」というものについての
日本人の持つケガレ感は誇張ではなく、リアルな場面が造れたたと思います。

「12人の怒れる男」
僕の好きなミハルコフなんですが、やっぱりルメット版には及ばなかったようです。
それでもロシアの現状やロシア人の気質なんかを垣間見れた楽しい映画でした。

「ブーリン家の姉妹」
少し演出にあざとい所があったけど(あざといからドラマチックでウケるんだけ
ど)女優陣がみんな素晴らしかったので良しでしょう。
そうです僕はスカーレット・ヨハンソンのファンです。

そして一番最近は
「レッドクリフ」
あの長大な三国志をわずか二部構成という事で、いいとこ取りは分かるのだけど
、省略すべき場面とクローズアップすべき場面のバランスが悪い気がしました。
トニー・レオンとリン・チーリンのラブラブシーンなんか多すぎると思うし、
もうちょっと登場人物個々のキャラの立つ構成の仕方があったと思う。
イメージは仕方ないけど三国志には各キャラのファンが多く、不満もあったはず
です。
アクションはどうだろ?力強いけど、少しスピード感に欠けたきもする。
盛りだくさんだった分、ここぞというアクションは見当たらなかった。
それでもやっぱり早く第二部をみたいなぁ!
 

今年前半期のお気に入り

2008年07月22日 | 映画
お正月に娘と3Dメガネをかけて観た「ルイスと未来泥棒」で今年は始まった。

結論から言うと、「ノーカントリー」「潜水服は蝶の夢を見る」
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」が僕のお気に入り作品なんだけど、
他にも役者さんたちが気合の入った、いいものが多かったように思います。

デンゼル・ワシントンの「アメリカン・ギャングスター」なんかも見応え
あった。もちろんラッセル・クロウも良かった。
「フィクサー」のジョージ・クルーニーは抑えた芝居が渋かったし、
「つぐない」のキーラ・ナイトレイは、この映画が彼女のターニングポイント
になるような気がする。
「最高の人生の見つけ方」のニコルソン&フリーマンは軽快で嬉しかった。
堤真一も「クライマーズ・ハイ」で頑張ったなぁ。
そして宇宙人ジョーンズさん!「告発のとき」は最高だった。

しかしやっぱりオスカーはダテじゃなっかった、ダニエル・デイ・ルイスと
ハビエル・バルデムは狂気と凶器を演じ、目一杯興奮させられた。


それと怖い映画が多かった。
「クローバーフィールド」あの巨神兵みたいな破壊者は夢見そうだし、
「バンテージポイント」を観てシークレットサービスはきつ過ぎると思った。
けど「ミスト」の怖さは並大抵なもんじゃなかった。
人類の愚鈍な悲哀を恐怖で描ききって、見事だった。

お気に入りの3作です。
「潜水服は蝶の夢を見る」
映画的表現の美しさに溢れた名画と思う。生きる人間の視線と感覚を再発見
させられ、人は何を残し死に往くのか考えずにいられなくなった。

「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
噂通りのダニエル・デイ・ルイス。鬼気迫る演技とはまさしくこれでしょ。
家族と信仰に背を向け見放され、金にとりつかれ油と血に塗れる人生。
アメリカだけではない、世界のすべてが進む往く果ての姿が見えてきた。

「ノーカントリー」
理屈ではない。感覚もおよばない。ベトナム戦の後のアメリカ。
荒涼とした乾いた地に見えない敵と戦う、恐怖。不可解という怪物に何も
できずたちずさむアメリカの姿。今となった未来への暗示だったのかなぁ。

最後に「ジュノ」も可愛いかったなぁ。
「インディジョーンズ」は帰ってきてくれただけで幸福!

後半も楽しみな作品がありそうなので、期待しましょう。


12歳からの映画ガイド

2008年07月20日 | 映画
      


今年の一月、義父が亡くなった。
食道楽で太公望。そしてお洒落な人だった。
それから半年、月命日に納骨された大阪の寺へ、嫁と義母でお参りした。
紫陽花に彩られた梅雨の庭園にも足を運び、心静かな時を過ごせた。
その後、心斎橋で食事をし、僕は大型書店へ。

小説や歴史本それと大好きな映画書籍コーナーを見て回った。
そこで見つけたのがこの本「12歳からの映画ガイド」小学館発行。
12歳からの映画かぁ・・・ 
不思議な気がした、そうだ僕も12歳から映画を見始めたんだ。


本は発行されて一年以上経過し、著者はあの佐藤忠男氏。
いつも映画書籍はチェックしているはずなのに、今まで目にしなかったのは
何故だろう。

本の中身はやはり少年少女向けの作品が紹介されている。と思いきや「惑星
ソラリス」のような12歳には難解なものもある。
そういえば僕も、あの頃は結構背伸びした映画を楽しんでいた。
何でも受け入れ、何でも感動していた日々が懐かしい。
12歳ってそういう年頃なのかもしれない。

最近めっきり減った映画館通い。寂しい思いに、今年からまた動き始めようと
決めた自分がいる中、偶然ではなく、必然のような気がした、この本との出会い。
それは、そんな僕の背中を後押してくれた義父のメッセージかも。

そんな事で、ブログまで始めるようになりました。
これから映画について思いを綴りはじめます。
拙い文章ですが、アナキンのBLOGよろしくお願いします。

そう言えば我が家には、12歳になる娘がいたんだ。
彼女、何を考えているのやら。最近、長編小説を読み始めたみたいだけど、
ちゃんと映画も観てくれるかな?

あれ?この本はおじいちゃんから孫へのメッセージなのかな。