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魏晋南北朝

2005-02-12 19:33:45 | 趣味
・この本を読む前に
"魏晋南北朝"では"中国史"と"古代、中世の西洋史"と比較している箇所が多数あります。
塩野七生さんの"ローマ人の物語"、"ルネッサンスとは何か"で"西洋の古代、中世"とはいかなる時代であったかをチェックしてみてください。
また、"魏晋南北朝"時代を扱った小説として田中芳樹さんの"風よ、万里を翔けろ"、"長江落日賦"があります。
"魏晋南北朝"を読む前にぜひ一度ごらんになってください。"魏晋南北朝"がいかなる時代であったかより深く理解できるはずです。

第一章 壮大な政治的分裂~第三章 貴族制社会形成への序曲
久しぶりに、"歴史の本"(歴史小説ではない)を読みたくなったので、以前から興味があった"魏晋南北朝"時代の学術的な本を一冊買ってみました。
特に深い理由もなくこの本を選んでみたのですが・・・・。
読み始めてみると・・・
"学術的な本にしては読みやすい文章だ"
"華やかな暗黒時代って、面白いところに目をつけているな"
"冊封体制って、沖縄の歴史で出てきたな、懐かしい"
(私は沖縄出身で、沖縄の歴史の本が家にあったので何度も読んでいた)
・・・など、思いつつ、気がつけば、あっという間に二時間たっており、約P500ページのうちの半分まで読んでしまいました。

この手の学術的な本にしては珍しく、"読みやすい文章"で書かれていますね。
私はもっと難解な(爆)文章が出てくると思ったのですが・・・。
世界史が好きなら、"高校生"でも読み進めていくことができると思います。

次に、通常の中国史とは違った視点で描かれているのがいいですね。
特に"魏晋南北朝"を"ローマ崩壊後"の中世と比較している点が斬新です。
私も西洋史と中国史、両方とも好きだったので、"魏晋南北朝"と"ローマ崩壊後の中世"の共通点 -古代帝国が崩壊し、混乱が収まるまで300~400年かかった-には、高校生のころから興味を持っていました。
が、中国の文明はこの混乱期に"周辺の地域へ拡散し東アジア文化圏を形成した"、という指摘は、この本を読んで初めて"そのとおりだなぁ"と認識させられました。
また、筆者は"西洋の中世にローマ文明が時代衰退したのは、サラセン帝国によって、西洋の諸国が地中海から締め出されたから"と記述していますが、塩野七生さんも同じような趣旨のことをおっしゃっていましたね(どの本で言及していたかは忘れてしまいました。"海の都の物語"か"ルネッサンスとは何であったか"だったと思う)

後、個人的に興味深かったのが、三国志の"呉"の政治体制を記述している箇所です。
巷の三国志の本のほととんどは、"武将がどうこう"だの"合戦がどうのこうのだの"という記述しかないからなぁ。
そんなのは枝葉末節でしょ?
世界史の本当の面白さは、人々が国を統治してゆくための仕組みをどのように作っていったか、またそれをどう維持していったか、だと私は思っていますから。
"呉"の政治体制の"長所"、"欠点"を知ることができ、本当に勉強になりました。

教養としての世界史を学ぶには最適な一冊です。
機会があればぜひ読んでみてください


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