佃大橋
河口から3番目の橋梁。とってもわかりやすい桁橋である。
隅田川上・下流の橋が個性的で派手な橋ばかりなので、埋もれてしまう形の橋であるが、逆にそれがこの橋の魅力でもある。基本に還るみたいな存在感である。
2017年5月撮影
竣工:1964(昭和39)年8月27日
型式:箱桁橋 3径間
製造:石川島播磨重工業(現IHI)佃島工場
橋長:476.3m 幅員:25.2m
2017年5月撮影
・・・とは言え、当時、先端の技術を用いて架設された橋梁だそうで、馬鹿にしてはいけない。石川島にあった現IHIの工場で組み上げた橋梁をそのままここに持ってきて架橋したとのこと。さらに、この橋梁は、跨川の部分と同じくらいの長さの橋梁が両岸の地上部にも続いており、それ故、橋長がとても長いのである。
第二次世界大戦後、最初に隅田川に架橋された佃大橋は、首都高速道路と同じく、東京オリンピックの開催を契機とした道路建設の一環で架橋されたものでもあるから、その意味では、オリンピック橋とも言ってもよいのではないか。
2017年5月撮影
それにしても、やはり・・・地味な橋である。写真では、後ろに上流にある中央大橋も写り込んでいるが、そちらの方が目立ってしまう。上路式は、広々としていてよいのであるが、この佃大橋には、一つ欠点があるように思う。
川上、左岸の佃島から撮影 2020年2月
それは、歩行者の点から見ると、歩道が歩きづらいことである。他の隅田川橋梁に比べて、少し歩道幅が狭いし、自転車による通行の場合でも、車道の自転車走行は、少々危険であるので、歩道を自転車を押して通行した方がよい橋となっている。ところが、川上側の歩道は、いったん、自転車を持ち上げて階段を上らないと歩道に出ることができない部分があり、自転車を押しての通過は不可能となっている。これを知らないと大変な目にあう。
川下側の歩道を用いれば、自転車や車いすの方の乗り入れが出来るスロープがあるので、渡橋がしやすい。その意味で、川下側の歩道を利用する方が良いだろう。
佃の渡し
隅田川左岸 佃島側 2017年5月撮影
佃大橋の建設に伴い、それまで、両岸を船で結んでいた「佃の渡し」が廃止された。
江戸時代、隅田川には、橋が少なかったためこれらの渡しはあちこちに存在していた。なんと「佃の渡し」は、それまで320年もの歴史があったという。生まれるものもあれば、無くなるものもある。諸行無常というところか。ちょっと違うか・・・
2017年5月撮影
2020年2月撮影
この両岸を渡し船が往復したのであろう。
佃島・住吉神社については、別題で紹介させていただいています。
2020年2月追記補足
2022年3月改訂
以上