日本の夏は、蒸し暑く、気温と湿度の高い日が続き、気候は台湾の亜熱帯とよく似ています。そのような高温多湿の湿熱の中で暮らしてきた台湾の人々は、長年にわたり、身体を内側から整える独自の食養生の知恵を発展させてきました。
台湾料理の基本は「脾胃を温め、熱と湿を取り除く」こと。美味しさはもちろん、真夏の暑さの中でも、身体を軽やかで快適な状態に保つことができます。辛さと刺激の強いインドやタイの料理に比べて、台湾料理は優しく、素材の持ち味を活かした自然な味わいが特徴で、日本人の味覚にもなじみやすいのが魅力です。
台湾の人々は、食材による滋養と香辛料の使い方に長けており、生姜や九層塔(大葉で代用可)、陳皮、ナツメなどを使って脾の湿気を温かく散らしながら、さっぱりとした野菜や冷菜をうまく取り入れて暑さを和らげています。こうした工夫によって、脾胃の気の流れを活性化させ、湿気を体にため込まず、熱も上にこもらないよう整えているのです。
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