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それにしても、これはとんでもない道中だった。延安から綏徳(すいとく)まで少なくとも270キロあるが、その日の夜には着いた。そこから我が家まではあと、95キロ。これで希望が見えて来た。私は、残りの4元余りには手をつけたくなかった。どうあっても、母親に手渡したかったからだ。それですきっ腹を抱え、綏徳のバスの発着所で寝ることにした。かかとさえ擦り減りなくなってしまった靴にお金を忍ばせて、私は横になった。
夜中、お尻を蹴られた感じがして起きた。相手は「コソ泥め、何をしている。俺たちは民兵の見回りだ」。
「何をしていると思う?」という私の返事に、彼らは「生意気なやつだ。さっさと行け」。
民兵たちは私を駅の警備室に押し込めた。中にいたのは、ちょうどガソリンの空き缶で炭を焚いて暖を取っているおじいさんだった。民兵は私をそのおじいさんに引き渡すと、「明日けりをつけるからな」と捨て台詞を残し、また見回りに行った。
私は泣きながら、彼に自分の体験を話した。当時......
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