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妖しい亜熱泰

タイと東京、アジアと和の話題など。
出かけたついでに一枚をつづります。

近代の屏風絵 ‐煌めきの空間‐

2009-01-14 | Weblog
不景気である。新春早々、財布は軽く、気分は重い。
こんな時は、思い切って気分転換をして、豪勢なものでも鑑賞して心だけでも豊かにしたい。

向った先は、六本木にある泉屋博古館分館。現在は「近代の屏風絵」展が開かれている。おめでたい屏風を愛でて、金ぴかの気分だけでもおすそ分けしてもらおうという算段だ。

入ってすぐの「日吉山王祭礼図屏風」(海北友雪)は時節にぴったり。山王日枝神社の祭礼と思われ、赤坂に近いという場所にちなんだ、おめでたい内容に心も和む。手前に船上に神輿を乗せているのが見えるが、かつての溜池の姿だろうか。
吉祥といえば、鶴ですね。第一展示室、第二展示室双方の突き当たりに二作品が対照的に展示されていた。
パンフレットには木島桜谷の作品が載っていたが、自分としては上田耕甫の「白鶴」のほうが好きだ。まさに着地せんとする姿の2羽を左翼に、陸での3羽を右翼に配したあたかも連続写真のような作品。キンキラ度も抜群だ。

展示は、安田靫彦などの小品を含めてわずか14というのは物足りない気分。だが、2月から展示が替えがあり、前期の入場券を持っていけば後期は入場料が半額になるそうだ。そんなサービスがあるなら、納得の吉祥金屏風見学年始めでありました。

ペルシャ絨毯とイランの古楽器

2009-01-12 | Weblog
どことなくエキゾチックで艶めかしい音楽が流れてきた。サントゥールというイランの伝統的な楽器で、船のような形をした琴のようなものをオールのような撥で叩いて音を出している。いかにも中近東という音色だ。
独特の節回しは音程が普通のドレミからややずれているところからきている。3オクターブもの音域がでるのは100本も絃があるからだ。
この音色は2000年前から変わらない。日本へもシルクロードを伝わってやってきたらしい。メロディを聞いていると、どこからか碧眼、長い黒髪の女性が出てきて踊りだすようだ。

と、後ろでは、そんな女性がせっせとペルシャ絨毯を編んでいた。20~30cm織るのに半年もかかるのだそうだ。長い糸をつないで作るのかと思っていたら、編んでいる先の糸が短い。部分部分ごとに編んで大きな作品に仕上げていくとのこと。そのほうが部分補修もきくという利点がある。
手織りかどうかを見極めるのは、絨毯の両端に立ってみると色が違って見えるかどうかだ。手織りの場合、縫った後糸を手前に引っ張るので反りができる。このため芝目と同じような視覚効果が出てくるのだと教えてくれた。

ピアノの原型といわれるサントゥールを聴いたり、美人の絨毯つくりなどを見ていると、現在のイラン、イラクといった血なまぐさいにおいのする国ではなく、かつてのペルシャ帝国のなごりだけを思いたくなった。

亀戸七福神巡り

2009-01-11 | Weblog
出かけようと思ってデジカメのバッテリーを入れ替えていたら、レンズが飛び出したまま止まってしまった。初詣のご利益は早くも使い切ってしまったらしい。

こんな新年のスタートはよくないので、七つの災いを消除し、福徳をかなえてくれるという亀戸七福神めぐりに行くことにした。
亀戸駅の改札を出ると、七福神巡りの地図がおいてあって便利だ。駅から寿老人の常光寺までは15分ほどかかるが、そのあとはいずれも徒歩10分以内で、次の目的地に着くことができるので回りやすい。

残念なことに色紙の配布は松の内で終わってしまっているので、常光寺では七福神めぐりの幟だけが寂しくはためいてるだけで、ひっそりしていた。弁財天の東覚寺に至っては七福神の幟さえも片付けられていて、折からの北風と相まってますます寒い。しかし、恵比須神、大国神を祀る香取神社は有名神社の分祠だけあって、そこそこのにぎわいだった。明治期までは名産だった亀戸大根の碑もあった。毘沙門天の普門院は危うく通り過ぎるところだったが、伊藤左千夫の墓があるのでそれが目印となった。が、肝心の毘沙門堂は閉ざされ、お参りが出来なかった。福禄寿の天祖神社はそこそこ人がいて、神棚の祀り方が解説されていたりした。横十間川近くの布袋尊は龍眼寺にあるのだが、この寺は再建したもの。きれいに掃除されているけれど情緒にややかける。七福神全部回ってここまで亀戸駅から1時間ちょっとの行程。

折角なので、帰り際に亀戸天神にもお参りしてきた。なにせ学問の神様ですからね。わずかだが、梅の花がほころんでいた。人出はなんといってもここが一番多かった。入試も近いので当然だろうけど。
久寿餅がおいしそうだなと思いながらも、デジカメの修理のために電気店へと急いだのだった。

初詣 氷川神社

2009-01-08 | Weblog
仕事始めの日に初詣に出かけた。今年はビル街の坂道を登ったところに鎮座する赤坂氷川神社へのお参り。

氷川神社の本社は、埼玉県大宮にある武蔵国一ノ宮、氷川神社だが、私にとってはこの赤坂のほうがふさわしい。というのも、赤坂元氷川→氷川清話という連想から勝海舟にたどり着いたからだ。我が家の家紋が勝海舟と同じなので、これも何かの縁と感じて詣でた次第。

仕事始めとあって、本殿には企業関係者とみられる大勢の人たちが参殿してお祓いを受けていた。境内には樹齢400年以上という銀杏の木や包丁塚などがあって、六本木と赤坂に挟まれた地とは思えない静けさと自然を保っていた。

帰りは、来た道とは違う経路を歩いたら、偶然にも勝海舟の旧居跡の案内板を見つけた。

この1年、よい年でありますように。

年末?タイ

2009-01-06 | Weblog
「お前がタイに行くと必ず何かが起こるんだよなぁ」
年始の挨拶もそこそこに、社内では異口同音に言われてしまうまでになってしまいました。何せ、バンコク空港閉鎖の前日、滑り込むようにして帰国したのがほんのひと月前だったから、仕方ない。

空港閉鎖が長引いたせいで観光客の出足が悪かったのと、世界金融不況の影響で、年末の空港はいつもより人が少なかったし、高速道路はもっとすいていた。

いつものようにタイビールを飲んで店を出ると、嫌な音が聞こえてきた。
「ピーポー、ピーポー」
忘れもしない、消防車のサイレンだ。幸いにも、宿とは逆方向に去っていったのでほっとして帰っていたのだが、これが、日本の新聞にも大きく出るような大火事だったとは知る由もない。

それよりも危なかったのは、毎回必ず立ち寄る一角で、その翌日にも火事があったことだ。たまたま、別方面で飲んでいて、次の日にその店の前を通ったら稼ぎ時に閉店だったので不思議に思っていたら、友人から火事のことを知らされた次第。

タイ人たちも西洋人のまねをして、カウントダウンをやっていたが、大勢の人たちの前でどこに落下するかわからないロケット花火を飛ばして騒いだり、零時を過ぎてからカウントダウンを何回もやったり、危くてなお調子はずれの新年では、全然気分が出ない。何せ、どこへ行っても大きなクリスマスツリーがどーんとおかれているせいもあるだろう。

そんなわけで、3泊5日はあっという間に過ぎてしまった。
しかしながら、そんな短い間に毎回のように事故が起きてしまうというのは、何という因縁なのだろう。